『アトロク』初回放送後に宇多丸がもらす。「毎日が学園祭」は地獄……!?

2020.1.30

帯番組的働き方革命

橋本 『QJ』の発売が(2018年4月)24日? そのころどうなってますかね。「雑誌・トゥ・ザ・フューチャー(編註:『タマフル』の特集コーナー「サタデーナイトLabo」より、古雑誌を読みながら当時を懐古し全能感に浸る企画)」だ。

宇多丸 僕のほかの仕事との重なりがだんだん出てきて、もうしんどくなってたりして。

古川 3週間後じゃ、まだ精神的にはバタバタしてるんじゃないかな。ちょっとだけ合間に余裕ができるかな、くらいで。

橋本 コーナーは同じでもゲストやパートナーが毎日違うから、落ち着くってことはなさそうだな。

宇多丸 そう、たぶん永久に落ち着かない。初めてお招きする人はどうなるかわからないし。

橋本 かといって、初めての人を入れていかないと「楽してんじゃねぇよ」って怒られるからね。フレッシュでい続けなきゃいけないっていうのは、使命としてあると思うので。

古川 『タマフル』も、最後まで「目つぶっててもできるわ」みたいにはならなかったもんね。でもそれこそ、土曜の夜に家にいる感覚をだいぶ忘れてるからさ。それも楽しみですよね。

宇多丸 ほんとにすみませんね、お父さんを。土曜の夜かー。クラブとか行っちゃおうかな。

橋本 いいじゃないですか、クラブ。

古川 土日は2日休めるから、旅行も行ける。

橋本 むしろ土日しか行けないですから。

宇多丸 でも、帯になったら1年中やってんだから、どこかでまとめて休みますよ、普通に。休んでいいですか?

橋本 大丈夫です。ちゃんと契約に入ってますから。

宇多丸 明日(火曜日)、ジェーン・スーに「放送が終わったあと、迎えに行くから飯行こう」って言われてるんだよね。帯の心得を教えてくれるらしいから、ちょっとパイセンに説教食らってくるわ。

橋本 絶対、俺とかいないところでやりたいんだろうな(笑)。

古川 そりゃそうでしょ。演者にしかわからないことがあるから。

宇多丸 何を言おうとしてるんだろう。まぁでもとにかく、やんなきゃわかんないことを事前に困っててもしょうがないから。いくら言われても、大変な時期が来たらそれは避けられないし。

古川 橋本さんから見て、帯番組が演者さんに体感として染みつくのはどのくらいの期間がかかるものなの?

橋本 どうっすかね。早い人は多分、半年ぐらいでなんとなくもうわかってくるのかな。でも、体制も含めると、「これは誰も無理せず回ってるな」ってなるまでにはやっぱり1年くらいかかりますよ。

宇多丸 要はさ、大変なのは俺じゃなくてスタッフなんですよ。

古川 いや、『アフター6ジャンクション』は意外とそうじゃないでしょ。

橋本 宇多丸さんの負荷はけっこうあるよ。

宇多丸 いや、次から次へとくるおもしろいことに反応するというか、『タマフル』も後半はけっこうそうだったように、どんどん襲い掛かってくる面白いことにちゃんと反応してればいいだけだから。準備する人たちは大変だけど、俺は毎日違う人が来ておもしろい話してくれて、聴いている人が「おもしろいな」って言ってくれるようにこれからも番組を盛り上げられたらいいなと思うよ。


宇多丸

(うたまる)1969年生まれ。ヒップホップグループRHYMESTERのMC。ラジオパーソナリティや執筆など幅広く活動している。ラジオはこれまで数多く出演してきたが帯番組のパーソナリティは初。


古川耕

(ふるかわ・こう)1973年生まれ。放送作家。『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』でもたびたび登場したブング ・ジャムとの共著『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売中。


橋本吉史

(はしもと・よしふみ)1979年生まれ。TBSラジオプロデューサー。『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』をはじめ、『ザ・トップ5』『ジェーン・スー生活は踊る』『都市型生活情報ラジオ興味R』など数々の番組を立ち上げた。

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