交通情報までもコンテンツに
橋本 いろいろまだ工夫はできますよ。適度に無意味なことをやるとかね。
宇多丸 たしかに、今日振り返るとやっぱりやってる最中は「コッテリしてんな、おい」って思った。「毎日フルコースかよ」っていう。「新概念提唱」コーナーのところで、簑和田くんがジップロックに保管したお菓子持ってブースに入ってきたじゃん? ああいう、話が特に進んでいかない感じのところとか、やっぱりあったほうがいいんだよね。俺はやっぱり情報を詰め込んで先へ先へ行こうとしちゃうから。
古川 あ、一個思い出した。俺、今日一番感動した瞬間は、交通情報の時間かも。普通、どの番組でも交通情報が流れた瞬間にブースのマイクはオフになって、パーソナリティたちはほかの作業や打ち合わせをしたりするんだけど、今日宇多丸さんと熊崎が放送を聴きながら台本にメモ取ってたでしょ。ああいうのは初めて見たから、「ここから本当に変わるかも」って思った。すごい第一歩ですよ、あれは。
橋本 ラジオって変な習慣が多いんですよ。交通情報にしてもそうで、なんでどの番組でもそういう流し方なの?って気になってた。それでいろいろ聞いていくと、誰も手を出してなかっただけで、自由に変えていいものなんですよ。だったら面白くしないとダメだ!って。
宇多丸 交通情報担当の方全員が声を合わせるの、すごかったよね。合体ロボの画面分割のシーンじゃん。あれだけでめっちゃアガる。
橋本 テクニカルなことをいうと、あれって「警視庁」「神奈川」とかって横に4つ並んだボタンを一個一個切り替えてるんですよ。それを今日初めて、全部一気に押した。本来だったら全員が一斉にしゃべって放送事故になっちゃうからダメだって言われていたボタンを、全員同時に挨拶してもらうために押すということが地味に歴史的快挙なんですよ 。
古川 そりゃ熱いね。だから簑和田くんが何度も力強くうなずいてたのか。
宇田川 交通情報担当の人も、もっとほぐれてきて口調から柔らかくなってったら面白いよね。
橋本 ただ、交通情報もコンテンツにした結果、放送中にパーソナリティがトイレに行く時間が全然なくなったっていう。
古川 トイレに行く様子をそのまま放送したらいいんじゃない?