ラジオ、賞レース、バラエティと露出を増やし、ついにお茶の間にまで浸透し始めた空気階段。ふたりが芸人をつづけるモチベーションと言って憚らない単独ライブ、『anna』も成功させた。芸能活動も私生活も激動過ぎるコンビに、あなたは振り落とされずついていけるか!
『芸人雑誌 volume2』に掲載されている空気階段のインタビューから、一部を抜粋して特別公開。
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笑いとは違う別の感情を動かしたほうが、おもしろくなる
――単独ライブ『anna』開催まで長い道のりでしたね。
かたまり はい。コロナで2020年3月の公演が延期になって、8月の振替公演も中止で、ようやくできました。
もぐら 大変でした……。あと劇場が禁煙で、タバコが全然吸えなかったんですよ。隣の公園の喫煙所まで行かなきゃいけなくて、本当に苦しかったです。あれを乗り越えたのは相当でかかった。
かたまり (笑)。あれはでかいね。
――予定していた『anna』から1年経って、中身は変わりましたか?
もぐら 全体の半分は変わったかもしれないですね。
かたまり 前日のリハでも100カ所直しましたし。
もぐら 前日の時点で相当長かったんですよ。3時間ちょっとぐらいあって、これはまずいと、全体的に摘んだところもありますし、展開を変えたり、ラジオの音源も前日に全部録り直しました。
――単独で定番のキャラ・関健が出てこなくて、カットされたのかと。
もぐら 関は消したわけじゃないです。3公演連続で出たので、一回また世界の旅に出てもらっている状態です。
――会心のコントってあります?
もぐら どれが会心だというより、全体で観てもらえたらって感じですかね。一本通して観てもらいたい気持ちで作ってるんで。
かたまり そうですね。単独のときは賞レースとかまったく考えないから、このネタが個別に好きとかはないんですよねえ。
――単独のコンセプトはあったんですか?
もぐら 「ラジオ」じゃないですか、ラジオでつながってる、ってことですよね。
――ここ一番で電波のコントされますよね。『キングオブコント』の『電球師』、『マイナビ Laughter Night』(TBSラジオ)の『電波のおじさん』とか。
もぐら そうですねえ。『電波のおじさん』はラジオじゃなくて、ただの発信機ですけど(笑)。
――単独では、ある楽曲が流れるエモい展開に、若干照れてしまいました。面白い部分と感動の部分、さじ加減が難しくないですか。
かたまり 笑いとは違う別の感情を思いきり動かしたほうが、笑いに振ったときにダンッておもしろくなるんですよね。でもそれが行き過ぎるとそこまでウケないことになりかねないので、ここは笑いを取っておいて、ここはお芝居を見せる、というバランスは考えます。
もぐら 最終的にはやっぱりウケないといけないんで。エモく受け取られても、笑いにちゃんとつながってくれてれば、それはいいフリだと思ってます。
――ラストコントを基に全編のコントを作っていったんですか?
かたまり 最後のコントができたのは最初のほうです。それ含めて、なんとなくの大筋は最初にだいたい考えました。
――最後に集約させる要素をそれまでのコントに散りばめる、みたいな作り方なんですかね?
かたまり 最後のコントに入れたい要素を、どこかのコントに入れておく、という作業はしますね。強引な出し方にならないよう、コントになじんでバレないようには気をつけてますけど。
もぐら ただ、つながっててもつながってなくてもおもしろいものだったらいいとは思っていて、独立した設定で一本一本観られるものにしないといけないなと。最後につながっていくためにだけ存在してたらダメだなというのはあります。
――今回、コント『Q』が謎過ぎたんです。あれは何を伝えたかったんでしょう?
もぐら あれは……理不尽ということですかね。僕がパチンコでしょっちゅう味わっていることで、努力しようが何しようが自分の力ではどうにもできないことが世の中にはあるんですよね。それに出合ったら、ひたすら金を入れつづけるしかない……。それが『Q』ってことですかね。
かたまり まったく同意見です!(笑)
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