「若さ」を逆手に取って居場所を築いた
──芸人になることへの恐怖感が消えたのはいつごろだったんでしょうか。
養成所の後半のほうで、事務所のライブにも出させてもらったんです。最初は一番下の若手ライブだったんですけど、そこで優勝して。次の若手ライブの『WEL NEXT』でも2位になって。そのときの1位がハナコさんでした。
お笑いってすごく厳しい世界だと思ってたし、養成所を出ても売れるのはひと握りだって言われたんですけど「もしかしたらプロになってもいけるんじゃないか」と思って。そこから少しずつ自信がついた感じですね。
──そこで芸人になる覚悟というか、腹を括った。
いや、腹は括ってないです。今も全然括ってないです。
──今もなんですね(笑)。それでも、卒業してから1年後には『新しい波24』(フジテレビ)でレギュラー出演を果たします。実際に芸人としてデビューしてからはかなり順調に歩んできた印象があります。
まあ、順調ではありましたね……(笑)。でも『新しい波24』に出ていた当時も「あ、テレビ出れたなあ」くらいしか思ってなかったですよ。それにまわりの芸人さんと比べてキャリアも浅いし、エピソードトークが豊富にあるわけじゃないんで、最初は湾岸スタジオに通ってスタッフさんとトークの打ち合わせをしてました。それはけっこう大変でしたね。
──どの番組でも、年齢も芸歴も最年少ですよね。やりにくいことはなかったですか?
いや、序盤はそれで助かってました。若いっていうのもあって、失敗しても許してもらえたり。先輩たちにもガンガンいっちゃったほうがおもしろくなりそうだし、あんまり臆せずに話して居場所を作ってました。年下も後輩もいないから、そうするしかないんです。まあ、怖そうな人もいないし大丈夫だろうとも思って。
視聴者には裏側って見えないですけど、実際、怒られたりしたこともないんです。みんな優しいです。ちゃんと楽屋に挨拶に行けば、まず怒られません(笑)。
──先輩だらけの環境でも若さを逆手にとって、ガンガンいけたんですね。
だから逆に、これからのほうが怖いんですよね。今24歳なんで、これからどんどん「若い」っていう言い訳もできなくなりますし。とりあえず賞レースも、せめて決勝には行っとかないとな、って。「行きたい」ってよりは「行っておかないと」っていう感じ。これだけいっぱいテレビに出させてもらってるんで。
──ここからが勝負なんですね。養成所に応募してくれた友人にも、今は感謝してますか?
うーん、ちょっとそれはねえ……どっこいどっこいくらいですねえ……。感謝するときもありますし、「何やってくれたんだよ」って思うときもありますし(笑)。ちょうど今、どっこいどっこいです。
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飄々としていて、掴みどころがなく、特異な存在感を放つ四千頭身。
都築拓紀、石橋遼大、後藤拓実のそれぞれにインタビューを行い、三者三様の情熱・スタイル・戦い方を解き明かす。関連リンク
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