きぃりぷインタビュー「みんな、慌てんなよ！」

EXITのふたりが「最も注目のギャル」として真っ先に名前を挙げたのは、（取材時）17歳のギャルだった。彼女の名は鈴木綺麗、通称きぃりぷ。古風でありながら最先端、「強め系メイク」が特徴の、『egg』専属モデルだ。キャッチコピーは“令和世代のミラクル・ギャル”。……果たしてどんな人物なのだろうか？　あふれる期待と少々の不安を胸に、『egg』編集部の扉を叩いた。

――今日は「ギャルの生き方」について、いろいろ聞かせていただければと思ってます。

きぃりぷ　え、あれですよね？　EXITがウチの悪口言ってたみたいな話でしょ？

――言ってませんよ！（笑）。きぃりぷさんはいつからギャルになったんですか？

きぃりぷ　『egg』に入ってからですね。今って「ギャル」と「ヤンキー」が合併？しちゃってるけど、ウチは自分のことをずっと「ヤンキー」だと思ってたから。小6からグレ始めて、だんだんこういう見た目になって。そのころから、ウチ的に「1週間のうち5日学校行って、2日休み」っていう連チャンみたいなのがダルくて。そういう繰り返しが嫌すぎて、こっち（『egg』）の道に入ったって感じっすね。

――『egg』 モデルになるまでの経緯も聞きたいです。

きぃりぷ　中学卒業してから、スーパーのお惣菜屋さんで焼き鳥焼いたりとか、いろいろバイト掛け持ちしてて、ちょっと金が余ってたんですよね。それで「習い事でもやるか〜」と思って、地元の茨城から六本木までポールダンス習いに行ってたんです。その帰りに友だちと行った渋谷のタピオカ屋さんの人がたまたま『egg』とつながってて。「『egg』出ちゃいなよ！」って。「まあ人生経験じゃん？」ってノリで行ったら、トントン拍子で専属（モデル）になった。

――モデルの仕事を始めてから、何か変化はありましたか？

きぃりぷ　ウチ自身は全然変わってないけどね。でも、この業界に入ってからは「ここは地元じゃないんだから地元流じゃだめだ」とかは考えるようになったかな。仕事をくれるのは『egg』だけど、いざ仕事が始まったら個人プレーっつうか、人間同士じゃん。それで「きぃりぷってこういう子なんだ」みたいに認めてもらえて、つながりも増えていって。……なんだっけ、「微動だにしない」みたいなの言うじゃん。「肝が据わってる」か。そういうのも言われるようになった。

――肝が据わっていそうです。

きぃりぷ　やっぱり何があってもまわりのせいにしないのって大事じゃん？　見た目が派手なぶん、自分で自分の居場所をつくる、みたいな。ふざけるときはふざけるし、全然軽いノリでいっちゃうけど、ちゃんとするときはマジでちゃんとするよね。

――きぃりぷさんの「強め系ギャル」のメイクにはどんなこだわりがあるんですか？

きぃりぷ　ウチはこのメイクしかかわいいと思わないし、自分のことを。それにどれだけメイクしたって、結局、中身は変わんねーじゃん。だったら、好きなことやって嫌われたほうがいいやって。メイクも特技のひとつなんで。「ウチ習字うまいからアイラインうまいんだ！」みたいなノリっすね。

――なるほど。恋愛の面だと、どんな男性が好きなんですか？

きぃりぷ　面倒見がいい人がタイプかな。ウチも彼氏に浮気されたりとか、けっこうつらい恋愛してるから。だからほんとに優しい男じゃないと絶対無理だよね。

――どちらかと言えば「尽くされたい」という感じなんですね。

きぃりぷ　そうだね。爪も長いからさ、「食器洗え」とか男に言われたら無理。「てめえが洗えよ、爪ねえんだから」って思っちゃう。

――たしかに、爪がすごく華やかで……めちゃくちゃ長いですね。

きぃりぷ　お世話になった人が死んじゃったときにね、急だったからお通夜までに爪も髪も変えられなくて。「見た目よりも気持ちだよな」って思って行ったの。で、お焼香をこう、指でつまんで持ち上げた瞬間、爪の隙間からパラパラパラ……って。「いやいや、お焼香、舞ってたよね？」みたいな（笑）。それで爪の裏でこう、お焼香をすくって……。

――強烈なエピソードですね。EXITのふたりから、「ギャルの間で流行ってることを知りたい」と頼まれたのですか。

きぃりぷ　ウチってほかのギャルの子に比べてパンチ効いてんじゃん？　最近の子たちの中で流行ってるのってタピオカとか、新しいシャーペン買ったとかじゃないの？　わかるっしょ？

――（笑）。そうかもしれないですね。あとこれも、EXITからなんですけど、きぃりぷさんは座右の銘とかありますか？　……好きな言葉とか。

きぃりぷ　最近考えるのは、「いつまでもあると思うな親と金」。たまにはそういうのをシ～ンって考えるのも大事だよね。

――大事だと思います。2019年5月には元号も変わり、新しい時代がスタートしました。きぃりぷさんから今の世の中に言いたいことはありますか？

きぃりぷ　まあ、なんつーの？　……「慌てんなよ！」って感じだよね。

――いい言葉ですね。

きぃりぷ　堂々としてればいいんですよ。心を広く持って、慕われる人になりたいよね。……どうしたらそういう人になれるんだろうね。わかんない。ウチまだ17ちゃいだもん！

「EXITと学ぶギャル特集！【後編】チャラ男としての魂を思い出す」に続く

関連記事

EXITと学ぶギャル特集！【後編】チャラ男としての魂を思い出す

「ギャル」の謎に包まれた実態をレポートする。自分の信じるスタイルをとことんハッピーに貫く彼女たちの生き方から、私たちが学べることはきっと多いはず。ナビゲーターは“ネオパリピ芸人”として大ブレイク中のお笑いコンビ・EXIT。“真のチャラ男”を目指す彼らと一緒に、「ギャルの生き方」を勉強しよう！

MORE

兼近大樹（かねちか・だいき）
1991年生まれ、北海道出身。EXITのボケ担当。ベビーシッターのアルバイト経験があり、面倒見のよさには定評がある。妹の学費のために高校を中退して働くなど、家族を大切にするギャルとの共通点も多い。

りんたろー。
1986年生まれ、静岡県出身。EXITのツッコミ担当。主にチャラ男キャラを活かしたネタを作成している。ネタ作りの際に参考にしているギャルは、『月曜から夜ふかし』（日本テレビ）のフェフ姉さんと多田さん。

きぃりぷ
本名は鈴木綺麗。2001年生まれ、茨城県出身。ギャル雑誌『egg』の専属モデル。EXIT、山田菜々らとコラボしたMV『ワンチャン・サマLOVE』が配信中。趣味は数回しか通わなかったポールダンス。