伊沢拓司「おもしろかった、という言葉だけで足りる」予想できない展開に熱狂!QuizKnock主催のクイズ大会『ハイスクールクイズバトル WHAT 2025』

2025年8月30日(土)に、都内でQuizKnockが主催する、高校生以下が対象のクイズ大会『ハイスクールクイズバトル WHAT 2025』(以下『WHAT』)の2nd dayが開催された。
8月17日(日)に行われた1st dayは、東京会場・大阪会場・オンラインの3つで開催され、2,278人が参加。その中から勝ち抜いた30人が挑んだ、2nd dayの様子をレポートする。
ドラマチックな展開を見せた準決勝
リアルイベント『QuizKnockフェス 2025 〜クイズも謎もトける夏〜』1日目のステージコンテンツともなっていた『WHAT』2nd day。当日行われた「準決勝」は179名、「敗者復活戦」と「決勝」は361名の観客が戦いを見守った。
MCを務める須貝駿貴とふくらP、問読みを務める山本祥彰がステージに登場し、観戦における注意事項を説明しながら会場を盛り上げた上で、参加者30名を呼び込み「準決勝」がスタートした。

「準決勝」では、50問早押しボードクイズが実施された。30名全員が早押しボタンを持ち、1名がボタンを押した段階で問読みが止まる。1問につき最大5名がボタンを押すことができ、その後30名全員が手元のボードに解答を記入する。 ボタンを押して正解すると5ポイント獲得できる一方、不正解だとマイナス5ポイントとなる。
さらに、早押しボタンを押して2回誤答すると、早押しの権利も失われる。ボタンを押さなかった場合は、正解すると2ポイント獲得でき、不正解でもポイントの減点はなし。50問終わった時点で合計ポイントが多かった上位9名が、決勝への進出を決めるというルールになっている。
問読みと正誤判定のデモンストレーション、全員のボタンチェックが完了すると、いよいよ「準決勝」がスタート。第1問目を読み上げる山本の「問題」という声を境に、会場の空気が一気に引きしまった。

かなり早い段階でボタンが押された1問目だったが、正解者は少なめ。その後も、4問目では誰も正解者が出ないなど、静かに始まったかのように見える「準決勝」だったが、11問目では早い段階でボタンが押されたにもかかわらず、多くの参加者が正解したり、12問目では単独正解者が出るなど、須貝とふくらPも驚きを見せる展開に。
25問目終了時に発表された中間結果では、ひとりだけ50点以上獲得している佐々木瑛大(北海道・札幌南高校3年)に拍手が送られた。
その後も「藤浪晋太郎」が答えになる36問目では、野球好きの須貝が、正誤判定中にしっかり解説をしながら、各参加者の得点を確認し、序盤ではポイントがマイナスだった参加者がポイントを取ってきていることについて、「『がんばれ』の気持ちを込めて、応援していきたい」とコメントする場面も。

上位9名に残るためのボーダーライン上にいる参加者が1問ごとに入れ替わるなどの熱戦を見せるなか、40問目終了時には再度中間結果が発表された。
須貝とふくらPは、佐々木が着実にポイントを獲得し80ポイントに到達していることに触れるとともに、ボーダーとなる44ポイントを獲得している参加者が3名おり、その中でも9位の山本明空(大阪・星光学院高校2年)は早押しの権利を失っているものの、ボードクイズの正解数だけを見ると30名の中で一番正解していることにも注目した。
「準決勝」の終わりが見えてきた48問目では、正解者がおらず、さらに早押しボタンを押した2名がボーダーラインにいたため、順位が大きく変動するなど、誰が9位に滑り込めるか最後までわからない状態で、全50問が終了。

最終得点が発表されると、観客席からも「おお〜!」という声が漏れ、100ポイントを獲得した佐々木はガッツポーズを決めた。
見事9位に滑り込んだのは、最後までボードクイズで地道に点数を重ねた山本。ふくらPからも「見事な勝ち抜けでした」とコメントが送られた。
白熱した準決勝に対し、ふくらPは「ドラマチックでしたね」と感想を述べ、問読みをしていた山本祥彰は「(問読みに集中していたから)観客として見たかった。最後はびっくりしたね」と興奮を隠せない様子だった。

早押しだからこそ勝ち上がれる?波乱の敗者復活戦
「敗者復活戦」は、3◯1✕(1回誤答すると即失格)の早押しクイズを行う1stラウンドと、4◯2✕(2回誤答すると失格)の早押しクイズを行う2ndラウンドを経て、「決勝」に進出する1名を決定する。
7名ずつに分かれて始まった1stラウンドの1組目は、1回の誤答で即失格になるというルールの性質からか、問題をよく聞いてボタンを押す参加者が多く、スルーとなる問題もしばしば。
2組目は、1問目から勢いよく早押しをしていった参加者が早い段階でリーチをかけるなど、1組目とは異なる攻めの空気感で進んでいった。
3組目は、1問目の序盤で早押しするも誤答してしまい、その場でしゃがみ込んでしまった参加者もいたためか、慎重に答えていく雰囲気が漂ったものの、中盤で3回連続正解し2ndラウンドへの進出を決めた参加者も出てくるなど、波乱の展開を見せた。

1stラウンドを勝ち抜いた6名で競う、2ndラウンド。ここで勝ち抜いた1名が「決勝」に進出できる。
MCの須貝は「ボードクイズと早押しクイズは性格が少し違いますから、早押しクイズが強い人が、ボードクイズでは抜けられていなかったとしても、ここでぐっと上がってくることもあり得る」と、改めて「準決勝」との形式の違いを指摘。
ふくらPは、「1回は誤答できますので、絶対に誤答してはいけない先ほどとは違って、✕をあえて1回使うみたいなことも必要になるかもしれません」と、1stラウンドとルールが変わることにより、戦い方も変わってくる可能性についてコメントした。

2ndラウンドは、全員がしっかり問題を聞く姿勢を見せながらスタートしたが、1問目と2問目を村蒔絵麻(奈良・西大和学園高校1年)が先取し、勢いを見せた。
ほかの参加者も慎重かつ確実に正解していくなかで、9問目で村蒔が4つ目の◯を獲得。ボタンを押してから答えを確認するような雰囲気で解答した村蒔は、決勝進出が決まった際にガッツポーズを見せ、喜びを爆発させていた。
火花が散る決勝戦!誰も予想できなかった結末に
【決勝戦・1stラウンド】4問以上誤答で10問休み!緊張感との戦い
3ラウンド制の早押しクイズで優勝者を決める「決勝」。1stラウンドのルールは当日発表とされていた。
2ndラウンドに進めるのは6人で、10人による早押しクイズで5ポイント獲得した人から勝ち抜けられること、誤答した回数によって休みになる回数が変わり、4問以上誤答すると1回の誤答につき10問休みになってしまう、などのルールが明かされた。
「準決勝」でのボードクイズとは違い、「決勝」では早押しのスピードも問われるため、参加者の中には押し負けて悔しがる様子を見せる人や、ボタンを押したものの答えが出ずに誤答となる人も出てくるなど、「決勝」特有の緊張感が伝わってきた。

そんななかでも、須貝とふくらPによる落ち着いたトーンのMCと、山本による淡々とした問読みにより、1stラウンドは進んでいき、ほとんどの参加者が1ポイントずつ獲得してきた段階で、「準決勝」1位通過の佐々木がここでも5ポイント先取し、1抜けとなった。
残り9人で5枠を争う時間が長かったが、「準決勝」で2位通過した有働英永(東京・開成高校1年)が5ポイントを獲得し、2抜け。その後も塘岡直樹(神奈川・浅野高校2年)、饗庭圭吾(東京・駒場東邦高校2年)、吉永瑛登(東京・東大寺学園高校2年)が順調に5ポイントを獲得し、2ndラウンドに進出を決めた。

最後の1枠をかけた5人の戦いでは、村蒔が10問お休みのペナルティを食らってしまうも、リーチがかかっていた参加者も誤答で休む時間が増え、問題に答えられる人が限られてくるという展開に。
誰が5ポイントを獲得するか読めなくなってきた状況で、序盤では得点できなかった高橋凌駕(群馬・高崎高校3年)が順調にポイントを重ねて一気に追い上げ、最後の1枠をゲットした。
大逆転で2ndラウンドに進出した高橋には会場からも大きな拍手が送られ、ふくらPも「すごい戦いだった」と熱のこもった感想を述べた。
【決勝戦・2ndラウンド】1on1の早押しクイズで番狂せが!?
2ndラウンドは、1対1の早押しクイズ対決。1stラウンドの成績上位者から順に対戦相手を指名でき、7ポイントを獲得した段階でFinalラウンドへの進出が決まる。
佐々木は高橋、有働は吉永を指名したため、自動的に饗庭と塘岡が対決することに。
高2同士の対決となった饗庭と塘岡の戦いは拮抗したものの、より攻めの姿勢を見せた塘岡がFinalラウンドに進出を決めた。

有働と吉永の戦いは、5ポイント目までどちらが勝つかわからなかったが、早押しで押し勝ち、落ち着いて解答した有働がFinalラウンドに駒を進めた。

高3同士の対決となった佐々木と高橋の戦いは、高橋が攻めて答えに行く一方、佐々木は確実に取れる問題に答えていくという、スタイルの違いが見られた。
6ポイントまで着実に答えていった佐々木だが、ボタンを押しても答えが出てこず「出ないか……」とこぼす場面も。
そこに高橋が追いつき、6対6でデュースに。2点差が出るまで戦いは続くが、高橋が2回連続で正解を決め、8ポイントを獲得し、Finalラウンドへの進出が決定。あまりの激戦に、観客席からも感嘆の声が漏れていた。

【決勝戦・Finalラウンド】急なルール追加も!優勝者は誰?
優勝者が決まるFinalラウンドは、参加者がそれぞれ20ポイントのライフを持った状態でスタートし、誰かが正解するとほかの2名のライフが1ポイントずつ減少していくというルール。誤答すると2問休むことになり、ライフが0になるとそこで敗退が決定する。
さらに、限定問題数が設定されており、決められた問題数に達した場合、その時点でのライフが一番多かった参加者が優勝となることがルールに追加された。
ふくらPからFinalラウンドについての意気込みを聞かれると、高橋は「受験(勉強)でクイズから離れているため心配だが、先輩からのアドバイスを活かしたい」、有働は「若さを見せて勝ちたい」、塘岡は「ここまで来たからには絶対に勝ちます」とコメントしていた。
いざFinalラウンドが始まると、いきなり2問連続誤答があり、有働のみが答えられる時間が発生。その後も、比較的慎重に早押ししていく3人だったが、有働が一歩リードする展開に。

しかし、塘岡は2連答、高橋は4連答するなどして、じわじわと有働のライフも減っていき、終盤には全員のライフが1桁に。誰が優勝してもおかしくない展開だったが、限定問題数に達したため、その時点で一番ライフが多かった有働が優勝となった。

ふくらPから「今日一日を振り返ってみてどうでしたか?」と聞かれた有働は、「優勝する気で来たので、優勝できてよかったです」と静かに喜びを噛みしめるように、感想を述べていた。

伊沢拓司「普段の動画とは違う“クイズ大会”的なものを志向した」
大会長の伊沢拓司に話を聞くと、「おもしろかった、という言葉だけで説明が足りるぐらい素晴らしい大会でした」とコメント。
その上で「この“生(ナマ)のおもしろさ”をそのまま出せる状態を作り上げてくれたスタッフや、大会を見守ってくれたお客さん、そして生でおもしろいものを日々の鍛錬で作ってきた参加者たちの努力に、改めて感謝したいなと思いますね」と、大会に関わったすべての人への感謝の意を示していた。

さらに『WHAT』を開催する上で意識した点としては、「須貝さんもふくらさんも山本も、しゃべろうと思ったらたくさんしゃべれるのに、すごく淡々と進めるわけです。クイズそのものを見せるんだったら、我々のしゃべりよりも、息もつかせぬほどのテンポで問題が出たほうがおもしろいので、普段のQuizKnockの動画とは違う、よりクイズ大会的なものを志向しました。我々が、クイズの持つポテンシャルを信じたところもまた大きかったのかなと思いますね」と述べていた。

優勝者の有働の勝因については、「圧倒的な練度ですね。無茶をしていないから、誤答が出てもそこまで動じないし、普段から練習している領域で戦えているなと思いました。リスクを取らなくてもいい押しができるからこそ、リスクを取る場面でも恐れず勝負できる。2手先、3手先まで考えて勝負できるぐらい、自分の実力に自信がある、なかなか近年見ないタイプの安定して強いプレイヤーだなというのを改めて思いましたね」と分析した。

『WHAT』の締めのあいさつで、「おもしろかった!」と述べていた伊沢。「クイズそのままのおもしろさを届けることができた」という伊沢の言葉どおり、観客席がどんどんクイズのおもしろさにハマっていく様子が実感できた大会となった。

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