ふくらPの“人生を変えた分岐点”とは?「先生に反対されても…」幼少期から消えないクイズへの情熱【QuizKnock 僕たちの現在地】

2024.11.12

文=ねむみえり 撮影=松木宏祐 編集=高橋千里


幼少期からクイズに魅了され、憧れていたクイズ作家という夢も叶えたふくらP。そんな彼の人生を改めて振り返ってもらうと、「クイズにハマってなかったときの記憶がない」という言葉がすべてを表している気がした。

現在発売中の『Quick Japan SPECIAL:QuizKnock「僕たちの現在地」』から、ふくらPソロインタビューの一部を特別に公開。今も昔も変わらない、クイズの楽しさとは?

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先生を説得して出場した『高校生クイズ』

ふくらP(ふくら・ぴー)1993年8月7日生まれ、香川県出身。東京工業大学在学中の2016年12月に、東大発の知識集団・QuizKnockに加入。翌年、YouTubeチャンネルの開設を提案しプロデューサーを務める。現在、『DayDay.』(日本テレビ)に月1レギュラーとして出演中

──ふくらPさんにとっての人生のターニングポイントをお聞きしたいです。

ふくらP 最初は、中学生のときに『高校生クイズ』(日本テレビ)を観たことですね。それまでもクイズ番組はけっこう観ていたんですけど、すごく頭のいい人がすごく難しい問題に答えている、みたいなものに最初に触れたのは『高校生クイズ』かなと思います。

その次は、『最強の頭脳 日本一決定戦! 頭脳王』(日本テレビ)の作家をやったことです。その番組で出される問題を作ったのが、クイズ作家として本格的に活動した最初の機会だったと思います。それまでもサークルではクイズを作っていたんですが、人に見られるクイズということや、ただ解いてもらうだけじゃなく、視聴者も楽しませるということ、お金を稼ぐためにクイズを作ったということも初めての経験でした。

あとはやっぱり、伊沢(拓司)に誘われてQuizKnockに入ったことと、YouTubeを始めたことですかね。

──そもそもクイズにハマったのは何歳ごろでしたか?

ふくらP 小学生のときですかね。ただ、クイズにハマってなかったときの記憶がないんですよ。なので、クイズにハマるようになったターニングポイントは存在しないんです。

──クイズ番組は、どのようなものを観ていたんでしょう?

ふくらP 『(脳内エステ)IQサプリ』(フジテレビ)とか、『(クイズ!)ヘキサゴンII』(フジテレビ)、『クイズタイムショック』(テレビ朝日)、『サルヂエ』(日本テレビ)などをよく観ていましたね。親が好きでよくテレビで流れていたので、それを一緒に観ておもしろいなと思っていました。

──そのあとふくらPさんも『高校生クイズ』に出場されていますが、高校にはクイズ研究会がなかったそうで。どのようなかたちで『高校生クイズ』に参加されたんですか?

ふくらP 高校に入学したら、まずクラスで自己紹介するじゃないですか。そのときに「『高校生クイズ』に出たいと思っています」みたいなことを言っていたと思います。だけどクイズ研究部などはなかったので、ちょっとクイズが好きそうな子を誘いました。

──『高校生クイズ』には何年生のときに参加しようと決めたんですか?

ふくらP 最初は、高1で出ようと思っていたんです。でも、学外活動届けみたいなのを出さなきゃいけなくて、学校から許可が下りなかったのもあり、あきらめました。でもその年の『高校生クイズ』のオンエアを観て、「こんな簡単にあきらめてよかったのか? やっぱり出たい」と思い、高2のときに「この思いはそんなもんじゃないんだ!」と先生に言って出場しました。

ただ、そのときは香川県大会の決勝で負けてしまったんです。それが悔しくて、もともと「高3の夏なんて(大学受験があるから)絶対に出せない。高2だけね」と言われて出場させてもらっていたんですが、高3になってから「今年も絶対に出たいです」と先生に強く交渉して、出させてもらいました。

自由に暴れながら、おもしろい「クイズ」を作る

──『頭脳王』でクイズ作家として活動したのが次のターニングポイントとのことですが、作家として関わるようになるまでの経緯を教えてください。

ふくらP 河村拓哉がもともと『頭脳王』で作家をやっていたんですが、当時、番組が新しい作家を探していたこともあって、紹介してもらいました。

──河村さんとはどのようにお知り合いになったんですか?

ふくらP 東大にも東工大にもそれぞれクイズ研究会があるんですけど、同じ学年同士で作るインカレサークルみたいなのもあって、そこで知り合いました。なので、河村は僕がどういうクイズを作るのかも知っていたんです。

クイズ研究会で作るクイズは、基本的には耳で聞いて早押しで答える文章のクイズが多いんですけど、テレビ番組になると、写真や映像を使ったり、ひらめき問題だったり、クイズのバリエーションが重要で。僕はバリエーション豊かにクイズを作るタイプのプレーヤーだったので、ほかの人と比べてもいけると思われたんだと思います。

──クイズを作る楽しさはどんなところにありますか?

ふくらP 僕は、動画を作るときもそうなんですが、与えられた枠の中で、いかに自由に暴れて自己表現できるかというのを目指しているんです。なので、実はクイズでこんなこともできるんだぜ、というのを見せるのが好きな気がしますね。

──なるほど。与えられた枠を利用して、どこまでおもしろいクイズを作れるか、というところが楽しさにつながっているんですね。クイズに答える楽しさはいかがでしょうか?

ふくらP クイズをプレーするのは、自分が勉強したことが出てくるのがうれしいとか、ほかの人より早く押せてうれしいとか、ほかの人のプレーを見るのも楽しいとか、スポーツ的な楽しさがあります。なので、クイズを作るのと答えるのは、楽しさのベクトルの向きが違うんです。

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また、他メンバーのソロインタビューや撮り下ろしグラビア、オフショットなどの特別コンテンツもたっぷり収録。

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ねむみえり

1992年生まれ、東京出身。フリーランスのライターとして働きながら、現代詩の創作も行っている。本、舞台、お笑い、ラジオが特に好き。

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