綾部祐二が6年ぶりに帰国、相方・又吉直樹とのトークライブで明かしたNYでのピース密会?

2023.10.16
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(C)吉本興業

文・編集=梅山織愛


10月15日(日)にピースがライブ『ピーストークライブ ~本とアメリカ~』を開催。6年ぶりにコンビそろって観客の前に登場し、綾部祐二のアメリカでの話など2時間半にわたってトークを繰り広げた。

実はNYで再会していたふたり

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ピース(左・又吉直樹、右・綾部祐二)

2017年10月11日にハリウッド進出を目指し、アメリカへ飛び立った綾部。オープニングはそんな出発当日の映像からスタート。せっかくの門出の日にもかかわらず、メディアのカメラがいないということで、相方・又吉直樹が急遽、プライベート用のカメラで回した映像だったという。“American Dream”と書かれたTシャツに黒の革ジャン、そしてサングラスをかけ、アメリカを目指す姿はスターさながらだった。

そして、いよいよふたりが登場。まずは“本”こと又吉がさらっとステージ上へ。一方、“アメリカ”こと綾部は自らプロデュースしたという音楽とともに客席後方の扉からアメリカ国旗を持ち、カメラを引き連れて登場。又吉の登場とは対照的に、ド派手な演出で登場から観客を沸かせた。

舞台に到着すると、綾部は又吉に「What’s up bro(brother)?」と熱いハグ。又吉は「慣れてないねん」と戸惑いを見せた。

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密着のカメラを引き連れ、登場した綾部

渡米前、「舞台上で再会しよう」と約束していたというふたり。そのため、この日は開演まで鉢合わせをしないよう、スタッフにも気を遣ってもらっていたそうだが、実は一度、ニューヨークで会っていたと告白。又吉がニューヨークに行った際、ホテルの予約に不備があり、想定していた部屋とは違う部屋に案内されてしまったが、英語がわからないため対応ができず、綾部を頼っていたそうだ。しかも、偶然にも又吉が取ったホテルは綾部の家から一番近いホテル。そのため、舞台上での再会を楽しみにしていた綾部も「すぐ行くわ」と、又吉を助けに向かったという。

又吉曰く、そのとき綾部はコーヒーをふたつ持って「Hey!!」と陽気に登場し、スタッフと交渉を始めてくれたそうだが、綾部は「このときはまだ全然英語わかってなかった」とカミングアウト。そのことを悟られたくなくて、何もわからないまま相づちを打っていたと明かした。思いもよらない再会をしてしまったが、その後も結局、綾部がニューヨークを案内したそう。「セントラル・パークで手をつなぎながら(又吉は否定)7キロ歩いた」など、仲睦まじい思い出を語った。

とはいえ、今回は4年ぶりの再会。「たくさん聞きたいことがある」という又吉は、まず「どういう暮らしをしていたのか?」と質問。これに綾部は「基本的にはずっとアメリカを見てた」と回答。変わらずハリウッド進出を目指しているそうだが、「とりあえず一回見て、いろんなアメリカを感じてる」と現在の状況を明かした。

「Awesome boy!」になった初のハリウッド出演

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そんな綾部だが渡米後、3週間程度でNetflixオリジナルシリーズ『ファイナル・テーブル』に出演(配信は2018年11月20日開始)。この番組はさまざまな国のシェフたちが9人からなる食のエリート集団“ファイナル・テーブル”の最後の一席を目指して競い合うグローバルな料理バトルショー。そこで綾部はスぺシャルアンバサダーとして、試食を行う役割を担った。

しかし、まだ渡米から3週間程度しか経っていなかったため、最初は「Good」しか感想が言えなかったという。そこでまずいと思い、カメラ目線で「Awesome(最高)」とだけ言い続けることに。この作戦が大成功。「アメリカには“被せ”という概念がない」そうで、だんだんウケるようになり、しまいにはエンディングで観客から「Awesome boy! Awesome boy!」のコールが。大成功を収めたと思いきや、番組が期待していた展開とは違ったため「バッサリカットだった」とデビュー戦を振り返った。

綾部にとっては苦い思い出となったが、又吉は「そもそもその状況で出演を承諾するのがすごい」と称賛。加えて、すぐ誰とでも打ち解けられる部分についても尊敬すると語ったが、綾部はこのコミュニケーション能力の高さによって英語力が伸びなかったという。渡米してすぐに「ハグと『What’s up!』だけでいける」と気づいてしまったそうで、しゃべれない状態でも友人ができ、楽しかったため、焦りを感じなかったと語った。

また、この6年の間に現地で出会った日本人の女性と結婚した綾部。お相手は綾部に英語を教えてくれていた人だというが、彼女も綾部と同じように英語が話せない状態でアメリカ行きを決めたという。さらに「そのときはインターネットがなかったから辞書とラジオだけで英語を勉強した」そうで、綾部はそんなたくましさに「人間としての魅力を感じた」と結婚の理由を語った。

同世代芸人の活躍に驚き

6年ぶりの帰国では、改めて母国の存在の大きさに気がついたという綾部。英語はまだ、集中して聞かなければ何を話しているかわからないというが、「日本語は集中してなくてもこんなに入ってくるのかと(驚いた)」と話す。さらに、「トイレがどこにでもある」と感動したそうで、「本当に、日本にいたときに当たり前にあることが世界では当たり前でないことを痛感する」としみじみ語った。

また、今回の帰国ではNHKのカメラも密着しているそうだが、街中でカメラを引き連れて歩いていても、「綾部だ」とまったく気がつかれないそう。原宿を歩くときはスタッフも大騒ぎになることを心配していたというが、声もかけられず、最終的に「ダイソーでゆっくり買い物もできてしまった」と悔しさを見せた。

日本の芸能界の変化にも驚きがあったそうで、特に一緒に舞台に立っていたチョコレートプラネットやニューヨーク、インポッシブルらが多くの人が知る存在になっていることには驚きを隠せない様子だった。

さらに、今回のライブでは「又吉が好きな綾部の写真ベスト5」も発表。綾部が自身のInstagramに投稿したニューヨークでの写真を抑え、1位に選ばれたのは10年以上前に発売された書籍『AYABE MODE』の冒頭の演出。綾部のNSCの名札の横に「この名札をつけていた頃の綾部祐二へ。君に見せたい一冊ができあがったよ」と書かれた見開きページについて又吉は「これがTHE 綾部祐二」と絶賛した。

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又吉が2位に選んだニューヨークでの写真

6年の年月を感じさせなかった2時間半

その後も、綾部からは日本では体験できないようなエピソードの数々が。これに又吉も「綾部祐二物語をいつか映像化してもらって」と期待を語った。

公演も終わりに近づくなか、綾部が「最後にこれだけは言わせてくれ!」と、トークをスタート。「俺がインスタで数々のスターとの写真を上げてるのに対して、たまに『これ金払ってるだろ』とかコメントがあるけど、俺がただただガッツで近づいて写真を撮ってるだけなの!」と弁明。イベントなどでスタッフに紛れて近づいたり、スターが会場を出る動線を予想して撮影に成功していると、努力の末の写真であると熱く語った。

最後に、これからもアメリカを拠点に活動する綾部は、「ハリウッドの扉を開けるために、またがんばってきます」とファンの前で宣言した。

2時間半以上、ノンストップで話しつづけたピース。各々で活動してきた6年間の話がたっぷり詰まったライブだったが、軽快なふたりのトークからは“6年のブランク“ということがまったく感じられなかった。

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  • 『ピーストークライブ ~本とアメリカ~』

    2023年10月15日(日)配信開始16:00/配信終了18:30
    ※見逃し視聴は10月22日(日)16:00まで
    ※販売は10月22日(日)12:00まで
    配信チケット:2,000円(税込)

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梅山織愛

(うめやま・おりちか)1997年生まれ。珍しい名前ってよく言われます。編集者・ライター。自他共に認めるミーハー。チョコレートとかき氷が好き。

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