グローバルボーイズグループ「JO1」メンバーの白岩瑠姫と人気若手俳優・久間田琳加がダブル主演を務めた映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』が、2023年9月1日に封切られる。
「純度100%のエモーショナルで色鮮やかなラブストーリー」として公開前から話題となっている本作だが、ここでは映画初出演にして初主演の“俳優・白岩瑠姫”が持つ魅力を紐解いていく。
間違いなく白岩瑠姫の役だった深川青磁
9月1日、映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』が全国公開される。汐見夏衛の人気小説を原作とし、新進気鋭の酒井麻衣監督がメガホンを取る本作。ある理由によりマスクを手放せなくなった優等生の丹羽茜(にわ・あかね)が、クラスの人気者・深川青磁(ふかがわ・せいじ)の自由奔放な言動に、時に傷つき、時に救われながら、大切なことに気づき、変化していく物語だ。
公開前から話題を集めている本作にて、次世代を担う人気若手俳優・久間田琳加と共にダブル主演を務めるのが、本稿でフィーチャーするJO1・白岩瑠姫である。
パフォーマンスを主たる生業とするボーイズグループのメンバーが、映画初出演にして初主演。白岩の起用を知ったとき、ビジュアル先行だとか、アイドル的起用だとか、そうした印象をまったく抱かなかったといえば嘘になる。
そして鑑賞後もまた、彼が見せた好演について、「ほとんど初めてにしては」という下駄は多少なりともあったと思う。しかし、青磁は間違いなく白岩の役だった。それは、鑑賞した多くの人々と分かち合える感想であると信じている。
掴みどころのない雲のような青年
2020年、11人組グローバルグループ「JO1」のメンバーとしてデビューを果たした白岩瑠姫。以降、彼の俳優としての経歴は、JO1のメンバーが1話ずつ主演を務めた2022年のオムニバス作品『ショート・プログラム』(Amazon Prime Video)の1作「ショート・プログラム」のみである。
もちろんステージパフォーマンスにおいては、楽曲に没入し表現する力が求められるだろうが、“俳優”、それも主演としての実力はまるっきり未知数だった。なにより白馬の王子様然とした彼が、学校を舞台に青春を送る姿は、まるで想像がつかなかった。
しかし青磁もまた、観る者にとって未知の存在だ。周囲の風向きを一気に変える影響力を持ち、誰もが無条件に惹かれるキャラクターながら、青磁が何を考え、なぜそう行動するのかは誰にも読めない。掴みたくても掴めない、雲のような青年。
まだ俳優としてまっさらな白岩が演じることで、青磁はより神秘的な、ある種の違和を感じる存在として我々の目に映った。“どこにでも”はいない、類まれな引力を持つ高校生としてのフィクション感が、本作のヒーロー像にぴたりとハマっていたと思う。
そして青磁という、手を伸ばしてみたくなる未知の存在を描くにあたって、白岩のルックスと透明感は最大限に活かされていた。空に透ける美しい銀髪も、鮮やかな絵の具が飛び散ったツナギもよく似合い、まるで青磁がいる場所だけ色が変わって見える。それは極彩色ではなく、光のような眩しいカラー。酒井監督ならではの淡く優しい色使いも、白岩の秀でた存在感をさらに際立たせていた。
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