『M-1グランプリ2023』のエントリーが6月27日よりスタート。開催に向け記者会見が行われ、昨年チャンピオンのウエストランド、そしてファイナリストのオズワルド、キュウ、ダイヤモンド、ヨネダ2000、ロングコートダディらが登場した。
またしても井口ひとり仕事が増加中
会見のMCを務めたのは麒麟の川島明とABCテレビの斎藤真美アナウンサー。
昨年王者のウエストランドはこの半年間、かなり忙しかったというが、井口浩之は毒舌漫才の影響で「会う人、会う人気まずいというか……(笑)」と振り返る。また、最近は井口のみの稼働が増えてきているというウエストランド。この日も会見後は井口のみの稼働がつづくということで河本太は「ちょっと太ったので、渋谷から阿佐ヶ谷まで歩いて帰ります」と話した。
さらに地元・岡山県で開催された優勝パレードの際には、「合間に入ったご飯屋さんで、女将さんが『わー! 井口さん握手してください』って行ったあと、『相方さんも』って言ってマネージャーに握手を求めてた」という苦い思い出も。しかし、仕事が増えつつ、誰にも気づかれないで街を歩ける状況に、井口は「一番いい過ごし方してますよ」と羨望の眼差しを向けた。
ロングコートダディ兎「晴れやかな大会になりそう」
昨年3位に終わったロングコートダディ。優勝に向け、トレーニングをしているという堂前透は「今年は獲る気満々です。昨年やったマラソンのネタは4分ネタだったんですけど、今は1分前半でできます」と自信を見せる。これには川島も「本当にタイム縮めてもしょうがないですよ」とツッコんだ。また、兎は今年の『M-1』について、「昨年に比べて晴れやかな大会になりそうですね。ただの勘なんですけど、フレッシュというか時代が変わった大会になるのかなって」と自身の見解を話した。
つづいて意気込みを聞かれたヨネダ2000の誠は、「昨年よりも出場組数も増えてくると思うんですけど、そいつら全員……ひき肉にしてやんよぉ!」と力強くコメント。川島から「なんでスーパーマラドーナ武智のカバーをしてるんですか?」と聞かれると、「カバーじゃなくて、いただいたんです。去年からの変化といえば『ひき肉にしてやんよぉ!』をいただいたということ」と、武智からもらったギャグだと話す。さらに愛が「だいぶ仕上がってます……」話し始めると、誠はボイスチェンジャーを愛の口元へ。川島からは「ひとコンビ、ボケ数は1個までにしてもらっていいですか」と注意された。
4年連続決勝進出中のオズワルドは「今年もエントリーということで」と聞かれると、「……そうですね」と歯切れの悪い返答。「エントリーはするし、もちろん優勝は狙ってるんですけど、6月27日現在、ネタなんてありゃしないんですよ」と明かす。しかし、今年も決勝に進出すれば5年連続になるということで、畠中悠は「昨年までとガラリと変わり、トレードマークだった僕の八重歯を抜きました」と報告。さらにフェイシャルマッサージにも通っているということで、これまでよりきれいになって決勝の舞台に立つと誓った。
昨年はなにかと9に縁があったキュウの清水誠は、「キュウが9年目で9番目の出順で出て、9時9分にネタが終わって、9位。しかもエントリー番号3402は足すと9。そしてあの日は2022年12月22日。これを全部足すと18。1と8を足すと9!」と自身が起こした奇跡を力説。さらに、「18代目王者も1と8を足して9! あと、これは僕も気づいたとき、震えたんですけど、ウエストランドは画数が18。1と8足すと9! 全部仕組まれてんです!」とウエストランドの優勝も決まっていたと話す。今年のチャンピオンについては、「19代目王者は1と9なんで、10がつく誰かだと思います」と予想した。
2021年の年末に骨折し、昨年の決勝は足にボルトを入れたまま出場したダイヤモンドの野澤輸出。先日、ついにボルトを抜いたということで、相方の小野竜輔は「僕らは重りをつけたままやってたんで、今年のダイヤモンドはスピードがあります!」と自信を見せる。さらにふたりで骨折ショートコントを披露するも、会場は静まり返ってしまった。
ビスブラ「ヒーローとして2冠目指す」
つづいて、昨年惜しくも決勝進出を逃したななまがり、ビスケットブラザーズ、ママタルト、シンクロニシティの4組が登場。
『キングオブコント2022』で優勝し、2冠を狙っていたビスケットブラザーズだが、原田泰雅は「作年の『M-1』では準決勝行った時点で『やばい! ビスブラは2冠してまう! 嫌やねんけど』って敵キャラみたいになってた」と明かす。そのため今年は「ヒーローとして挑みたい」と、世間からも応援されながら2冠を目指したいと語った。
次にマイクが渡されたのは、ななまがりのはずだったが、森下直人と見られる人物は「パラレルワールドから来ました、上戸彩です」と自己紹介。さらにパラレルワールドでは、現在『M-1』が行われている最中ということで、自作の笑御籤(えみくじ)を引く。ボケつづけるななまがりに川島も相づちを打って乗っかっていたが、井口から「川島さんも悪いですよ! すぐ怒らないと」とツッコまれた。
「まーごめ(「まーちゃんごめんね」の略称)問題で揺れる」と紹介されたママタルト。大鶴肥満は「8年間、隠れて『まーごめ』って言ってたんですけど、マルシアさん本人に見つかってしまい、ツイッターもフォローされまして……」と告白。しかし、自身のツイートに対してマルシアからは「#エンジョイ」「#感謝」「#マルシア」などのリプが送られてくるということで、「『まーごめ』を奪っちゃうと何も言葉がなくなっちゃってかわいそうだから、代わりとして言葉をくれてるんじゃないかと思う」とその意図について予想した。
昨年は無所属ながら、準決勝に進出したシンクロニシティ。西野諒太郎は「作年の会見は職場のお昼休みに動画で観てたんですけど、まさか一年経って会見に出られるとは」と感慨深い表情。今年4月に吉本興業に所属したことでこれまで月に1回程度だったライブ出演が15本ほどに増えたというが、よしおかは意気込みを聞かれ、「今年優勝できなかったら吉本興業を退所します」と宣言し、相方も驚かせた。
会見の最後は兎が「『M-1グランプリ2023』。今年も誰が優勝するかわかりませんが、みんな、一言ひと言にパワーを込めて、想いで戦え! 開幕!」と宣言。会場がざわつくなか、相方の堂前だけは「マジでこいつとならどこまででも行けますわ」とコンビ愛を見せた。
配信終了後には質疑応答も実施。パラレルワールドの上戸彩として発言しつづけていたななまがりは、改めて意気込みを聞かれ、初瀬が「ミルクボーイさんが大学の一個先輩なんで、僕らもつづけたらいいなと思います」とようやくまじめに答えた。
また、「まーごめ問題」の話ばかりだったママタルトも「ウエストランドさんが毎月『漫才工房』っていう新ネタライブを開催してくださってて。そのおかげで僕たちも漫才が上達していってるので、ウエストランドさんにつづけるようにがんばっていきたいなって思います」と、『M-1』への意気込みを語った。