ヘビースモーカー幸が伝授!夏においしい煙草の吸い方<納言・薄幸の酔いどれコラム#14>


無意味煙草と有意煙草

もう一つ、夏ならではの好きな喫煙シチュエーションがある。

意外かと思われるかもしれないが、私は席で煙草を吸えないタイプの居酒屋も結構好き。
外に設定してある灰皿を使って吸うタイプの居酒屋。
細長い錆びた銀色の灰皿の、あれ。

席で吸えるタイプの居酒屋だと必要以上に煙草を吸ってしまう。
正直、もう旨いとも思えない程の、大量の本数を吸ってしまう。
旨いとも思えないっていうか、まずいまでもある。
私はこれを人知れず、無意味煙草と呼んでいる。

外で吸うタイプの居酒屋はそうはいかない。
涼しい居酒屋の店内で2、3杯酒を飲んで、ほろ酔いで煙草を吸いに外へ出る。
クーラーに当たりながら冷たい酒を飲んだ後の冷えた体には、夏の夜の暑さは気持ち良い。
少しだけ我慢した後の煙草は、無意味煙草の反対、有意煙草。
酒を飲んで我慢した後の煙草は、いつもの煙草の比にならない、格別の旨さだ。

ほろ酔いの体で煙草を吸いながら、人間観察をするのも楽しい。
額に汗を滲ませながら呼び込みを頑張っている若いお姉ちゃん、心から応援したくなる。
暑い中、わざわざテラス席を選んでビールを飲んでいるカップルとか、何か凄い好き。
景色を見渡していると、そこがお馴染みの街でも、昼間はせかせかと歩いて通り過ぎてしまうせいで気付けなかった発見が、沢山あるものだ。
そこだけは真冬かと思う位、すっごいつまんないダジャレを店名にしちゃってる雀荘とか。
“定休日月曜~木曜、第一・第二日曜”と書いてある、ちっとも働かないラーメン屋とか。

覚えておく程でも無い様な、くだらなくて面白い発見が沢山ある。
更に酔ってから煙草を吸いに行くと、煌々と光る無数の居酒屋の看板が、イルミネーションみたいに綺麗に見えて感動すら覚える。

寒さに震えながら吸う煙草もそれはそれで旨かったり。
冬には冬の、夏には夏の。
四季折々の煙草の楽しみ方があったりする。

連載納言・薄幸の酔いどれコラムは、毎月1回の更新予定です。

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