トンツカタン・森本が恐れおののく。chelmico最大の魅力「ニン」とは?

2020.2.9
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文=森本晋太郎(トンツカタン) 編集=森田真規
トップ画像=chelmico「Easy Breezy」


お笑いトリオ・トンツカタンのツッコミ&ネタ作り担当の森本晋太郎。音楽番組で(声の)レギュラー出演もしている彼が、近ごろ1日のスタートに聴いているのがレイチェルとマミコによるラップユニット、chelmicoの新曲「Easy Breezy」なんだとか。

2年ほど前からの付き合いだというchelmicoに、トンツカタンの頭脳である森本が恐れおののくワケとは――。キーワードは「ニン」です。

「Easy Breezy」とはよく言ったもので

眠い目をこすりながら目覚ましを止め、かすかな気力のみを原動力に出かける準備をする。雑に顔を洗って歯を磨き、昨日と同じようなコーディネートに身を包む。もちろんギリギリまで寝ていたいので朝食を食べる時間なんてない。そんな底辺のモーニングルーティンを経て家を出る。

駅へと向かう道中、AirPods Proを耳にはめ込み、Spotifyを起動してchelmicoの「Easy Breezy」をかける(急に英語が増えてかっこいい)。そしてレイチェルの「はい、始まった」の声で僕の1日がようやく正式にスタートする、というのがここ数週間のお決まりの流れだ。こうしてchelmicoのおかげで軽やかな足取りで仕事現場に向かい、笑いを取ったり、取ろうとしたのにまったく取れなかったりといった日々を過ごしている。

chelmico「Easy Breezy」

元からchelmicoは1日を始めるにふさわしい曲が多い気がする。ワクワクする日も、憂鬱な日も、ただただボーッとしたい日も、ふたりの歌声はスッと体に染み渡る。なんだかその日1日がうまくいきそうな気がするし、仮にうまくいかなくてもそんな日もあるから気にしなくていっかと切り替えられる。

chelmicoとは2年ほど前からの付き合いで、たまに飲みに行ったり、一緒にお仕事をさせてもらったりしている。そんななかで思うのは、彼女たちがいる空間は常に居心地が良いということ。何か特別なことをしているというわけではないのだけれど、ふたりのまわりにはいつだって朗らかで柔和な空気が漂っている。ラップのうまさ、等身大の歌詞、かわいらしいビジュアルなど、chelmicoの魅力は枚挙にいとまがない。ただ、僕はその中でも彼女たちがまとっているこの「ニン(人柄)」が多くの人々を魅了している最大の要因だと思っている。このニンというのはお笑いにおいてとても大事とされる要素のひとつで、実際chelmicoはライブ中にトークで会場が揺れるくらいの笑いを何度もかっさらっていく。その様子を見て僕は毎回恐れおののきながら「頼むからお笑い界には来ないでくれよ……」と願っている。

chelmicoのこの「ニン」は歌を通して最大限に発揮され、我々の日常を彩ってくれる。これから彼女たちがスターダムを駆け上がっていき、日本中にその魅力が知れ渡るのは時間の問題だろう。そう遠くない未来のことを思い浮かべながら、僕は今日も「Easy Breezy」を聴いて新たな1日のスタートを切る。

彼女たちを包む心地よい風は、今日も僕らの追い風となっている。


chelmico「Easy Breezy」
2020年1月17日(金)配信スタート
http://chelmico.com/discography/easy-breezy

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