お笑いコンビ・ランジャタイの国崎和也が、徒然なるままにコラムを執筆。本連載での名義は「ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん」です。
国崎さんは、昔、本気で棋士になりたかったそうです。
パラレルワールド
中学校のときに、友達からギターを教えてもらったことがあった。
その時はギターのコードが難しくて、あきらめたけれど、
最近、またギターを教わる機会があった。
そこで、なんとかワンフレーズだけメロディを少し弾けるようになり、ものすごくテンションが上がった。
最高の、最高の時間だった。
当時の自分に自慢したくなって、笑った。
あの時の自分に伝えたいことは、山ほどある。
中学生の時に『ヒカルの碁』にハマり、さらに高校2年の頃に、「自分は囲碁の道で生きて行こう」と、囲碁だけに専念しようと、バスケットボール部を辞めた。
囲碁の経験、ゼロなのに。
ただ、本当にバカだったので、まず囲碁のプロのなり方がよくわからず、とりあえず形からと、
近所のBOOKOFFで、ゲームキューブソフト『ヒカルの碁』を買って、対戦モードで戦っていた。
対戦していたのはいいが、
正直、ルールがよくわからなかった。
「囲碁は、陣地取りだ」と口酸っぱくゲームの中で説明してくる佐為(ヒカルの碁の師範キャラ)に対して、
「なるほどねえ〜!うんうん!(なんにもわかってない)」
と相槌をうって、
そのまま、よくわからないまま各キャラと対戦して、なんだか負けそうな雰囲気になってきたら、
「やばっ、、!」
とゲームの主電源を切って、
「ふぅ、、」
と冷や汗をかいていた。
高校2年生、それでも気持ちだけは棋士になろうとしていた。
「まずはさああ!!
囲碁の歴史から知らなきゃさあ!!」
そう思った自分は、囲碁の歴史を調べることにした。
調べていくうちに、
『ヒカルの碁』の佐為のモデルが、実在していたことがわかった。
本因坊秀策という人物らしい。
少年の頃は寅次郎という名で、えー、と、すごい囲碁が好きでえ、えー、あっWikipedia貼っときます
さらに、「本因坊道策」という人物も知った。これまた素晴らしい人物で、説明すると、えー、秀策のえー、あの、Wikipedia貼っときます
あと、好きな人たちのWikipedia貼っときます!
そんなこんなで、
囲碁のルールがよくわからないまま
「ルールわからないなら無理じゃない、、?」
となり、
高校2年生の夏休みで、
「囲碁のプロ」になる道を断念した。
かなり真剣だったので、もしかしたらパラレルワールドの自分は、まだプロを目指しているのかもしれない。
頑張ってほしい!
あたしゃお笑い芸人になったヨ!
さらに最近、子どもたちから手紙が届く。
「くにざきさんありがとう!」みたいな字と、似顔絵を描いてくれる子までいる。その中に、たまに返信ハガキが入っていることがあり、あたくしは子どもたちに、心良く返信する。
手紙の端っこに、本当にミクロに小さいおじさんだけを書いて「t(@#’.:っ6」みたいな何言ってるかわからないくらい小さいセリフを書いて、送る。
それを
「これ、送って下さい!」
事務所の人に渡すと、事務の人が、
「国崎さん。こんなの届いたら、パニックになりますよ!」
と言った。
僕は優しく微笑み、
「いいんですよ。」
と言った。
「いいんですよ。じゃないんですよ、もう〜」
事務所の人は困ったように、それでも届けてくれるらしい。
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