2022年3月4日にデビュー2周年を迎えた、11人組のグローバルボーイズグループ「JO1(ジェイオーワン)」。あだち充の同名短編集を原作に、彼らがそれぞれ1話ずつドラマ初主演を務めた『ショート・プログラム』が3月1日よりAmazon Prime Videoにて配信されている。
QJWebでは、このドラマの概要と見どころを記したレビューを1話ずつ掲載していく。第5回は、與那城奨が主演を務めた『交差点前』を紹介する。
JO1の愛されリーダー
JO1の大黒柱であり、最年長でありながらも、少々天然なキャラクターで、メンバーみんなからツッコまれる愛されリーダー、與那城奨。結成から2年、ほかのメンバーだけでなく、JAM(JO1ファンの名称)からも「奨君がリーダーでよかった」と言われるほどの包容力を持つ彼の歌声も、聴けば安心するほどの温かさと強さを持つ。
キュートで愛らしいすれ違いを描いた物語
そんな彼が“竹地春彦”として主演を務めるドラマ『交差点前』は、毎週火曜日、2時45分に交差点の向こうから歩いてくる女性に恋をする物語。この時間を楽しみに、でもドキドキしながら待ち、いつか話しかけようと胸に決めながらも、一歩踏み出すことができない春彦はとてもキュートで愛らしい。
その女性を演じるのは、看護師をしながら女優、コスプレイヤーとして人気を集めている桃月なしこ。美しいだけでなく、どこか不思議な雰囲気をまとう彼女にひと目惚れをするのも納得だ。さらに、春彦のバイト仲間である杉山克明を演じるのは、舞台・映画・ドラマで個性的な役から正統派な役までカラフルに演じこなす実力派・柾木玲弥。杉山がおもしろがりながら、春彦をけしかけるシーンも必見だ。
“国民の旦那”とは正反対のキャラクター
與那城が主演と聞いて、多くの人が大人の恋愛を期待したことだろう。ふと垣間見せる色気や、年齢を重ねているからこその落ち着き、JAMからは“国民の旦那”と言われるほど理想を抱かれているからこそ、今回のドラマ制作が発表されて、多くのJAMがそう期待したはずだ。
しかし、春彦は、そのすべてにおいて正反対である。キュートで、ジタバタとしたキャラクターなだけでなく、彼女が宇宙人であるかもしれないというぶっ飛んだところまで考えてしまう姿に、笑わずにはいられない。ただ話しかけられず、相手の実態を掴めないからこそ頭の中に広がる妄想を、ここまでおかしく、かわいらしく作り上げてしまう春彦のことを、嫌いになる人はいないはずだ。しかも、想定外、予想外のことに対して、すべてマジメに捉えてしまうのも、マジメでまっすぐな與那城と重なり、かわいらしさにつながるのだろう。
今作は原作の短編を大胆にリアレンジしているが、毎日見かける気になる人へのドキドキ、戸惑い、妄想、さらにその女性側からの気持ちもしっかりと描かれ、より春彦とその女性を応援したくなる仕上がりになっている。それくらい、短時間の中にキャラクターそれぞれがしっかりと描かれているのだ。さらに、演出として、春彦は映画が好き、コーヒー好きという設定も與那城に寄せている。そういった作り手の愛も感じる今作は、多くのJAMに響くことだろう。
俳優として、新たな経験を積んだ與那城奨。JAM側の意見として、大人の恋愛の作品もいつか観てみたいと願ってやまない。
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JO1初主演ドラマ『ショート・プログラム』
配信開始日:2022年3月1日(火)よりAmazon Prime Videoにて独占配信中!
作品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B09PQRYF97
出演:大平祥生、川尻蓮、川西拓実、木全翔也、金城碧海、河野純喜、佐藤景瑚、白岩瑠姫、鶴房汐恩、豆原一成、與那城奨ほか
原作:あだち充
脚本:山浦雅大、守口悠介ほか
監督:渡部亮平、菊地健雄、上村奈帆、土屋哲彦、益山貴司、森谷雄
プロデューサー:北橋悠佑、森谷雄、斎木綾乃
制作:アットムービー
製作:吉本興業
(c)あだち充・小学館/吉本興業
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1話読切の短編集。あだち充ならではの青春感や切なさがふんだんに注ぎ込まれた作品集を、JO1メンバー全員が主演を務め、世代を超えて、現代に生きる視聴者にも共感・共鳴できるドラマに仕上がった。
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