シャイで不器用、機械いじりが得意。川西拓実が自身と重なる主人公を演じた『プラス1』【JO1初主演ドラマ『ショート・プログラム』レビュー】

2022.3.9
川西拓実/『プラス1』より

(c)あだち充・小学館/吉本興業
文=坂井彩花 編集=森田真規


2022年3月4日にデビュー2周年を迎えた、11人組のグローバルボーイズグループ「JO1(ジェイオーワン)」。あだち充の同名短編集を原作に、彼らがそれぞれ1話ずつドラマ初主演を務めた『ショート・プログラム』が3月1日よりAmazon Prime Videoにて順次配信されている。

QJWebでは、このドラマの概要と見どころを記したレビューを1話ずつ掲載していく。初回は、川西拓実が主演を務めた『プラス1』を紹介する。

JO1主演『ショート・プログラム』30秒|Amazonプライムビデオ

圧倒的ビジュアルに潜む沼の深さ

川西拓実といえば、サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』内で行われたビジュアルセンター企画(練習生が練習生内で一番イケメンだと思う人を選ぶ企画)で堂々の1位を獲得し、雑誌『ViVi』の「国宝級イケメンランキング」でも常にランクインする圧倒的ビジュアルの持ち主。芸能界に飛び込むまでのキャリアはきらめく笑顔とは対照的で、高校時代は野球に打ち込み、オーディションに参加する前はバギーのエンジニアとして働いていた。

ひとたびステージへ立つと華やかなオーラに目を奪われるが、ダンス&歌が未経験でオーディションに参加した強者だ。視る力&魅せる力が高く、細かなことも吸収して自身の血肉に変え、パフォーマンスに還元してきた。

容姿端麗でパフォーマンス力も高いと少しくらい傲慢になってもおかしくないものだが、シャイで努力家なのも川西の魅力。どんなに素敵な才能を持っていようとも、満足することなく自分の最高を常に追求している。一方で、気心の知れたメンバーの前では甘えん坊になる人懐っこい一面も。知れば知るほど、沼の深い人物である。

川西拓実/『プラス1』より
川西拓実/『プラス1』より

青春成分、濃縮100%!

そんな川西が主演ドラマ『プラス1』で演じるのは、電気屋の息子である今井一郎。整った容姿にもかかわらず、無口で不愛想がゆえに“イマイチ”なんてあだ名で呼ばれている高校生だ。

同級生の女の子・一ノ瀬知里の部屋にある古いステレオを直してあげるところから、物語はスタートする。友情に悩み、やりたいことと向き合い、好きな人を想う。誰しも学生のころに感じたことがあるであろう、ピュアな感情を濃縮した作品になっている。

ヒロインの知里を演じるのは、映画『ハニーレモンソーダ』や『賭ケグルイ』シリーズなどに出演し、マンガの実写化作品に定評のある岡本夏美。監督は土屋太鳳主演の映画『哀愁しんでれら』を手がけた渡部亮平、脚本はドラマ『スイートリベンジ』(フジテレビ)などの守口悠介が担当している。

(左から)岡本夏美と川西拓実/『プラス1』より
岡本夏美と川西拓実/『プラス1』より

物語の説得力を強固にした川西拓実とリンクするキャラクター

原作漫画がラブコメの名手・あだち充によるものということを抜きにしても、『プラス1』はとにかくキュンポイントが多い。サクッとステレオを直してしまう川西の姿や棚ぼた的に好きな人が部屋へ来るというシチュエーション、部屋に飾られた写真など、息継ぎする間もないほどにトキメキ要素が仕込まれている。

極めつきは、ふたりの関係をグッと縮めるカセットテープだ。YouTubeやサブスクリプションサービスが当たり前となった昨今では、誰かにオススメの曲を教えるのにURLを共有することが普通になっている。CDを貸す、ましてや好きな曲をカセットテープに録音して渡すなんて、今となってはほとんど見られないコミュニケーションのひとつ。

聴かせたい誰かを頭に浮かべながら、曲を選び、並びを考え、録音する。そんな手間暇かけたコミュニケーションを取っているふたりの姿は、胸が苦しくなるほどに尊いのである。各々のキャラクターを感じさせる選曲も秀逸なので、カセットテープに並ぶ楽曲たちも、作品と併せて楽しんでほしい。

初々しい川西の演技も、もちろん見どころのひとつ。シャイで不器用なキャラクターや機械をいじれる点など本人とリンクする部分が多く、それが物語の説得力をより強いものにしている。演技は初挑戦だったが、感情の起伏が激しくない“不愛想”というアイデンティティを、持ち前の感のよさを活かして繊細に表現していた。ラストシーンの恥ずかしさやうれしさが入り混じった絶妙な表情には、川西以外のメンバーを推しているJAM(JO1ファンの名称)も、さらにはJO1を知らなかった人も、思わず惹きつけられてしまうはずだ。

『ショート・プログラム』ときめくキャラ紹介 今井一郎(演:川西拓実)|Amazonプライムビデオ

【関連】JO1、ついに叶った初の有観客ライブ「僕らにはJAMがついているし、JAMには僕らがついている」

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  • JO1初主演ドラマ『ショート・プログラム』 (c)あだち充・小学館/吉本興業

    JO1初主演ドラマ『ショート・プログラム』

    配信開始日:2022年3月1日(火)よりAmazon Prime Videoにて独占配信中!
    作品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B09PQRYF97
    出演:大平祥生、川尻蓮、川西拓実、木全翔也、金城碧海、河野純喜、佐藤景瑚、白岩瑠姫、鶴房汐恩、豆原一成、與那城奨ほか
    原作:あだち充
    脚本:山浦雅大、守口悠介ほか
    監督:渡部亮平、菊地健雄、上村奈帆、土屋哲彦、益山貴司、森谷雄
    プロデューサー:北橋悠佑、森谷雄、斎木綾乃
    制作:アットムービー
    製作:吉本興業
    (c)あだち充・小学館/吉本興業

    1話読切の短編集。あだち充ならではの青春感や切なさがふんだんに注ぎ込まれた作品集を、JO1メンバー全員が主演を務め、世代を超えて、現代に生きる視聴者にも共感・共鳴できるドラマに仕上がった。


ライター_坂井彩花

Written by

坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..

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