羽生結弦&ネイサンの牙城を崩すか!?“日本人初の4回転ジャンパー”を父に持つ新星・鍵山優真の躍進
2月4日に開幕した北京オリンピック。19日間にわたって行われる全15競技の中で、メダルへの期待値、競技の人気などから日本国内で最も注目されているのが、2月8日にショートプログラムが行われる男子フィギュアスケートだ。
ここでは男子フィギュアスケート日本代表の最年少・鍵山優真の魅力を、競技中の注目ポイントと共にビギナー向けに紹介していく。
こんな逸材が日本にいたのか!と心が震えた
いよいよ北京オリンピックが開幕した。2月8日に始まるフィギュアスケート男子シングルの一番の見どころは、なんといっても日本のエース・羽生結弦と世界選手権3連覇中のネイサン・チェン(米国)の頂上決戦! だが、成長著しい18歳の新星・鍵山優真がふたりの対決に割って入る可能性があるのをご存じだろうか。
昨シーズン、フィギュアスケート界に彗星の如く現れた鍵山優真。シニアデビュー1年目にして、世界選手権では羽生結弦と宇野昌磨を上回る銀メダルを獲得した。その目覚ましい活躍ぶりは今シーズンも健在で、2021年12月に行われた全日本選手権で見事3位に入賞。北京オリンピック日本代表に選出された。着実にレベルアップしている優真君は、世界選手権と同様に、羽生君とネイサンの牙城を崩し得る存在なのだ。
私は1998年の長野オリンピックから本格的にフィギュアを見始め、1999年にエフゲニー・プルシェンコの演技で男子シングルにどっぷりハマったフィギュアスケートファン、通称「スケオタ」である。しかしながら、最近は日本のジュニア選手をチェックしていなかったため、私が「鍵山優真」という選手を認識したのは2018年の全日本選手権だった。彼が滑り出した瞬間、ジュニアとは思えない滑らかなスケーティングに目を奪われ、軽やかなジャンプにご飯を食べていた箸が止まった。こんな逸材が日本にいたのか!と心が震えたのを覚えている。
そして、待ちに待ったシニア1年目。優真君は、予想以上の結果を残してくれた。冒頭でも触れたとおり、2021年に開催された世界選手権で初出場にして見事、銀メダルを獲得。「羽生君と宇野君につづく選手になる」とは思っていたが、こんなにも早く日本男子のトップ争いに割って入る存在になるとは……。フィギュアスケートの神様に、サプライズでプレゼントをもらった気分だった。
私がこの試合で特に印象に残ったのは、その強心臓ぶり。最終順位が決まるフリースケーティング、優真君の滑走順は圧巻の演技を見せたネイサン・チェンの次だった。無観客開催だったため、スケート関係者からのどよめきと歓声がよく聞こえる。ネイサンが叩き出した超高得点のアナウンスも、リンクサイドの優真君に聞こえていたはずだ。そんななかでも、優真君は落ち着いた演技を見せてくれた。プレッシャーを感じさせない滑りに度肝を抜かれた。
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