『ジャンプ』大好きライター・さわだが『呪術廻戦』(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)の既刊を1巻ずつ振り返っていく企画。今回は、公開が12月24日と迫った劇場版原作の0巻をじっくり読み解きます(以下考察はネタバレを含みます)。
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乙骨憂太で沸きたい!
12月24日、いよいよ『劇場版 呪術廻戦 0』が公開される。ローソンの「からあげクン 呪術海鮮塩ダレ味」からスマホゲーム『テクテクライフ』との特別コラボ『テクテクじゅじゅめぐり』までさまざまな企画が連なり、盛り上がりを見せている。
そんな劇場版の原作となるのが、本編の前日譚となる『呪術廻戦』0巻だ。前日譚というと、作品が盛り上がってからあとに出されるスピンオフ的なものを想像しがちだが、こちらは正真正銘、本編より先に描かれたモノとなる。
『少年ジャンプ』では本誌や系列誌で読み切りや短期連載が掲載されたあとに、本誌連載が決まることがよくある。『呪術廻戦』もそのクチで、『ジャンプGIGA』に4話のみ月刊連載されたのが始まりだ。ただ、『呪術廻戦』の場合珍しいのが、短期連載作品が本編の叩き台になったわけではないということだ。
0巻と本編は世界がつながっていて、0巻の布石が本編で紐解かれていく。もはや「0巻を読んでいない」は、他作品で言うところの「1巻を読んでいない」に近いニュアンスすらある。ごくごく純度の高いピュアな前日譚なのだ。よく「どのタイミングで読んだらいいかわからない」という声を耳にするが、その答えは「できるだけ早く読んだほうがいい」になる。
0巻のあとがきで作者の芥見下々が「連載に持っていくつもりはなかった」と言っているため、「すべてが計算ずく」というわけではなさそうだが、それでもつながりは多い。現在既刊している17巻でも明かされていない謎も、かなり残されている。
0巻の主人公は虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)ではなく、16巻で登場した乙骨憂太(おっこつ・ゆうた)だ。0巻を知る人は沸きに沸いたのだが、読んでない人からしたらただ初登場した新キャラクターになる。こういったことがこの先もつづくことになるので、早く読むことをオススメする。
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