L.M.モンゴメリ不朽の名作『赤毛のアン』に、大胆な現代的アレンジを加えたNetflixドラマ『アンという名の少女』シーズン3第3話「何事にも屈しない強い思い」は、近しい人の余命が残りわずかと宣告されるという重いもので、シーズン3の大きな転換点になるエピソードだ。シーズン2、シーズン3とシーズンを重ねるごとにオリジナル度が高くなり、この悲劇も原作にはない。『ぷよぷよ』『はぁって言うゲーム』の作者でライターの米光一成による全話レビュー。
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『アンという名の少女』全話レビュー・あらすじまとめ/記事一覧
両親に愛されてたっていう証拠、残してあげて
寝込んでいるメアリーのところに、たくさんのヒヨコを運んでくるバッシュから始まる第3話。診療に来てくれたワード先生は、敗血症で、余命わずかだとギルバートに伝える。
敗血症は、細菌感染によって身体反応が起こり臓器の障害が引き起こされた状態。当時は治療法もなく、ワード先生も薬を出すこともできず帰っていく。
バッシュと結婚し、子供が生まれたばかりのメアリー。自分が重い病気だと気づいていないメアリーは、「寝てるのにはもう飽き飽きだし、早く料理したいの」と笑顔を作って話す。ギルバートは「治療の方法がないんだ」と涙を流しながらメアリーに告げる。

「医者になる自信がなくなった。冷静であるべきなのに、彼女の前で取り乱して」
と悲嘆に暮れるギルバートを、アンはこう言って慰める。
「二度とこんな思いしたくないでしょうけど、これからも避けては通れないこと。みんなあなたのを頼る。自分の子供や大事な人を委ねる。患者を心から思いやってくれるお医者さんに。あなたは素晴らしいお医者さんになる。人の痛みがわかるって大事でしょう」
泣いているギルバートをぎゅっと抱き締めるアン。
「伝えて。手紙を書くの。今あなたが思ってることや、あなたの人生について全部書き残して。それ以上の贈り物はないと思う。私がずっと欲しかったものよ。自分がおかあさんとおとうさんに愛されてたっていう証拠、ちゃんと残してあげて」
アンは、メアリーに、赤ん坊のデルフィンのために手紙を書くように伝える。

復活祭のパーティーで
メアリーのために、みんなは、バリーさんの庭で復活祭のパーティーをする計画を立てる。
バリーさんも「拒む理由はありません」と快諾。飾られた庭に、バッシュがメアリーを抱きかかえて運んでくる。
メアリーにとって、バリーさんの庭で開かれ、バリー夫妻も参加したパーティーであることが大きな意味を持っていた。
それまでバリー夫妻は、メアリーの復活祭の誘いを断っていたからだ。
よそ者ということで交流を拒んでいたバリーさんたちが心開いてくれたことで、残されるバッシュと娘のデルフィンへの心配が軽減されたに違いない。
メアリーから料理を教わっていたアンは、メアリーの娘のデルフィンのために「メアリーの料理レシピ」を作った。母親の料理を娘に伝えようとするアンからのプレゼントを受け取ったメアリーは「アン、あなたは天使ね」と喜ぶ。
「一番好きなお祈りを読ませて」とメアリーが「フランシスコの平和の祈り」を読み上げる。
「主よ、わたしを平和のためにお使いください。
憎しみがあるところに愛を置かせてください」
涙で読めなくなったメアリーに代わってマリラが祈る。
「争いがあるところに許しを。疑いがあるところに信仰を。
絶望があるところに希望を」
みんなが加わり、唱和する。
「闇があるところに光を」
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