変わらない魅力と新たな一面
VCR「Unknown space where we can go」がスクリーンに映し出され、いくつものドアを通過していく映像を経て、パートIIの「Somewhere」へ。<未知の世界へと足を踏み入れよう>という歌詞を持つ「Design」につづき、「Speed Of Light」がパフォーマンスされた。
JO1が歌に心を乗せられるアーティストであることを一段と印象づけたのは、新曲「NEVER ENDING STORY」だ。ハンドマイクを持ち、等間隔でステージに佇む10人。川尻蓮が胸に手を当てながらマイクに声を落とし込むと、鶴房汐恩は<このまま終われない>と力強く刻む。切ない歌声で「MONSTAR」を披露すると、メンバーはステージ奥へと消えて行った。
VCR「内面の扉」を挟み、パートIIIとなる「Our Space」に突入。この日の公演は、川尻・佐藤・白岩瑠姫・豆原一成によるダンスコーナーも繰り広げられた。4人はメインステージとセンターステージを活かし、いくつものビートを乗りこなしていった。
ラフな衣装に身を包んだメンバーが舞台にそろうと、エモーショナルな「Freedom」が導かれる。キラキラと瞬くライトにより、まるで彼らは星空のステージで踊っているかのようだった。吸い込まれるように見入っていると、ポップなアイドルチューンの「Dreaming Night」につながれた。目をキュッとつむりかわいらしい表情をする白岩、川西拓実のあごをクイッとして歓声を巻き起こす佐藤。キュートなコレオグラフでもメリハリは失われることがなく、ジャンプを着地するタイミングだってオンタイムでずれることはない。「Blooming Again」では未来への希望を紡ぎ、「ICARUS」でたくさんの君(JAM)のもとへと羽ばたいていった。
いよいよライブは、クライマックスに向かって加速していく。「JO1の家に招待します」と銘打たれた映像は、JO1マンションの「勝負の部屋」「気遣いの部屋」「共感の部屋」「討論の部屋」をのぞいていくというもの。マンションの扉が開くと、フォーマルなファッションをまとったメンバーが登場。ブライトな歌声を「Shining A Light」で響かせ、キャッチーな振り付けで「Run&Go」を魅せる。
そして、全体を総括するかのように「ツカメ〜IT‘S COMING〜」へ。パートIVで「Home」へと戻ってきた彼らは、新曲と始まりの曲を並べることにより、現在と原点を鮮やかに描いてみせた。変わらない自分、冒険を経て手に入れた新たな自分を交差させ今があるのだと、示唆したのである。
白岩の「今年の冬は、JAMと一緒に温まりたいな」という言葉を受け、本編ラストとして披露されたのは「僕らの季節」。小柄なイスを使った振り付けは、JO1の新たな挑戦のひとつであり、たおやかなモーションは彼らの未知なる魅力を開花させたのだった。
いろいろな扉を開けていく映像を経て、ライブはアンコールへと移行。パートVの「Here, again」で、旅の始まりへと戻ってきたのだ。繰り出された「Prologue」は、まだ見ぬ物語のスタートを感じさせ、JO1が次なるステージに進んでいくことを予期させる。イスに腰をかけて力強く歌う姿は、腐らず努力をつづけられるまっすぐな彼らをそのまま映しているようだった。
JO1が吐露する心中、JAMが贈る温かい拍手
最後のMCコーナーでは、熱いトークが展開された。川尻が「問題もたくさんあったけど、僕たちJO1はJAMに会いたい一心でその壁を越えてきた。これからもいろいろな壁が一人ひとりの前に出てくると思うけど、僕らにはJAMがついているし、JAMの皆さんには僕らがついているから大丈夫」と確信を持って語れば、佐藤は「練習がつらくて、僕は嫌いでした。でもJAMに会いたいし、ステージでみんなとパフォーマンスがしたかった。やりたいことのためには、嫌なことだってできます」と強い決意を口にする。
豆原が「家でめちゃめちゃ踊っていたら、『あんた、それ誰に見せるの』と言われたこともあった。それでもステージに立ちたいと思いながら、好きなダンスをずっとやってきた」と明かせば、「豆も、そんなことがあったんやなぁ……」と河野の頬からは涙がこぼれ落ちた。そこに白岩は、「またすぐに会えます。約束します」と小指を立てた。
素直に胸中を吐き出す彼らを包み込むかのように、会場にはJAMの温かい拍手が常にあふれていた。その光景には、JO1が進んできた軌跡が端的に表れていた。時にふざけ合い、時に励まし合いながら、困難な道を突き進んできた11人。そして、ネガティブな感情に飲み込まれそうになったとき、そっと包み込んできたJAMの存在。こうして彼らは幕張メッセに辿り着き、これからどこまでも大きくなっていくのだと感じずにはいられなかった。
そしてライブ全体のラストが、『STRANGER』のリードトラックである「REAL」で締め括られた。広いステージを端から端まで埋め尽くすJAMに「ありがとう!」と愛を伝え、記念すべき1st有観客ライブをやり遂げた。
今の自分に満足することなく、新たな自分と出会うことをいとわず、自らを更新しつづけていくJO1。2022年3月にはデビュー3年目を迎える彼らが、ここからさらに新たな躍進を魅せていく姿が今から楽しみでならない。
『2021 JO1 LIVE “OPEN THE DOOR”』(11月21日夜公演)セットリスト
01. Born To Be Wild
02. OH-EH-OH
03. GO
04. Safety Zone
05. Design
06. Speed Of Light
07. NEVER ENDING STORY
08. MONSTAR
09. Freedom
10. Dreaming Night
11. Blooming Again
12. ICARUS
13. Shine A Light
14. Run&Go
15. ツカメ〜IT’S COMING〜
16. 僕らの季節
17. Prologue
18. REAL
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