24年間売れない芸人がなぜ『アメトーーク!』に出られたのか?|神宮寺しし丸の“生き方説明書” #5


今年1月に『アメトーーク!』に出させて頂きました。24年の芸歴で初めての人気番組出演に喜んでいたら、その8カ月後の9月に、再度出させて頂きました。

毎日スーパーでお惣菜が半額になるのを待つ生活を送る芸人が、1年に2回も『アメトーーク!』に出演するというのは奇跡、異常、超常現象です。

どうして24年間売れていない芸人が『アメトーーク!』に出られたのか?

今回はこの謎に神宮寺しし丸自ら迫りたいと思います。

神宮寺しし丸
神宮寺しし丸、憧れの『アメトーーク!』出演時の記念の一枚

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見えてきた『アメトーーク!』出演の謎

僕が出させて頂いた企画は「40歳過ぎてバイトやめられない芸人」(1月)と「キックボクシング大好き芸人」(9月)でした。

まず、「40歳過ぎて~」はタイトル通り、40歳を過ぎても芸人の収入だけでは生活できずにバイトを続けている芸人を紹介する内容。
僕は元社長で今はその会社でバイトしていたり、お花屋さんでもバイトしているのに花粉症持ちだったり、格闘技リングアナのバイトもしていたりと、ちょっと特殊なバイトをしていることで呼んで頂きました。

「キックボクシング~」は芸人界でキックボクシングが好きな人達が集まって、夢のカードや名勝負について語る内容。
僕は格闘技記者のバイトもしており、その知識量を買われて呼んで頂きました。

もうお気付きでしょう。

そうです! どちらもバイトが仕事に繋がっているのです。つまり、24年間売れていないから『アメトーーク!』出られたのです! 売れなきゃ出られないと思っていた人気番組にこんな裏口があったとは。

“売れていない”が売れる時代到来!

『アメトーーク!』の影響力は凄まじく、1回目に出た数日後には、『アメトーーク!』を観たお昼のワイドショー『バイキングMORE』からお声が掛かり、「コロナ禍の貧困バイト芸人」として出演させて頂きました。
このコラムだってそうです。『アメトーーク!』に出ていなければ、コラム界の檜舞台である『クイック・ジャパン』が僕に目を付ける訳がないのです。

24年間売れていないことによって仕事が増えるという怪奇現象。

これは……遂に来たようです! 僕が待ちに待っていた時代! ”売れていない”が売れる時代が! 売れていない芸人の腐ったエピソードや、腐った考え方、腐った生き様が売れる時代の到来です。どうやら芸歴24年という時を経て発酵し、食べ頃のようです。

今後も「売れていない」をドンドン切り売りしていこうと思います。それで本当に売れっ子になったら売るものがなくなるのでは? 心配ご無用です。本当に売れたら「売れている」を売るのです。というかそれが本当の芸人の姿なのですが……。

【教訓】

「”売れていない”が売れる時代」。これは芸人に限らず会社員の方にも当てはまるのではないでしょうか。

ずっと冴えない万年平社員の人。デスクの引き出しから腐った企画書を出してみて下さい。そして、臭いを嗅いでみて下さい。どうです? チーズのような臭いになっていませんか?
次のプレゼンにその企画書を出してみて下さい。高級ブルーチーズとして受け入れられることでしょう。

稀に上司から「何年前の企画書出してんだ! カビ生えてんじゃねぇか! クビだ!」となることもございますので、ご注意を。

土田晃之という男


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