フェスに海外デビュー、ディナーショーも？

イベント後の囲み取材では「ミュージシャンデビューされましたが」から始まる質問が投げかけられるたび「そんなんじゃないですって！」と声をそろえ困った顔を見せるふたり。しかし「ミュージシャンとしての野望を」という問いに「白い袴着て紅白ですかね」（南條）、「コロナが明けたらフェスに出てみたいですね」（三島）と答えを絞り出す。さらに南條は「今年『ビバラロック』に出してもらって。フェスで漫才はなかなか厳しかったですけど、曲だったらスベることもないですからどこへでも行けそうですね」と期待をふくらませる。さらに、セカンドシングルの構想を聞かれ「ラップの次か……。サンバは松平健さんがやってるからすゑひろさんはテクノ？」と言う南條に「あとは海外デビューやな」と三島。

DVDがオリコンデイリーチャート1位を獲得したという報には「（1位をとるなんて）誰が予想しました？　え、オリコンって全日本のやつですよね？」と驚きと当惑を隠さない三島。さらに配信シングル『雅ーMIYABIー』もiTunes Storeヒップホップ部門でチャート1位に輝いたことを受け「ファンの方が盛り上げてくださるのは本当にありがたいですけど、目ぇ覚ましてくださいというのはずっと思っています」とつづける。「（目を覚ましたら）全員おらんようになるよ。もうちょっと寝といてくださいのほうがいいやろ。できるだけ意識半分くらいの状態ですゑひろがりずを観てもらって」という南條に「（ファンがいなくなるくらいの）それが（本来の）すゑひろがりずやねん」となおも三島が言い募っていた。

コロナのせいでファンに感謝を示せる場がないことがつらいという三島は「47都道府県の、ちっちゃい公民館みたいなところをゆっくりと回ってみたい」という夢も口に。その言葉に「『雅ーMIYABIー』があるからディナーショーできるやん。（お客さんに）和食をゆっくり食べてもらって、困ったら『雅』歌わせてもらう」と南條が発案。ふたりで『雅』を歌いながら客席を握手して回る動きを軽く試した上で「ディナーショー行けるね！」と三島もノリ始め、「以前EXITのライブを観さしてもらったら、曲から始まって客席からダーンって登場してた」という南條に「ああ、めっちゃ盛り上がってたな！　あれができるんや」と三島も持ち歌を交えた構想を広げ始めていた。

10周年の全国ツアーをもって「第一章を終えた」と語るすゑひろがりず。にぎにぎしくめでたい第二章が幕を開けたようだ。

すゑひろがりず
小鼓担当の南條庄助と扇子担当の三島達矢によるコンビ。NSC大阪28期の同期として出会う。2008年よりトリオでの活動を経て2011年春、コンビとなる。2012年から「伝統芸能風」ネタをやるようになり、2014年に東京進出。2019年、『M-1グランプリ』決勝に進出。南條は『R-1ぐらんぷり2020』決勝で3位に。