コロナ禍、家で1人飲みコールし気づく。「私は大好きな人と飲む酒が大好きなんだ」|納言・薄幸の酔いどれコラム#3

さまざまなことが制限され、我慢の多い生活を強いられる「緊急事態宣言」。
一見、マイナスなことばかりが頭に浮かぶが、納言・薄幸はそのなかで、今まで気づけなかったありがたみを感じたり、新しいことを経験したりと、得るものはたくさんあったと語る。
薄幸、限界につき“家で1人飲みコール”
去年の話。
“納言・幸の冷蔵庫がテレビに出過ぎ”
そんな様な事を、オードリーの若林さんがラジオで言ってくれた。別に超最新冷蔵庫を持っているから、通販番組でよく見るだとか、そんな話じゃあない。
1回目の緊急事態宣言が出された際に、今までスタジオで行っていた収録が難しくなった事によって、自宅からのリモート出演が激増した。
当時私が1人で住んでいた部屋は
「クッソ!ふざけんなよ!馬鹿!クソ!オメェのせいで敵にやられたじゃねえかよ!クソ!馬鹿!クソだってばよお!」
といった、まあ推測だけど、ユーチューバーにしては珍しい、語彙力皆無ゲーム配信系ユーチューバーである隣人の罵声が毎日聞こえる位の壁薄ボロ狭アパートだった。
そんなボロ狭アパートに住んでいたから、中古で買った元々白色であったであろう、くすみクリーム色の冷蔵庫の前以外に撮影するスペースが無くて、毎回そこからリモート出演していた。
日本中が困惑した1回目の緊急事態宣言中、1番テレビに出演した冷蔵庫は、私のくすみクリーム色冷蔵庫だ。それだけは、自信を持って言える。

冷蔵庫前でしかテレビに出られない事も問題だけど、そんな事よりももっと重大な問題があった。
それは、人と飲めない事。
緊急事態宣言前の私は、毎日の仕事が終わった後に”飲みに行ける人を探す”という、もう一つの大切な仕事をしていた。
“飲みに行ける人を探す”
それはそれは何よりも大切で、何よりも楽しい仕事。それが出来なくなった。「暇だなあ。寂しいなあ。」そんな事を思いながら、1人で飲む毎日。どうやら、限界が来たのであろう。気がついたら、家で1人、飲みコールをしていた。
“次の~その次の~その次の人は~飲まなくていい~!そのまま次の人が飲むよ~飲んで飲んで飲んで~”
以前深夜のカラオケで芸人仲間達と歌っていた、サカナクションの「新宝島」の替え歌の飲みコールを、家で1人でやっていたのだ。
1人だから、もちろん私の次の席に座っている人なんて居ない。強いて言うなら、私の次の席に座っている人は、語彙力皆無ゲーム配信系ユーチューバーくらいだ。
前までは深夜、下手したら朝まで飲むのも、なんて事なかったから気付かなかった。もちろん酒が好きだけど、私は人と飲む酒が好き。
大好きな人と飲む酒が大好きなんだな、と緊急事態宣言を受けて初めて思った。

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