デコピンと激辛ちゃんぽん
バベル化学の被害者たちは訴訟を起こしていたが、代理人を務める弁護士のソ・ヒョンウ(シン・スンファン)はウサン法律事務所と示し合わせて、被害者たちに示談を勧めていた。もちろん、裏金はガッポリ。どこまでも腐っている。演じるシン・スンファンは数多くの映画やドラマに出演する“シーンスティラー”。
ソ弁護士の事務所に飾られている絵画はジョット・ディ・ボンドーネ「ユダの接吻」の一部。イエスを銀貨30枚で売ってしまった裏切り者のユダを描いたもの。裏切り者のソ弁護士にぴったりである。
ヴィンチェンツォとチャヨンは被害者たちを説得できるかどうかでデコピンを賭けるが、結果はヴィンチェンツォの勝ち。おそるおそる目を閉じるチャヨンに、ヴィンチェンツォはかるーくデコピンをする。何、このかわいいやりとり。ちなみに韓国では日本よりもカジュアルにデコピンが使われており、ドラマやバラエティでもデコピンがしばしば登場する。
かわいいといえば、ふたりのもとへやってきたジュヌがヴィンチェンツォと張り合って激辛ちゃんぽんを食べるシーン。ライバル意識を燃やして、お互いの丼に勝手にラー油を入れたり、相手の水を飲んでしまったりする。かわいいのだが、この時点でジュヌは先輩のチャヨンがバベル製薬の貯蔵庫爆破の犯人だと見抜いているわけで、彼の振る舞いは不気味である。
なお、メイキングを観るとソン・ジュンギが自分の箸置きを相手の丼に放り込んでしまい、「やり過ぎないでください」とNGになっていた。かわいい。
ヴィンチェンツォはカッコいい
これは、雑居ビル、クムガ・プラザの住人、ピアノ教室院長のお嬢さんソ・ミリ(キム・ユネ)のセリフ。ヴィンチェンツォがクムガ・プラザのイタリアンレストランで難癖をつけていたチンピラたちをあっという間に撃退し、食器が割れたことを悲しむシェフのトト(キム・ヒョンシク)に謝罪して大金を置いていく姿を見てのこと。ヴィンチェンツォと住人たちとの間では、徐々に信頼が生まれていた。
そんな折、バベル化学の技術者のひとり、イ・ウヨン(シム・オソン)が血を吐いて倒れてしまう。もちろん原因はBLSD。ウヨンはクムガ・プラザの住人たちと非常に親しく、誰もが彼の安否を心配していた。
ヴィンチェンツォとチャヨン、クムガ・プラザの住人たちとの共同作戦がスタートする。まずは軽くソ弁護士の裏金を盗み出して全額寄付! 小気味いい! ふたりでウサン法律事務所へ乗り込んで、ミョンヒに宣戦布告する。しかし、相手は手強い上に、準備時間も短い。正面から戦っても勝てないと悟ったヴィンチェンツォはいきり立つチャヨンをなだめる。
「今回は俺に従って」
「私は弁護士8年目なの。助言なら結構よ」
「見下してるわけではなく、悪党のやり方を教えたい」
裁判の朝、クムガ・プラザの人たちがヴィンチェンツォの力になろうとするのがグッとくくる。ヴィンチェンツォの高級スーツを台無しにしたクリーニング屋のタク・ホンシク(チェ・ドムクン)は見事にクリーニングを仕上げ、いつもヴィンチェンツォにいびられているトトは母親が作った故郷の料理でもてなす。裁判所へ向かうふたりの姿は完璧にバディだ。
裁判所の前でマスコミに間違えて囲まれる女性は、チョン・ヨンジュ。『ヴィンチェンツォ』の脚本家、パク・ジェボムの前作『熱血司祭』で“悪のカルテル”の一角をなすダーティな区長を演じていた女優。
ド派手なスカイブルーのランボルギーニ・アヴェンタドール(イタリアの超高級車。軽く4000万円は超える)に乗って、颯爽と裁判所に現れたヴィンチェンツォとチャヨン。クムガ・プラザの住人たちも見守るなか、いよいよウサン法律事務所と法廷バトルが始まる! ……のか? デデン!
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