本性を表す“血も涙もない毒蛇”
悪辣なバベル製薬の手口に、ますます怒りの炎を燃やすユチャン。証言を尻込みしていた研究員のユ・ミンチョル(キム・ジンボク)も決意を固めていた。これで裁判に勝てるかもしれない──。勢いづくユチャンのもとへ、バベル製薬の裁判から降ろされてしまった娘のチャヨンが抗議にやってくる。だが、ユチャンは取り合わない。それならば、とチャヨンは父親を糾弾する。
「正義の味方なら、なぜ母さんを死なせたの? 人の世話を焼く間、手術にひとり残して」。
重いやりとりをする父娘の背後で、いたたまれなくなったヴィンチェンツォが何度も転びそうになるのが可笑しい。シリアスなドラマとコミカルな要素のバランスが抜群である。
飛び出していったチャヨンに、ヴィンチェンツォがユチャンと一緒に酒を飲もうと声をかける。今度はホームドラマだ。しかし、穏やかなメロディーのBGMに突如、不協和音が混ざり始める。
雷鳴が轟くなか、むしゃむしゃと食事をしているのは、ウサン法律事務所の弁護士、チェ・ミョンヒ(キム・ヨジン)。バベルグループの若き総帥、チャン・ハンソ(クァク・ドンヨン)をひと目見て、本当の実力者ではないと見抜く切れ者だ。彼女はスマホを手に取ると、謎めく「魔法の玉」に語りかける。「ねえ、始めて──いいえ、ふたり共よ」。ついに“血も涙もない毒蛇”が本性を現した。
思わず絶叫してしまう衝撃のラスト!
何度となく酒を酌み交わすヴィンチェンツォとユチャン。ふたりの間には確かな信頼と絆が生まれていた。だからこそ、ヴィンチェンツォはユチャンにバベルから手を引くよう忠告したのだ。しかし、ユチャンは聞く耳を持たない。彼には人々を救いたいという強い使命感があった。ユチャンは心の内を明かす。
「“悪魔を追い出すのは悪魔だ”。イタリアのことわざだろ」
怪物を倒すのは怪物だ。しかし、自分は怪物にはなれない。「いつか本当の怪物に、法など関係なく悪党を追い払ってほしい」と笑う。だが、ヴィンチェンツォは期待に応えるつもりはない。ユチャンもそのことはわかっている。
ユチャンのスマホに研究員から着信があった。慌ててかけ直すユチャン。すると……突然、ふたりがいる店にトラックが突っ込んできた! うわああああああ!
凄まじい衝撃音と共に砕け散るガラス、吹き飛ばされるヴィンチェンツォ。薄れゆく意識の中で見えたのは、血まみれで倒れるユチャンの姿だった……。
メイキング動画を観ると、ヴィンチェンツォ役のソン・ジュンギがユチャン役のユ・ジェミョンとのラストカットを撮影時、「まだ帰りたくない。彼にさよならを言いたくないな」と漏らしていた。それだけふたりの間には信頼が生まれていたのだろう。メイキングのカメラに気がついたユ・ジェミョンがとっさに「指ハート」を繰り出すのがお茶目。
衝撃のバイオレンスで幕を閉じた第3話。ユチャンの運命は? チャヨンの反応は? そしてヴィンチェンツォの反撃は? 呆然としながら第4話へつづく。デデン!
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