『こども六法』:PR

『こども六法』で子供も大人も強くなる「むりやりエッチなことをするのは絶対ダメ!」「先生からのいじめはどうしたらいいの?」

2021.3.26
こども六法

文=大山くまお 編集=アライユキコ 


「いじめ」の定義とは?〈法律では、「被害者が嫌だと思ったらいじめ」になります〉。『こども六法』(山崎聡一郎 著/イラスト 伊藤ハムスター/弘文堂)は、身近な危機への法的な対処法を教えてくれる。子供にもわかる言葉で書かれているということは、大人にもわかりやすいということだ。大人も子供も法律を知って身を守ろう。

親が子供に知っておいてもらいたいこと

僕にはもうすぐ小学4年生になる娘がいる。きょうだいはいない。

この子が生まれてからずっと、親として何を残してやれるかを考えている。僕と妻が40歳に生まれたときの子供だから、彼女が大人になったとき、僕たちが身体を張ってサポートしてやれることは少ないんじゃないかと感じているからだ。なんなら彼女が大人になる前にこの世からいなくなってしまってもおかしくはない。

残すといっても、お金などは微々たるものだ。大人になった彼女がトラブルに直面したとき、救ってやれるほどの金額が残せるとは思っていない。

となると、やっぱり教育が大きなウェイトを占めるのだろう。ただ、いくら勉強ができたって、よい学校に行けばよい人生が歩めるなんて保証はない。先行き不透明な今の時代なら、なおさらだ。常識、社会、働き方、歴史、男女のこと、SNSとの付き合い方……教えることはいっぱいある。あり過ぎて途方に暮れてしまう。それでも何かが足りない気がする。

そんなときに書店で目にしたのが『こども六法』(山崎聡一郎 著/イラスト 伊藤ハムスター/弘文堂)という本だ。

法律! その視点はなかった。もちろん「こういうことはやっちゃいけない」「こんなことをするとおまわりさんにつかまるよ」というのは幼いころから教えているし、学校でもルールは学んでいる。でも、法律について詳しく教えたことはない(というか、僕もよく知らない)。

「きみを強くする法律の本」

これが『こども六法』のキャッチコピー。帯には「いじめ、虐待に悩んでいるきみへ」というフレーズも記されている。まえがきには「この本で身につけた知識は、いざというときに、きっとあなたのことを助けてくれることでしょう」ともある。

娘がひとりになったとき、彼女を守ってくれるのは法律の知識かもしれない。いや、小学生である今だってそうなんじゃないだろうか。そう思って手に取った。

『こども六法』「もくじ」山崎聡一郎/弘文堂
『こども六法』「もくじ」山崎聡一郎/弘文堂

気軽に「死ね」って言ってない?

本書は数多くの法律の中から、子供に関係のある法律、子供も知っておいたほうがいい法律をピックアップし、わかりやすく解説してくれている。ちなみに「六法」とは、日本国憲法、刑法、民法、商法、刑事訴訟法、民事訴訟法のこと。みなさん、知ってました?(僕は知らなかった)

第1章は刑法。「刑法はやぶったら国から罰を受けるルール」「罰金は国に払うお金だよ」という基本的なところから、「法律を知らないことは言い訳にはできないよ!」「二人で犯罪をしても責任は半分にはならないよ」などの大人も知っておいたほうがいいと思われる項目、「危険をまねくいたずらは重い犯罪になるよ」「お金のコピーは犯罪!」という子供の生活にダイレクトにかかわるような項目などがラインナップされている。それぞれに対応する法律の名前と簡単な解説がついていてわかりやすい。

「むりやりエッチなことをするのは絶対ダメ!」「お酒や薬を悪用したエッチは犯罪!」などは、子供には特に知っておいてもらいたい項目だ。「13歳未満にわいせつなことをしたら、同意があっても犯罪だよ」という一文は子供にもよく覚えておいてもらいたいし、子供が当事者である第179条「監護者わいせつ及び監護者性交等」について触れた解説もある。

「気軽に『死ね』って言ってない?」の項目では、直接殴ったりしなくても、悪口などで相手が体調を崩すほどストレスを与えた場合は「傷害」の罪になると書かれているし、「ケガをさせなくても暴行になるよ」の項目では、当たらないように石を投げつけたり、水をかけたりするだけでも「暴行」の罪に当たると書かれている。はやしたてれば「現場助勢」の罪だ。「その一言が罪になる!」の項目では「侮辱」「名誉毀損」「親告罪」などの罪について記されている。

これまでは「いじめ」という曖昧な言葉で表現されてきた行為が「傷害」「暴行」「侮辱」とはっきり書かれているのがいい。また、いじめ防止対策推進法については別の章(第7章)でまとめて触れられている。「法律ではどこからが『いじめ』?」「先生からのいじめはどうしたらいいの?」という項目は子供に読んでもらいたいし、大人が読まなければいけない項目も多い。

「気軽に『死ね』って言ってない?」イラスト伊藤ハムズター(『こども六法』山崎聡一郎 著、イラスト 伊藤ハムズター/弘文堂)
「気軽に『死ね』って言ってない?」(『こども六法』山崎聡一郎 著/イラスト 伊藤ハムスター/弘文堂)

子供のSOSに根拠を持たせる本

第2章の刑事訴訟法、第3章の少年法、第4章の民法、第5章の民事訴訟法、第6章の日本国憲法もそれぞれ要点が簡潔にまとめられている。日本国憲法の「みんな幸せになる権利がある」「みんなと違っていてもいい」「自分のものは、自分のもの」「人権は、私たちのバトンリレー」あたりは子供のころから覚えておいてもらいたい。

大人になってからはもちろん、子供である今の段階でも法律の知識は自分の身を守ってくれる。小学生ともなれば、親の知らないところでさまざまな経験をしているだろう。すべてを親に明かしてくれるとは限らない。ならば、多少なりとも法律の知識を知っておいたほうがいい。「これはいけないことをしているんだ」「これはいけないことをされているんだ」と知っておくことは重要だ。もちろん、親も知っておくべきである。

『こども六法』山崎聡一郎 著、イラスト 伊藤ハムスター/弘文堂
『こども六法』山崎聡一郎 著/イラスト 伊藤ハムスター/弘文堂

著者の山崎聡一郎は子供のころにいじめを受けた経験があり、「小学生当時の自分に法律の知識があれば、自分で自分の身を守れたかもしれない」という後悔の念が本書の執筆の動機になったという。大人や教師でも「いじめ」と「いじり」の境界は見分けにくいし、家庭内で虐待されている子供は見つかりにくい。だけど、法律の知識があれば子供でもSOSを発信しやすくなるし、SOSに法的根拠があれば大人だって解決に動きやすくなる。本書にはそんな意図が込められている。

小学生にはちょっと難しいところもあるかもしれないので、最初は親が一緒に読めばいいし、部屋に置いていて何かあったときにパラパラめくってもらうのもいいだろう。六法全書は読めないが、これなら僕だって読める。

ちなみに版元の弘文堂といえば、法律の専門書で有名な老舗出版社(創業明治30年!)だから解説文などについては折り紙つき。子供がいる家庭なら、一冊置いておいても損はない。

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  • 『こども六法』山崎聡一郎 著、イラスト 伊藤ハムスター/弘文堂

    『こども六法』

    山崎聡一郎 著/イラスト 伊藤ハムスター
    発行:弘文堂
    定価:1,320円(税込)
    発売年月日:2019年8月20日
    ページ数:202ページ
    判型:A5判

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