『有吉の壁』に人生のすべてを賭けるワタリ119が語る<「壁」への情熱>と、<先輩への感謝>

2020.12.27


芸歴最年少の僕が頑張れるのは、先輩芸人のおかげ

ここからは、いつも一緒に戦っている芸人さんの話をしたいと思います。

『有吉の壁』の収録に行く時は、それはもう本当に怖いです。収録前日は緊張しすぎて眠れないくらいです。でも「次も頑張ろう」と毎回思える。それは一緒に出演している先輩芸人さんたちのおかげです。

僕にとっての「煉獄さん」、とにかく明るい安村さん

「フリマの壁」(2020年7月1日放送)の収録で、僕がスベってそのまま消えたいくらいヘコんでいた時、“Mr.壁”こと、とにかく明るい安村さんが『鬼滅の刃』の話をしてくれました。『(『鬼滅の刃』の登場人物の)煉獄(杏寿郎)さんが言ってたよ、“胸を張って生きろ”って。“クヨクヨしてても時間は待ってくれない”って。鬼滅、観てないの?』と話しかけてくれました。そして、そのあとのバスでの移動中も、煉獄さんの名言を紹介しながら僕のことを励ましてくれたんです。

そんなことがあったせいか、『鬼滅の刃』の映画を観たら泣いてしまいます。3回観に行って3回泣きました。そのセリフが僕に言われてるような気がして(笑)。

次の収録もダダスベりリてしまったのですが、不思議と悔しくはありませんでした。クヨクヨしてる時間はないと思ったんです! そして、同じ日にもうひとり、僕の心を救ってくれた人がいました。


初対面で「本気の励まし」。ジャングルポケット斉藤さん

それまで挨拶くらいしかしたことなくて、正直、怖い人なのかも……と思って、話しかけづらかったんです。でも僕がスベッてヘコんでいることに気づいて、僕の肩に手をかけて『ひとつひとつにヘコんでたら生きていけないよ? ワタリ君、一番芸歴低いんだから当たり前だよ、スベってもヘコんだらだめだよ』と励ましてくれました。

何が驚いたって、これが斉藤さんとの初めての会話なんです。それまではしっかり話したことはなかったのに、初会話でこんなに励ましてくれて。本当にうれしかったです。

消えたいくらいスベった「フリマの壁」でのワタリ119。この日、とにかく明るい安村とジャングルポケット斉藤に励まされる

ライバルであり兄貴、パンサー尾形さん

あと、絶対にここで話さなくてはならない方がいます。パンサー尾形さんです。こんなに熱くてカッコいい兄貴だと思える人はいません。

『有吉の壁』ではよくコラボさせていただくことがあるのですが、そこでも尾形さんは「笑わせてやる」っていう負けん気が常に出ています。コラボしてる僕にも対抗心をぶつけてきます。でも、その中にも後輩に対する優しさとか感じるからカッコいい……。だからこそ僕も負けたくない気持ちが生まれるし、それと同時に尊敬しています。

僕が尾形さんくらいの芸歴を積んだ時、絶対今の尾形さんのようにはなれないと思うんです。45歳になって、あそこまでまっすぐ純粋な気持ちを持ち続けられる自信が今はありません……。いい意味で「ずっとサッカー少年」というか、まっすぐすぎるんです。僕が尾形さんの年齢になった時には、変なプライドとかも生まれている気がしてしまいます。だからこそ、ずっとまっすぐな尾形さんをカッコいいなって思います!

“兄貴”であるパンサー尾形と、入念にコラボネタを打ち合わせするワタリ119

脳みそを分けてほしい、さらば青春の光・森田さん

森田さんは、いっつも会った時「いやもうボケ浮かばないわぁ」って言うけど、オンエアを観て毎回驚かされています。

以前、スカイツリーでの放送で「うどん屋さんに弟子入りを断られたあとに、隣の雑貨屋にも弟子入りを頼む」というボケがあったのですが、あの発想は僕にはとても出来ないと思って……(笑)。店の並びを利用するっていう考え方、本当にスゴいと思いました。

これだけレギュラーで出演しているのに、まだこんなにおもしろいボケを持ってくるのかと思います。だって、ロケ場所からは浮かばないような「瞬間的な発想」をすぐに出してくるんです。あれはズルいですよ(笑)。

さらばさんって、同じ種類のボケを持ってこないんです。回を重ねるごとにある程度ボケにもタイプが出てくると思うのですが、さらばさんは毎回その先も見たくなるようなボケをすると言うか、その先の展開とかを想像するだけで楽しくなるんです(笑)。「あー、もっと見たい!」ってなっちゃいます。あんな考えは絶対浮かばないなあと思いながら、少しだけ森田さんの脳みそ分けてほしいなあといつも思っています。

歳下とは思えないカッコいい男、四千頭身・後藤さん

事務所も同じ先輩なのでよく話すことがあるのですが、やっぱりこの人はスゴいです。

以前の収録で大喜利の企画(2020年12月9日放送)があったのですが、僕はうまくできずにいました……。その日は珍しく後藤さんもヘコんでるように見えました。そのままご飯に連れて行ってくれたのですが、弱音ばっかり吐いてた僕に対して、後藤さんは僕の話をずっと聞いてくれて、相談に乗ってくれたんです。

後藤さんは他の仕事もあるし、ネタも書いてるし、かなり多忙ななか後輩の面倒をみてくれて、僕よりも歳下とは思えないほどの男ですよ! 『有吉の壁』の先輩はそういう方々ばかりだけど、僕にまで気を遣ってくれる年齢も芸歴も若い後藤さんは、人としてカッコよすぎます。

芸人たちの“本気のボケ”を観てください!!


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ワタリ119

1993年生まれ、北海道出身。『R-1グランプリ2020』ファイナリスト。「どこでも駆けつけます、なんでも全力でやります」をキャッチフレーズに、日々努力中のピン芸人。気合いと根性は誰にも負けません! 『有吉ゼミ』『有吉の壁』(共に日本テレビ)、 『さんまのお笑い向上委員会』『芸能人が本気で考えた!ド..

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