ムーシー藤田による「架空ものまね」の正体
そして迎えたクールダウンタイム。ななまがり森下こと「ムーシー藤田」の十八番である「架空ものまね」が始まった。スタジオいっぱいに響くムーシーの声。

「将棋100人指し100人負け男 工藤卓!
つづきまして……
縦水泳銀メダリスト 小野紀之!
つづきまして……
乳首にある目で観覧俳優 佐藤仁!」
実在しない職業と実在しそうな人名をひたすら連呼していくだけの、永遠にできちゃう「架空ものまね芸」。というかこれは、「ものまね」と呼べるような代物ではない。薄毛の奇天烈なおっさんが思いついたことを大声で叫んでいる、ただそれだけである。
ただそれだけのことなのに、どういうわけかめちゃくちゃおもしろい。3年半の番組の歴史を振り返ってみてもあんなにスタジオが揺れるほどの爆笑をかっさらった人はそういない。ちなみに僕が一番好きなムーシー藤田の「架空ものまね」は、
「お仏壇のはせがわのCMの手に足挟み俳優 新田敏文!」
である。「そんな仕事ねえよ」という月並みなツッコミすら受けつけないスーパークレイジーなものまね芸にすっかり魅了された我々は、「困ったらムーシー」のスローガンのもと、撮れ高が不安な企画にムーシー藤田をバンバンキャスティングするようになった。
実際放送後の視聴者からの反響も大きく、一部では「ななまがり森下は知らないけど、ムーシー藤田は知っている」という奇妙なねじれ現象も起きているらしい。さらに今回のコラムを書くにあたってその人気ぶりをネットで検索したら
架空ものまねタレント【ムーシー藤田】ネタ一覧
と銘打つ“このコラムを書くとき以外に役に立つことは一生ない”まとめサイトまで見つかった。世の中にはもっとまとめなきゃいけない情報があるだろうに。
「内輪ノリの究極」であるにもかかわらず、多くの視聴者から支持を集めつつあるムーシー藤田の「架空ものまね芸」。今の人気に乗じて僕は密かに
「『勇者ああああ』スペシャルイベント」
ハリウッドザコシショウ(誇張ものまね:レパートリー2兆個)
VS
ムーシー藤田(架空ものまね:レパートリー5000個)
というイベントの企画書を書いている。ふたり合わせてものまねレパートリーの数は2兆5000個。これはすごいことになりそうだ。客が来るかどうかは知らんけど。
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#【連載】『勇者ああああ』芸人キャスティング会議
アルコ&ピース平子祐希が番組内で「むせかえるほど安いギャラ」と公言する、テレビ東京の低予算ゲームバラエティ『勇者ああああ』。
予算がなくたって、テレ東には「金がないなら企画を考える、有名人が出せないなら素人をおもしろく撮る」の伝統芸能がある。
この連載では、同番組の演出・プロデューサーを務める板川侑右氏が、過去に呼んだ芸人や今呼びたい芸人と、その理由などを明かす。
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