尾田栄一郎先生の意外な趣味とは!?巻末コメントで知る漫画家の生態

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2020.1.17


週刊マンガ雑誌の巻末に掲載されている“作者コメント”。短いひと言コメントながらも、ここには名立たる漫画家たちが定期的に個人的な趣味――自分の好きなラジオやTVの番組について書いています。
本稿ではハガキ職人のスペシャルウィークさんがつぶさに観察した巻末コメントから、漫画家のセンセイたちの意外な趣味を紹介します。ちなみに、『ONE PIECE』の尾田栄一郎先生は『山里亮太の不毛な議論』のリスナーだそうです。

※本記事は、2018年10月24日に発売された『クイック・ジャパン』vol.140掲載のコラムを再構成したものです。

巻末コメントによる漫画家の生態ウォッチ

幼いころから絵を描くのが苦手だった。小中高と、理系・文系科目は上位の成績でも、美術だけは下から数えたほうが早かった。そんな苦手意識があるため、大人になった今でも、絵が上手い人はほぼ無条件で尊敬してしまう。そして、絵が上手い人のなかでもトップに君臨するのが漫画家である。

週刊マンガ雑誌巻末の“作者コメント”を読むと、さまざまな漫画家が定期的にラジオやTVの番組について書いている。絵心がまったくない自分と対極にいる漫画家たちに「ラジオ・TV好き」という共通点があることに気づいてなんだかうれしくなった。そんなわけで、4年ほど前から毎週気になる巻末コメントを探し、好きな番組について書かれていたときはツイッターに書き留めるという“生態ウォッチ”活動を地味に続けてきた。

たとえば、2015年2月12日の『週刊ヤングジャンプ』で『日々ロック』の榎屋克優先生が「今まで一番オーラがあった人は?」という質問に、「アルコ&ピースの平子さんと酒井さん」と書いていた。榎屋先生はニッポン放送『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』(2016年3月終了)のヘビーリスナーで、過去にゲスト出演した際、アルピーのふたりとヤギ(ヤギはリスナーのアイデア)を『日々ロック』内に登場させる約束をしていた。そのコメントの翌週2月19日、榎屋先生の漫画家人生においても大切な『日々ロック』最終回のライブシーンで、満を持して、観客のなかにアルピーのふたりとヤギを描くという形で約束を果たしたことは、榎屋先生にとって、いかにアルピーが大きな存在であるかを象徴しているようであった。

2017年2月14日の『週刊少年ジャンプ』、『ONE PIECE』の尾田栄一郎先生の巻末コメントは「有名人にお会いした。セパちゃん。ジャニオタさん。ヒゲちゃん。感動した」。尾田先生は南海キャンディーズ・山里亮太さんと親交が深く、TBSラジオ『山里亮太の不毛な議論』の2010年9月15日放送回でリスナーであることも明かされている。「セパちゃん」、「ジャニオタ」、「ヒゲちゃん」というのは山里さん・バナナマンさん・おぎやはぎさんのラジオの番組スタッフで、業界人とはいえ、ラジオを聴いていない人からすれば一般人でしかない。だが、そのときすでに『不毛な議論』リスナー歴7年であった尾田先生にとって、彼らはずっと聴いてきたラジオの中のスーパースター軍団のように映り、感慨深くなって思わず書いたのでは……と勝手に想像すると、世界的に有名な尾田先生と、ラジオのいちリスナーでしかない自分も、興奮するポイントは意外と変わらないような気がして妙に親近感が湧いた。

最後に、2018年10月1日の『週刊少年ジャンプ』から。前月9月17日放送の『のぞき見ドキュメント 100カメ』(NHK)というジャンプ編集部の密着番組を観た『アクタージュ act-age』の原作・マツキタツヤ先生が「NHKで担当氏の性癖が全国放送されていて笑った。気持ちはわからなくもない(擁護)」とコメント。この担当編集者は番組内で「Mr.マイペース。グラビア好き」と紹介された「いいことがあると業務時間でもグラビアを見る」というブレない信念の持ち主。マンガの主人公・夜凪景(よなぎけい)がマイペースでブレない性格であることや、回を重ねる毎に作画が上手くなり、女性キャラの魅力が増しているのもこの担当編集のおかげ、グラビア収集で培った艶やかな女性像に関するノウハウが詰まっているのでは?と妄想するのも楽しい。

このように普段見えない漫画家の生態を知ることで、遠い存在のような漫画家がグッと近くに感じられる巻末コメント、毎週欠かさずに読んでみてはいかがでしょうか?


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