まふまふ、そらる、天月-あまつき-など、シーンを牽引する5組の「歌い手」たち

2020.5.23
まふまふ

文=ヒガキユウカ 編集=鈴木 梢


“歌い手”という言葉を聞いたことはあるが、その実態まではよく知らないという人はまだまだ多いのではないだろうか。

インターネットでの同人活動をしているイメージが強いかもしれないが、ここ数年、オリコンランキングやBillboard JAPANといった名だたるランキングを席巻。日本武道館、さいたまスーパーアリーナ、横浜アリーナといった大規模会場のライブでチケットが争奪戦になっているのをご存じだろうか。

動画再生回数や各種SNSのフォロワー数、ニコニコ動画のマイリスト数やYouTubeのチャンネル登録者数――。インターネットが今ほど多くの人々の日常に浸透する前から、歌い手たちは目に見える数字で常に評価されてきた。
メジャーシーンで活躍してきた人々もインターネットに活動の場を広げてきている今、すでに確固たる数字を獲得してきた歌い手たちは、さらに脚光を浴びることとなった。

彼らは動画投稿だけでなく、ゲーム実況や雑談などの生配信も積極的に行う。飾らない人柄を垣間見ることができる生配信により視聴者は親しみやすさを感じ、ファンとして支持するようになるひとつのきっかけにもなっている。

ここ数年、歌い手という存在そのものに憧れて「歌ってみた」活動を始める世代も生まれている。そんな世代の活動を後押しするプラットフォームも増え、以前より気軽に活動しやすくなった結果、現在の歌い手シーンは混沌を極めている。まずは今押さえておきたい「歌い手」界の代表と言える人々を紹介する。


「まふまふ」とは? 音楽業界から一目置かれる存在

命に嫌われている。/まふまふ【歌ってみた】

中性的なハイトーンボイスが特長のまふまふ。男性ながら、女性ボーカルの曲や高音域の曲も巧みに歌いこなす。彼のブレイク以降、後を追うように高音を活かした男性歌い手が増えた。

まふまふの魅力は、単に声が高いことだけではない。特筆すべきは、曲に合わせて歌声が自在に変化する歌唱技術、そして音源としての完成度を左右する編集・加工の技術だ。すでに知っている曲でも、彼のカバーを聴くことによって新たな一面に触れられるだろう。

中高生を中心とした若い世代から絶大な人気を集めており、Twitterフォロワー数は約175万人、YouTubeチャンネル登録者数は240万人を超える。一過性のブームで終わる気配がないほどの存在感を持ち、アニメやCMなどのタイアップ曲も多数担当。最近では音楽プロデューサーとしても活動し、多彩さが際立っている。

自身の活動のみならず、ほかの歌い手を集めた企画やライブも行っており、歌い手界全体の認知拡大や地位向上にも注力している。同業者はもちろん、メジャーアーティスト、さまざまな音楽関係者たちからも一目置かれる存在だ。

お茶の間への影響力も増す「そらる」

366日(HY)cover / そらる

深みのある低音が特長で、その美声は「イケボ(=イケメンボイス)」と名高い。声質だけでなく表現力においても非凡なものを持っており、特にバラードやスローテンポな曲で本領を発揮する。10年以上歌い手シーンの最前線を走りつづけてきたが、最近は『めざましテレビ』や『ZIP!』といったテレビ番組の出演にも積極的で、お茶の間への影響力も増しつつある。

また、かなりのゲーム好きで人気ゲーム実況者たちとの交流もある。現在は『スプラトゥーン2』、『Apex Legends』、『あつまれ どうぶつの森』などを中心にゲーム実況の配信を行っており、女性だけでなく男性からも多くの人気を集める。

[ポケットモンスターOP]1・2・3/After the Rain(そらる×まふまふ)

先ほど紹介したまふまふとは「After the Rain」というユニットを組んでおり、楽曲制作のほとんどを自身たちで手がけている。ライブでは、高音域を中心とするまふまふと低音域のそらるによる美しいハーモニーを楽しめる。

女性歌い手や、歌い手グループも


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ヒガキユウカ

(ひがき・ゆうか)歌い手、ボカロP、YouTuber、VTuberなどを追うライター。会社員としてWEB編集者もしています。『エキサイトニュース』『ねとらぼ』『KAI-YOU』『リアルサウンド』『東方我楽多叢誌』などでインタビュー・ライブレポ・コラムを執筆。1993年に生まれ、小学生のころからインタ..

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