ExWHYZ・mikina、気分が乗らない日は行き当たりばったりで。なじみの映画館で名作の世界に浸る

ExWHYZ・mikina

文・撮影=mikina(ExWHYZ) 編集=梅山織愛


ExWHYZ・mikinaが生活の中で降り立ったなじみの駅で、自分なりの新たな好きや自分自身の知られざる一面を探して散歩する連載「自分開拓さんぽ」

誰にでもある、なんだか気持ちが乗らない日。そんな日を「凪の日」と呼ぶmikinaは、むしろそんな日だからこそ、目的は決めずにとりあえず一歩、外に出てみる。

結局ガチャガチャが好き

たまにある、凪の日が来た。

普段は、頭が騒がしい。気持ちを言葉に変換する工場がフル稼働してるみたいな。ずっと、脳みそが好奇心やら想像やらの糸であっちこっち引っ張られてる。それはとても楽しい日々なんだけどねぇ。

今日はその狭間にある“凪”。

キャパオーバーしてるのかしら。まあ明日からまた戻るかな。台風の目みたいなもんだと思う。

こういう日は、何がしたいか具体的に浮かばない。でも逆に、行き当たりばったりをしちゃえる勢いはあるわけです。

特にカロリーを使いたいわけでもなく、偶然いた駅から1本で行ける「立川」に行こうと思った。「立川ってなんだろ? あ、映画館とかあるらしいな?」のノリである。

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最近は、駅に降り立つと「〇〇駅ぽいな」がすぐ出るようになってしまった。なんでもかんでも知ってる型にはめるのは趣がないよ〜ん。

でもあえていうと、かなり中央線の街。

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基本、凪の日は「 無 」……どこに行こうか。

名前に惹かれて1ミリ動いた心を頼りに、本屋へ。

わたしは本屋に来ると「しごでき(仕事ができる人)」になるための本やら、「自己啓発」やら「効率」やら、「惹かれやすい人の話し方」やら「休養学」やら。なんやら……やらやら……。そんな棚ばかり見てしまう。

このマイペースを崩せないなかで、ちゃっかり理想だけ持ってるからだ。でもよく考えたら、タスク化するのも、ルーティン化するのも人の何かに沿うのも、つまんないのかも。

ここ数年で、理想と同じくらい自分だけのよさを見つけたいからだなぁ、こりゃ。

きっと生き方を誰かに決められたら誰かのせいにするし、でも自分に自信を十割持てない。

好きに生きろっちゅーのは難しい。めんどくさい人間だこと……!

結局本を一冊も買わずに、同じガチャガチャを4回もやって出た。

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立川を調べたときに、音のいい映画館が出てきたのを思い出した。こだわりを持つことに興味があるので、気になる。

そうだ、『もののけ姫』再上映中の話をメンバーとしたばかりだし?もしかしてっ♪

と、思ったけどそこでは上映してなかった。そもそもIMAXなんだった。

うーーん、この瞬間に『もののけ姫』のミキナになってしまったのだ。さよなら、こだわりを持つ大人のミキナ。

なじみのTOHOへ、行くよ。

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映画館で観る『もののけ姫』

立川のTOHOは、詳しくいうと「立川立飛(タチカワタチヒ)」(かわいい)にあるらしい。

立川駅から30分ほど、とても広くてお店開拓しがいのある道を歩き続ける。

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だんだん暗くなってホラーみたいになる。

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TOHOがあるのか怪しくなって引き返そうかと思うころに、デッカいTOHOが見える。

珍しく食べ物も買わず、身ひとつで、『金曜ロードショー』でしか観たことのなかった『もののけ姫』を観た。

人気すぎて前の席しかなかったので目の中いっぱいにジブリの緑が広がった。口をずっと開けて観てた。物語をちゃんと最後まで観た満足感があった。

アシタカにちょっとなりたかった。

帰りは立川駅までまた30分かけて歩いた。この満たされた気持ちを、誰にもジャマされることなくひとり歩けた。

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この場所にTOHOを立ててくれた人に賞を与えたい。めっちゃくちゃちょうどいい距離っすよ。

気づいたら日をまたがずに凪が終わってた。

こんな日もあるんだなぁ……。

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P.S.カヤ、わたしはあんたを忘れないよ。

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mikina(ExWHYZ)

2022年6月結成、2023年5月に武道館単独公演を成功させた「ExWHYZ」(イクスワイズ)のメンバー。猫とサウナと音楽を愛してやまない。