7月5日(土)、東京・六本木に吉本興業の新劇場「YOSHIMOTO ROPPONGI THEATER」がオープンし、記念すべき初回公演にサルゴリラ、ライス、ななまがり、ニッポンの社長、コロコロチキチキペッパーズ、空気階段、田津原理音の7組が出演した。
本劇場は、吉本初となるコント専用劇場。そのこけら落としにふさわしく『キングオブコント』優勝コンビや決勝常連コンビらが多数顔をそろえ、珠玉のネタ連発で会場を爆笑の渦に包んだ。
終演後にはメディア向けの取材会が行われ、上記7組の出演者全員が登壇。新劇場でネタを披露した手応えや今後への期待、コント師としての矜持などについて、それぞれの口から熱い思いが語られた。
コロチキ・ナダル「六本木を新たなお笑いの拠点に」
まずニッポンの社長・ケツが「すごくやりやすくて、気持ちよかったです」と切り出し、相方の辻皓平は「新劇場の初日に出るというのが初めてで、うれしかった」と追従。続いてななまがり初瀬悠太が「初日ということでお偉いさんが何人もいて緊張しましたが、めっちゃやりやすくて、いい劇場やと思います」と手応えを述べると、隣の森下直人は“パラレルワールドから来た藤原副社長”を名乗り「この世界線の、六本木にできた劇場もいいですね。パラレルワールドにも“蒲田 the よしもと”ができたんですよ」と平行世界事情を明かし、蒲田の地を愛してやまないライス田所仁の笑顔を弾けさせた。
その田所は「六本木は僕らにとって感慨深い土地。相方が初めてバイトをした場所なので」と語り、相方の関町知弘は「僕以外、全員外国人で。ホントに日本なのか?というくらいいじめられていました。もう一度ここで仕事できるのは感慨深いです」とほろ苦いエピソードを繰り出して目を細めた。


空気階段・水川かたまりは「吉本興業はもともと大阪で始まって、漫才が根強い文化としてある会社。こうやってコントの劇場ができたということで、漫才を殲滅したいです」と、淡々とした口調で壮大な野望を口にする。相方の鈴木もぐらは劇場の喫煙環境に言及し、「喫煙所が個室になっていて、専用のエアコンがついてるんですよ。あそこを“神の間”と呼ばせていただいています。神劇場です」と手放しで絶賛した。

こけら落とし公演のトリを務めたサルゴリラのふたりは、ネタ中に思わず笑ってしまった反省を踏まえながらも「楽しかったです」と満足げな表情。一方、トップバッターを務めたコロコロチキチキペッパーズ西野創人は劇場の音響について触れ、「声がめっちゃ響くし、お客さんの笑い声もめちゃくちゃ返ってきて、いい劇場やなと。スタッフさんもテキパキ動いてくれて、全部よかったです。何も悪いところがない。120点じゃないかな」と太鼓判を押す。相方のナダルは「六本木を新たなお笑いの拠点にしたいですね」とざっくりまとめた。

この日唯一のピン芸人として出演した田津原理音は「コント劇場ができるという日にピン芸人を呼んでもらえたことがすごくうれしかった。というのも、『キングオブコント』にはピン芸人は出られないんで、ちょっと蚊帳の外感を感じていたんです。ピンで“ひとりコント”をやってる人は多いので、ちゃんと見てくれていたんだなと……そのうれしい気持ちを体で表現していいでしょうか?」と述べ、おもむろに“ジャイアントピース”を披露した。

漫才とコント、どっちが上?を言いきる
その後の質疑応答では、「漫才師はこの劇場には出られないのか?」との質問に対し、辻が「センターマイクがどこにも見当たらなかった」と証言。次いでナダルが「(漫才での出演は)かたまりが許さないと思う」との見解を示すと、当の水川はさも当然のように「出しません」と断言した。
記者からの「漫才とコント、どっちが上?」という禁断の質問に対しては、森下が「ここに“言いきる男”がおります」と初瀬を紹介。すると初瀬は“答えがないものの答えを言いきる男”として「漫才とコント、どっちが上か。これ、まだ答え出てませんよね。その答え、言いきりましょう!」と高らかに告げ、「……コント!」と無根拠に言いきって喝采を浴びるひと幕が繰り広げられた。


YOSHIMOTO ROPPONGI THEATERでは、7月13日(日)までの9日間『こけら落としWEEK』と題して全13公演が開催中。東西のコント師が出演する週末コント寄席『ROPPONGI CONTE THEATER-60-』や、ツーマン形式のコント企画『conte×conte』が連日行われる。14日以降は毎日違ったかたちのコント企画が行われ、単独公演やインバウンド公演などの会場としても使われていく予定だ。
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