「仲いいだけで人気はない」ニューヨーク、鬼越、横澤夏子ら15期が大集合。初心に帰って全力でコーナーに挑戦

2025.3.31
NSC15期15周年記念公演

文・編集=梅山織愛 撮影=晴知花


3月27日に東京建物 Brillia HALLで、『NSC15期15周年記念公演 ~芸歴を重ね落ち着いてきた芸人たちが2010年の∞ホールのように初心に帰って芸歴1年目として全力でお笑いと向き合うライブin池袋ブリリアホール~』が開催された。

2009年入学の東京NSC15期が大集結した今回のライブ。現在はマセキ芸能社に所属するカナメストーンも駆けつけ、あのころのように全力で会場を盛り上げた。

出演者
いぬ、Everybody タクトOK!!、おかずクラブ、鬼越トマホーク、デニス、TEAM近藤、TOKU、西村ヒロチョ、ニューヨーク、野澤輸出、マテンロウ、ムラジュン、横澤夏子、渡瀬瑞基、カナメストーン(マセキ芸能社)

1年目に戻ってコーナーに挑戦

ライブのMCを務めたのは、15期の5年先輩にあたる、トレンディエンジェル。

NSC15期15周年記念公演

オープニングを終えると、出演者は芸歴1年目だった2010年にタイムスリップし、全力で自己紹介。マテンロウが旧コンビ名の「ブラックリスト」としてあいさつをしたり、おかずクラブがトリオ時代の決めゼリフを披露するなど、1年目になりきってみせる。

まずは「デニスチーム」「鬼越トマホークチーム」にわかれコーナーに挑戦。ひとつ目のコーナーは、「みんなで答えろ!チームワーク大喜利」。お題に対して「いつ・どこで・誰が・どんなポーズで・何をした」を、5人が協力して解答していくが、「何をしたらいいですか?」や「大喜利……」など、1年目のように?とぼけてみせる。

NSC15期15周年記念公演
抜群のチームワークを見せる鬼越トマホークチーム

ゲーム中には、「どんなポーズで」を担当したニューヨークの屋敷裕政が、回答の際に恥ずがっていたということで、各チームを代表してニューヨークと鬼越トマホークがおもしろポーズ対決をすることに。レギュラーのマネをした先攻の鬼越トマホークに対し、ニューヨークはオリジナルポーズで勝負するも、判定はドローとなった。

NSC15期15周年記念公演
レギュラーのマネをする鬼越トマホーク
NSC15期15周年記念公演
コンビでオリジナルポーズを披露するニューヨーク

その後も勝負は拮抗し、最終的にはTOKUの一発ギャグが決め手となって、このコーナーは鬼越トマホークチームが勝利した。

NSC15期15周年記念公演
途中参加した横澤夏子とハイタッチするカナメストーン(写真中央)

ふたつ目のコーナーは「以心伝心!答えを合わせましょう」。「コンビニといえば?」「スポーツドリンクといえば」などのお題で、5人が同じ回答を目指す。

このコーナーも結果は同点だったが、「ドラえもんの道具といえば?」というお題で、4人目まで回答がそろっていたのに、5人目がボケて失敗というセオリーを破り、4人目のタクトOK!!が全力でボケた鬼越トマホークチームが、「新しいお笑いを見せてもらった」という理由で勝利した。

続いては「斎藤さんにハマれ!モノボケバトル」。トレンディエンジェル斎藤司にハマる、ちょうどいいラインのモノボケを披露していく。

NSC15期15周年記念公演
「変態」をやる鬼越トマホーク・金ちゃん
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『サザエさん』のキャラクターのモノマネをするTEAM近藤

先行の鬼越トマホークチームは、それぞれが渾身のモノボケを披露し、10ポイントを獲得。後攻のデニスチームは、途中、観客が笑いすぎているんじゃないか?という疑惑も入ったが、最終的に11ポイントを獲得して勝利した。さらに斎藤の判断で、ニューヨーク嶋佐和也の「俺が!懐中電灯チャンピオンだ!」というギャグがMVPに選ばれた。

NSC15期15周年記念公演
懐中電灯チャンピオン

15年で変わったメンバーは?

そして時代は2025年に戻り、ニューヨークがMCに変わってトークコーナーへ。出演者が選んだ「15年で変わった人・変わってない人」をランキング形式で紹介していく。

変わった人は1位が横澤夏子、2位がマテンロウ・大トニー、3位が現在は沖縄で牧場を営むTOKUという結果に。2位の大トニーについては相方のアントニーが、デビュー当時は、先輩芸人にも噛みつくほどトガりまくっていたが、地球上で一番丸くなったと明かした。

1位の横澤は現在、とにかくでかい家に住んでいるそうで、デニス松下宣夫が家族で遊びに行った際には、元気に横澤の家の中を走り回る娘の姿に驚いたという。さらに、いぬのふたりが楽屋でケンカをしていると、その様子を見て横澤が、「まだそんなことでケンカできるなんてうらやましい」と、青春時代を思い出して泣いたというエピソードも語られた。

NSC15期15周年記念公演

また、ランクインはしなかったが嶋佐に入れたというカナメストーンの零士。ニューヨークを結成する前、ライガーのネタをやっていたが「NSCで一番スベッてた」という。嶋佐はウケていた記憶だったというが、「みんな憐れんで笑ってただけ」と、15年の時を経て真実が明かされた。

NSC15期15周年記念公演

そして、変わってないは1位はTEAM近藤、2位はおかずクラブ・オカリナ、3位は鬼越トマホーク・良ちゃんという結果。当時を振り返る中で、「コンパで女性を巡って、良ちゃんが嶋佐を殴った」「オカリナといぬ太田(隆司)がよく裸で相撲をしていた」など、若さゆえのエピソードが次々と飛び出した。

1位に選ばれたTEAM近藤について、同期も近年、何をしているのかわからないということで、ここ1年の活動を振り返ることに。2024年4月から、本腰を入れて『R-1グランプリ』を目指し始めたTEAM近藤の1年間は、結果的に『R-1』は2回戦で終わってしまったが、最後は「勝つ!!! このままじゃ終われない!!」のひと言で終わっており、これには全員がエールを込めて拍手を送った。

NSC15期15周年記念公演
TEAM近藤の一年
NSC15期15周年記念公演

そして、次は会場を小さくして、またやりましょうと約束し、終演した。

15期ってどんな期?

15年目で同期ライブをやるってあんまりないので、仲はいいですね。ただ、人気はないです。テレビで活躍してる人も多いんですけど、人気じゃないんですよね。ひとつ下の16期、大阪の33期とかはマユリカや霜降り明星とかがいて、人気なんですけどそっち側なんですけど。今回のライブでも人気ないなっていうのが、客席を見てわかると思います。(鬼越トマホーク・金ちゃん)

一番平和な期だと思います。バチバチしてないし、みんなが仲いいので、僕はこの期でよかったなと思います。売れてる人もたくさんいるんですけど、みんながずっとNSCのときのような感覚のままなので、天狗になるような人もいなくて。(Everybody・タクトOK!!)

賞レースで結果を出してる芸人もいれば、そうじゃない売れ方をしてる人もいっぱいいて。僕も今、ミュージカルの稽古をしているんですけど、タレントの輩出量は一番多いんじゃないかと思います。本当にいろんなタイプの人がいるので僕は勝手に「彩の15期」って呼んでます。(西村ヒロチョ)

ライブを振り返って(MC・ニューヨーク)

──本日のライブを振り返っていかがでしたか。

嶋佐 やっぱ同期はいいものだなと思いましたね。僕らの期は、みんな各々の立ち回りで15年がんばっているので。

屋敷 15年やってるって冷静に考えたら、やっぱちょっとエモいっすね。僕らの代は『M-1グランプリ』ラストイヤーってことなので。

嶋佐 集まるたびにこれだけの人数がまだやってるっていうのがすごいなと思います。今日は本当に特殊なライブでしたけどね。1年目っていうか、デビュー当時みたいな感覚になりました。

屋敷 1年目のときから、まとまりは悪かったなっていうのを思い出しました。

嶋佐 本当に人気ないんですよ、僕ら。みんなメディアとかでそれぞれがんばってるんですけど、やっぱり吉本って劇場が好きなお客さんの層がすごいいるんです。僕らは本当にそういう人たちに一切好かれずに、15年きました。

屋敷 仲いいだけでチームワークは別にないんで、15期のわちゃわちゃしてる感じが好きっていうお客さんも本当にひとりもいなかった。

嶋佐 お笑いファンに本当に刺さらない。

屋敷 金にならん仲の良さというかね。今日もビビりましたよね、楽屋でのうるささ。あんな期ほかにないと思いますよ。

嶋佐 ケンカも一切したことない。

屋敷 みんな人気ないから、それで仲いいのかもね。ハコ推しを一切してこなかったから。特殊な期ですよ。

NSC15期15周年記念公演
NSC15期15周年記念公演
公演前はひとつの楽屋に集まって話していた出演者

『NSC15期15周年記念公演 ~芸歴を重ね落ち着いてきた芸人たちが2010年の∞ホールのように初心に帰って芸歴1年目として全力でお笑いと向き合うライブin池袋ブリリアホール~』
オンラインチケット:1,500円(税込)
※販売は4月3日(木)12:00まで
※見逃し視聴は4月3日(木)23:59まで
詳細はこちら

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梅山織愛

(うめやま・おりちか)1997年生まれ。珍しい名前ってよく言われます。編集者・ライター。自他共に認めるミーハー。チョコレートとかき氷が好き。

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