写真を撮ることにこだわりを持つアーティストや俳優による連載「QJカメラ部」。
土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森田美勇人が担当。2021年11月に自身の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
あのときの私のように…
第143回。
初めて自分のCDを作った。
デザインはSIKIのロゴや私のさまざまなアートワークを手がけるHIROYA KADONOが製作。
盤面のデザインは森田が担当して。と任されたため、試行錯誤を繰り返しながらなんとか円に沿ったタイトル文字を考えた。
今までは手書きでアナログなデザインしかしておらず、正式なグラフィックデザインは初めてだったため、変な気合いが入り完成には丸3日かかった。
僕の音楽プロデューサーであるSPENSRには、格ゲー(格闘ゲーム)みたいなロゴだね。と褒められたのかよくわからない感想をもらったが、自分としては苦労したロゴでまあ気に入っている。
SIKIというシンプルかつ異様なテーマで過ごした2024年を締めくくる作品としてお気に入りの一枚になった。
まったく意識はしてなかったが、自分が初めて買ったCD、Jason Mrazの「WE SING. WE DANCE. WE STEAL THINGS.」と親和性の高い仕上がりとなったのをのちに感じて、改めて自分の潜在意識を働かせてものづくりができたんだなぁとうれしくなった。
願うことはないが、あのときの私の気持ちのように誰かがこのCDを手に取ってくれることがあればなんて幸せだろう。
そんな妄想を広げながら今夜は眠ろうと思う。


NAOYA(ONE N’ ONLY)、セントチヒロ・チッチ、工藤遥、RUI・TAIKI・KANON(BMSG TRAINEE)、森田美勇人、蒼井嵐樹が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
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