LAPONEグループ所属のJO1、INI、DXTEEN、ME:I、IS:SUEが集結した合同ライブ『LAPOSTA 2025 Supported by docomo』が、1月31日、2月1日、2日の3日間にわたり、東京ドームにて行われた。
本稿ではボーイズグループのJO1、INI、DXTEENにフォーカスした、2月2日公演を中心にしたレポートをお届けする。
目次
JO1リーダーがフェンファンにバックハグ!?オープニングから抜群のわちゃわちゃ感!
『LAPOSTA』が開催されるのは、今回で3回目。これまではJO1、INI、DXTEENの3組で行ってきたが、『LAPOSTA 2025』ではガールズグループのME:I、IS:SUEが初めて加わり、さらに東京ドームという大舞台となったことで、新たなムードが漂っていた。また、ライブ中には先輩であるボーイズグループ3組が、頼もしくリードする瞬間が多く見られた。
5隻の船が大航海に出るようなオープニングムービーが流れ、まずは各グループが1曲ずつパフォーマンス。與那城奨(JO1)は「こんなに素敵な後輩に恵まれて、素敵なみんなとライブができて本当にうれしく思っています」としみじみ語り、木村柾哉(INI)は「この日のために5グループみんなで一生懸命準備してきました。INIも会場をいっぱい盛り上げられるようがんばります!」と意気込みを見せる。
そして昨年発表された『LAPOSTA』のテーマソング「LOVE ALL STAR」をJO1、INI、DXTEENが一緒に歌い、與那城が許豊凡(INI)にバックハグをするなど、わちゃわちゃと仲睦まじげな絡みを繰り広げた。
爪痕を残そう!という気迫を感じたDXTEEN
前半では、グループごとのステージが展開されていく。フレッシュさが持ち味のDXTEENは「Snowin’」や「Good Vibes」で爽やかなステージを届けつつ、リーダーの谷口太一が振り付け制作に参加した「Handle」では、荒々しいパフォーマンスも披露。堂々と観客を煽る姿や、ここぞというパートで爪痕を残そうとする姿勢に、先輩グループにも負けない気迫と引き出しの多さを感じる。
自己紹介では、実家が寺の寺尾香信が「あなたの心に南無阿弥陀仏!」というキャッチーなフレーズでアピール。なお平本健は鮮やかな蛍光グリーン、谷口がブルーをポイントで入れたブロンドと派手色ヘアにチェンジして、観客を驚かせていた。
多彩な武器を見せつけたINI
ME:Iがディズニー映画『モアナと伝説の海2』の日本版エンドソング「ビヨンド〜越えてゆこう〜」で場内を壮大なムードに引き込んだ直後、INIは野球の試合で使用されるベンチから現れて観客のド肝を抜き、会場の雰囲気を一変。
ヒップホップムード全開の「MORE」を熱量たっぷりに届け、「Drop」では、藤牧京介と尾崎匠海が背中合わせで響かせた高音ボーカルに大歓声が起こる。さらに「WMDA(Where My Drums At)」では炎が噴き上がり、神々しささえ漂わせて観客を圧倒していく。
激しいダンス、パワフルで突き刺すようなボーカル、クールなラップ、巧みな表情の変化と、一曲の中でさまざまな色を見せられることがINIの強み。デビューから3年を経てさまざまな経験を積んできたことで、さらにいろいろな武器を手に入れたのだと感じた。
王者の風格を漂わせていたJO1
ブルーのレーサージャケットを羽織ったINIメンバーがひとりずつ鏡扉に入ると、入れ替わりで真っ赤な衣装に身を包んだJO1がお目見え。結成6年目に突入し、LAPONEの歴史を自分たちの手で築いてきたJO1は、王者の風格を漂わせていた。
セットリストの前半は「ICY」「Phobia」と、儚く上品なJO1の真骨頂ともいえる2曲。「ICY」では木全翔也と川西拓実が涙を流すようなキリングパートで観客の視線を引き込み、白岩瑠姫は手袋を噛んで割れんばかりの悲鳴を起こす。
そして、2024年末に『NHK紅白歌合戦』『日本レコード大賞』でも披露したアッパーチューン「Love seeker」では、観客から大きなかけ声が。最後はセンターの円形ステージで回りながら、「JOin us!!」でハッピーなバイブスを全開に。まったく異なる色の楽曲をセットリストに組み込み、それぞれでJO1の色をしっかりと見せた。
JO1、INI、ME:Iの3組が楽曲をスイッチした“レアな時間”
後半戦は、『LAPOSTA』でしか見られない貴重なコラボステージの嵐。まずはJO1、INI、ME:Iの3組が楽曲をスイッチ。INIはME:Iの「Click」を全力でキュートに踊り、ダンスブレイクでは西洸人がセンターを務めてキレのいい動きで魅了。ガールズグループのダンスを得意とする木村柾哉は、特に生き生きとしなやかに踊り切っていた。
そしてJO1は、ME:Iの「Cookie Party」をパフォーマンス。全員がかわいさ全開で歌い踊る中でも、特に白岩瑠姫が声色まで調整して、コンセプトを完璧に自分のものにしている姿が印象的だった。合いの手でたまに混ざる威勢のいい声はしっかりとJO1印で、観客は笑顔に。グループ全員で女性グループの楽曲を披露する機会は滅多にないだけに、観客は『LAPOSTA』ならではのレアな時間を堪能した。
見せ場ばかりのシャッフルユニット
各グループのメンバーをシャッフルしたユニットステージは、與那城、木村、谷口、MOMONA(ME:I)、NANO(IS:SUE)のリーダー5人が、JO1「GrandMaster」を堂々とパフォーマンスして火蓋を切る。ここから男性陣は3組、女性陣は2組に分かれ、『LAPOSTA』でしか見られない組み合わせのステージが展開されていった。
シャッフルユニットのコーナーでは、限られた練習時間で作り上げたとは思えないほど、息の合ったステージが続出。また自分のグループの楽曲を披露する際も、普段とは違うパートを担当するメンバーが多く、瞬きするヒマもない。
「Pearl Grace(與那城、白岩、木全、大平祥生/JO1、後藤威尊、佐野雄大、田島将吾、藤牧/INI、大久保波留、福田歩汰/DXTEEN)」と名づけられたグループは、DXTEEN「Brand New Day」とJO1「SuperCali」を披露。「SuperCali」では魔法陣のような難度の高いフォーメーションを10人が見事に作り上げ、原曲では佐藤景瑚がリフトされるパートを、白岩が務めていたことが新鮮だった。
川尻蓮、金城碧海、豆原一成/JO1、木村、尾崎、西/INI、寺尾、田中笑太郎/DXTEENからなる「Diamond Brilliance」は、JO1「Trigger」とINI「10 THINGS」をパフォーマンス。「Trigger」では田中がイントロで荒々しく煽り、西は歌い出しで川西が繰り出すおなじみのフレーズ「楽しめよ?」をなぞってリスペクトを漂わせる。また「10 THINGS」では、デビュー前から親交が深い川尻と木村が肩を抱き合って歌い、観客を沸かせた。
そして「Ruby Flame(河野純喜、川西、鶴房汐恩/JO1、池﨑理人、許豊凡、髙塚大夢、松田迅/INI、谷口、平本/DXTEEN)は、INI「LOUD」と「BOMBARDA」を披露。「BOMBARDA」は谷口の低音キリングパート、河野のロングトーン、声を荒げ叫ぶ松田など迫力たっぷりの瞬間が続き、池﨑の「全員出てこいよー!」というひと言で、出演者全員が集合。力強くダンスを繰り広げた。
ナイナイ岡村隆史がサプライズ登場!
最後は豪華なパレードのように、全員がフロートやトロッコで会場全体に散らばって、各グループの楽曲をメドレーで披露。與那城は「3日間、本当に夢のような時間でした。こうして東京ドームで5グループでパフォーマンスできることは当たり前ではなく、ファンの皆さまのおかげでここまでやって来られました」と、感謝を伝えた。
アンコールでは、『PRODUCE 101 JAPAN』で国民プロデューサー代表を務めたナインティナインがサプライズで登場。この日の公演にたびたび乱入していた『LAPOSTA 2025』の公式キャラクター・シャチョーの着ぐるみの正体が岡村隆史であったことが明かされ、観客を驚かせた。最後は再度全員が集結。ME:IとIS:SUEの歌も加わったバージョンの「LOVE ALL STAR」を歌い、3日間の祭典が締めくくられた。
改めて感じた“スターの集合体”
公演を通じてLAPONEアーティストの共通項として感じたのは、ひとり残らず“全力”だということ。筆者は全公演を観賞したが、回を重ねるごとに変化を感じ、成長への貪欲さがひしひしと伝わってきた。カバーを披露する際でも笑いに振るような瞬間は一瞬もなく、全員が原曲のグループに敬意を持ちながら、自分のパートとして昇華しようとする姿勢が強く印象に残った。
そして最初に書いたとおり、先輩である3グループは、初参加のME:IとIS:SUEに積極的にコメントを振るなど、頼もしい先輩ぶりを随所で見せていた。特に川西は、最後のコメントでME:Iに「『ゆらゆらミラージュ』もう1回見たい!」とリクエストしたり、IS:SUEの楽曲のフレーズをもじって「君は君!誰なのだ?」と振り、NANOから「NANOなのだ!」と引き出すなど、積極的に温かいムードを作り出していた。
なおJO1とINIのメンバー22人は、『LAPOSTA 2025』の期間中、東京ドームの周辺会場にて初の個人公演を開催した。LAPONE所属グループはオーディション番組を経て結成されているだけに、元会社員、学生、練習生、元ダンサー、元アイドルなど、メンバーそれぞれがまったく異なるバックグラウンドを持つことも特徴のひとつだ。
それゆえに各公演では、メンバーそれぞれの個性が爆発。楽器演奏を披露したり、バンドをバックに歌ったり、ビンゴ大会をしたり、制作したアート作品を展示したり……各々が自由な発想で自分らしい公演を作り上げることで、自身の魅力をさらに高めたに違いない。
東京ドーム公演のJO1とINIのステージでは、さまざまなフィールドからやってきたスターの集合体という感覚を、今まで以上に感じた(本当はライブレポートの中で全員について詳しく綴りたかったほど、それぞれのパフォーマンスにグッとくる瞬間があった)。
さらに『LAPOSTA 2025』では東京ドームでのライブに留まらず、周辺の東京ドームシティ一帯で大規模なコラボが1週間にわたり行われた。アトラクションやバッティングコーナーとのコラボ、衣装展、43人の等身大パネルの展示など一帯がLAPONE一色に染まり、コラボフードを販売する店舗には平日でも行列が絶えなかった。
職業柄、東京ドームには足を運ぶ機会が多い筆者だが、これまでに見たことがない賑わいに驚き、エンタテインメント界においてLAPONEアーティストの人気が高まり続けていることを肌で感じた。
アーティストも事務所も、大きな経験値を積む機会となったであろう『LAPOSTA 2025』。今後もLAPONE所属グループがエンタメ界にさまざまな風を吹かせてくれることが、とても楽しみだ。