今の時代に「時代劇」が持つ無限の可能性について

2020.3.23

これからの時代劇の可能性

これまでの時代劇ドラマのヒット作を思い返すと、タイムスリップものは多い。たとえば『JIN−仁−』は、TBSの「日曜劇場」で2009年と2011年の二度にわたって放送されたほか、韓国でも2012年にリメイクされ、フュージョン時代劇(時代背景のみを生かしつつ、ほぼフィクションとして描かれる時代劇)ブームを呼んだことだってあるのだ。

ほかのタイムトリップものとしては、日本では映画『本能寺ホテル』や2014年のドラマ『信長協奏曲』(フジテレビ)、古くは『戦国自衛隊』もあったし、近年であれば2018年のNHKのドラマ『アシガール』も愛された。

※ 写真はイメージです

時代劇に描かれる物語にも今の時代にフィットしたものがあるのではないか。たとえば、お互いに互角の実力を持った剣士ふたりのライバルであり同士でもあるような関係性は、昨今の刑事や探偵のバディもののようにしてうまく時代劇に持ってくればいいのではないかなどと考えると、可能性は無限にあるような気がしてくるのだった。

そんなことを考えていたところ、先週は時代劇のニュースがふたつも報じられた。ひとつは、岡田健史・本郷奏多が主演の『大江戸もののけ物語』(NHK BSプレミアム)。この作品は、人情時代劇×妖怪ファンタジー×バディードラマとうたわれている。現代の人気若手俳優ふたりが相棒を演じ、またアクションが見られるとなれば期待は大きい。

また、千葉雄大・伊藤沙莉が出演の『いいね!光源氏くん』(NHKよるドラ)は、人気コミックが原作で、平安貴族・光源氏が現代にやってくるタイムトリップものである。こちらは、厳密には時代劇とは言えないかもしれないが、ファンタジーでラブコメでタイムトリップものというところが『アシガール』(NHK 土曜時代ドラマ)に重なるものがある。

こう考えると、時代劇の可能性はむしろ無限大なのではないか。個人的には、日本には優れたアクション監督も続々と現れているのだから、若手俳優とベテラン俳優とが入り混じった本格的なチャンバラがテレビ時代劇で制作されることを期待している。

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西森路代

(にしもり・みちよ)1972年、愛媛県生まれ。ライター。大学卒業後、地元テレビ局に勤務の後、30歳で上京。派遣社員、編集プロダクション勤務、ラジオディレクターを経てフリーランスに。香港、台湾、韓国と日本のエンターテイメントについて、女性の消費活動について主に執筆している。

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