マセキ芸能社のお笑いコンビ・ひつじねいりのツッコミ担当・松村祥維。最近ではストレッチーズ高木貫太、サツマカワRPGと組んだ即席トリオ「トゥリオ」として『キングオブコント2024』予選で話題を集めるなど、今まさに波に乗っている若手芸人だ。しかし、あまりにも嘘みたいな関西弁を操る彼はお笑いファンの間で「こんなコテコテの関西人は実在しないのでは？」と疑われることもしばしば。

そんな超ド級の関西人である松村に、東京都内最先端のおしゃれスポットを案内してもらった。

『Quick Japan』のコンセプト「Dive to Passion」にちなんで、「私だけが知っているアツいもの」について綴るコラム企画「DtP」。

大都会トーキョーシティサイクリングｉｎ麻布十番

　これが東京でっせシティ麻布十番。ゴリゴリの大阪人から見た麻布十番の紹介、聞いてもろてええ？　

　うちが住んでる中野から、ノー電動の元祖ママチャリで事務所がある赤羽橋までいつも行くねん。全然遠ないよ、片道45分くらい。そんときいつも麻布十番、通らしてもろててね。視界パンパンに東京を見してもらえる街で刺激なんのよ～。もう高い犬と高い車見たかったらここやな。「近くて遠い国」みたいな「小さくて高い犬」がぎょうさん前から来て、うしろからフェラーリ来て挟まれたことあったわ。総額８千万くらいのえげつない挟殺プレー。すぐ「アウトにしてくれ」言うて足止めたもん。

　ハイブランドのブティックっちゅうんですか？　そこのマネキンが豹柄のズボン履いてはったけど、大阪のそれと比べもんならん。あれ大阪のおばちゃんが履いたら頭まで被れる寝袋よ。あと、７分にいっぺんはえげつない美人と会える。あれなに？　街のブランド高めるために行政が派遣してきてはんのかな？　あと短パンワイヤレスイヤホンハンズフリー打ち合わせ通話男ね。絶対仲よくなられへん。電話っちゅうのは受話器をしっかり耳につけてやな！　相手の言葉を脳みそに直接叩き込まんかえ！　なんでもかんでも綿密に打ち合わせしてどないすね！　アドリブ利くんけ!?

　紳士淑女らは、井上尚弥がKO決めにいくときの手数くらい、あちこちで茶しばいてはる。会話はだいたい「うちこんな店知ってまんで～」のマウントやろ？　いっぺんでええからそこ参加して全部知ってるフリして十番マダムにかましたい。

　たまたま骨董市やってて見てんけど、全部買うたらそらもうオードリー・ヘップバーンやでセットが一角に売ってた。麻布十番はヘップバーン似合うもんなぁ～。そんで千円するソフトクリームも食べてん。ソフトクリームの人生最高額更新。うんまかった。高いから旨いねん。二郎のもやしくらい、クリームの上にモンブランマシマシでかけてくれはった。あとあれなんや！　リラクゼーションの店の数と間隔どないなっとんねん！　ずっとどっか揉んでくるぞこの街！　全部入って街抜けたら角煮みたいに箸だけで全身ほぐれてまうがな！

　たぶん、麻布十番の人らってうちのこと見えてへんやろなぁ～。はよ売れよ。

■松村祥維（ひつじねいり）
（まつむら・よしつな）1988年生まれ、大阪府東大阪市出身。お笑いコンビ・ひつじねいりのツッコミ担当。
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