福井俊太郎(GAG)による連載「指が輝いてる人はピザ食べた人」。総武線沿線の旨いグルメを、福井お得意の“決めつけ”を挟み込みながら紹介していく決めつけグルメ連載だ。今回降り立つのは千駄ケ谷駅。新宿御苑に隣接した上品な街というイメージがあるが、芸人にとっては“ストロングお笑い番組”の収録スタジオがそびえ立つ修羅の街らしい。その日収録で気落ちした福井は、吉本興業の敏腕マネージャー両國氏に連れられて絶品ラーメン屋を訪れる。そこで福井の傷口を優しく埋めてくれたものとはいったい。王道グルメ漫画よろしく、涙なしには語れない感動の指輝12回目をどうぞ。
千駄ケ谷駅の改札口を数えたことがあるか
どうもぉ私は自分を戒めました、、あのグリーンマイルを観た日のように、、というのも、、総武線の千駄ヶ谷駅は何度か仕事で利用させて頂いてまして、、印象としては、、とても美しく立派な駅、、なんですよね、、駅を出たらすぐ東京体育館があり、、その少し先には国立競技場がドンと構えている、、想像するだけで大きくて迫力ある街だと理解できると思います、、
ただいつも違和感がありまして、、いつどんな状況で駅を利用しても、、シラフだろうが酔っ払っていようが、、どう駅構内を適当に歩いても、、同じ改札を出て同じ改札に戻ってくる、、「これ今タイムループしてない?」と不安になるんですよね、、なので先日、、痺れを切らせて、、【千駄ヶ谷 改札】、、で調べてみると、、やはり、、
改札1個しかなかったんですよぉぉぉ(低くねっとりした声で)、、
先入観の怖さ、、立派な駅だから複数の改札があるはずだと決めつけていた安易な発想、、大学生の頃にパーマとか適当にあてながら「映画なんて大体2時間っしょ」と軽い気持ちで見始めたら3時間以上あってその日やろうとしてたお布団のシーツの洗濯の予定が狂った、、グリーンマイル、、を思い出したんですよね、、あのグリーンマイルを観た日、、良くない決めつけには気をつけよう、、とダボっとしたズボンを腰パンして革のバングルを手首に巻きながら誓ったはずのに、、あれから20年経ち、、もう一度千駄ヶ谷に引き締められましたね、、
それでは、、恒例の、、OPV(オープニングVTR)の代わりとなるOGP(オープニンググルメピクチャー)を、、嘉門達夫さんの「ハンバーガーショップ」が流れているイメージでどうぞ!
♪ハンバーガーショップ ハンバーガーショップ 熱い戦い ハンバーガーショップ♪
皆様は、、モスプレミアム、、の存在をご存知でしたか?、、私は、、教養のなさを恥ずべきです、、全く知りませんでした、、
今回の指輝取材の為に、、千駄ヶ谷の街に降り立ち、、夏の日差しをダイレクトに受けながら、、蜃気楼なのか熱中症なのか目の前がボヤけている状態で、、グルメ探索をしていると、、お?何やらハンバーガー屋っぽいぞ、、とお店の前で立ち止まったら、、看板にアルファベットで、、MOS PREMIUM、、と書いてあり「へぇ、、モスバーガーがあるのに、ハンバーガー店の名前でMOSに被してくるって、気合い入ってんじゃん」と地元の不良の先輩が不良の後輩を認めた時みたいな台詞を唱え、、お得意のネットグルメサーフィンで調べると、、【モスバーガーがプロデュースするグルメバーガーとクラフトビールのお店】というパンチラインを目にしたので、、居ても立っても居られず即入店、、そして、、勢いに任せて、、1750円のぉぉぉ!!!
和牛バーガーシャリビアンソースを召喚ぅぅぅ(低くねっとりした声で)
昼から贅沢してもうたぁぁぁぁぁぁでもそれに見合うくらい和牛とシャリアピンソースが旨いぃぃぃぃ(低くねっとりした声で)
なんやったらシャリビアンソースが少し付いてしまったフライドポテトすら主役級に躍り出てるぅぅぅ(低くねっとりした声で)
ハアハアハア、、実は、、もう一つ、、ネットに書いてあったグルメパンチラインが心に残ってまして、、それは、、【日本で2店舗だけ】、、です、、この特別感は効きますよね、、情報も調味料、、それが指輝スタイルですから、、
♪ハンバーガーショップ ハンバーガーショップ 熱い戦い ハンバガーガーショップ♪
涙を呑みながら、傷口に背脂を
千駄ヶ谷は、、緑が多くて住みやすく治安が良い街、、というのが一般的なイメージのようです、、確かに街を歩いてみると、、洗練された人々がお手入れの行き届いたワンちゃんや車と共に優雅な生活を送られている、、そんな印象を受けます、、
ただ私にとっての千駄ヶ谷はまた違う顔を持っていて、、それは、、ABEMA『チャンスの時間』へ向かう修羅の道、、なんですよね、、多分、、いや、、間違いなく、、お笑い芸人で総武線ユーザーは全員が私と同じ印象を持っているはずです、、ギュンギュンに尖った最前線のお笑いコロシアムへ繋がる駅だと、、あえて戦場と言わずコロシアムと称したのはABEMAの建物に闘技場感が強いからです、、
誰がどう見てもコロシアムの様相、、お笑いをやる場所とは思えない、、あれは人が殴り合う場所だよっ、、あのコロシアムへ出向けば(心が)生きて帰って来れるかわからないぃ、、でも行くしかねえっ、、もう立ち止まる事はできねえっ、、、、、ええいままよっっ!!、、そう、、千駄ヶ谷は芸人にとって「ええいままよ」の街、、
あれは一年前、、チャンスの時間の収録終わりでした、、GAGのマネージャー両國氏とトボトボ歩いてたら、、
福井「いやぁなかなかうまくいかないですねぇ、、」
両國氏「全然良かったと思いますよ!」
福井「、、いやぁあれじゃダメっすね」
両國氏「面白かったですよ!後は場数ですよ!」
(2人無言で数秒歩く)
両國氏「福井さん!ホープ軒ってご存知ですか?」
福井「、、あぁ背脂系の老舗ラーメン屋さんですかね、、」
両國氏「僕よく行くんですけど!すぐ近くにその店あるんですよ!」
福井「、、へぇ、、」
両國氏「僕昨日から行こうかなと思ってましてっ!」
福井「あぁ、、じゃあ、、行きますか?」
両國氏「是非っ!なんかよく寄っちゃうんですよねぇ!ここですここ!」
福井「(うつむいている)」
そして、、券売機を押して待つこと1分、、
両國氏「良いっすねぇ!いただきますっ!」
福井「、、いただきます、、(麺を)ズルズルズルズル、、(缶ビールを)ゴクゴクゴクゴク、、」
福井心の声「嗚呼ぁぁ旨いぃぃぃぃこの麺めっちゃ旨いぃぃスープもしょっぱめで体が生き返るぅありがとう両國氏ぃ俺明日からまた頑張れそうぅぅぅぅそりゃ人生良い事もあれば悪い事もあるよなぁぁぁぁ」
両國氏「やっぱ旨いっすねぇ!ここのラーメンは力湧きますよね!明日からも頑張りましょう!」
福井「(少し涙ぐみメガネを曇らせながら)はいっ」
いやこの一連の流れは全くグルメ漫画のやり口ぃぃぃぃぃぃぃぃ(低くねっとりした声で)
両國氏の私への勇気づけ方は落ち込んだ同僚を美味しい店に連れて行って奮起させるグルメ漫画の王道のパターンぅぅぅぅ(低くねっとりした声で)
なんだったらもうクッキングパパで全く同じシーンあったかもしれないぃぃ荒岩さんが仕事でミスした田中さんを励ますみたいな回があってもおかしくはないぃぃ(低くねっとりした声で)
背脂って傷ついた心に効くんですよねぇぇ背脂の一粒ずつがお薬の錠剤に見えてくるほどにぃぃぃ(低くねっとりした声で)
まだまだあります千駄ヶ谷グルメ
あれ以降、、チャンスの時間終わりは、、おまじないのように必ずホープ軒へ伺うようになりました、、最後にそんな思い出が詰まった千駄ヶ谷編の【おまけ指輝】をどうぞ、、
せっかくなら別日に飛び込みでもう1軒チャレンジしてみようとグルメハイ状態になりまして、、行くあても決めずにひたすら舌と胃袋に従って散歩していると、、指輝アンテナに引っかかるお店が、、
一旦、、階段を降りてみると、、
丁寧な定食写真に説明文、、スープを大切にしているお店なのか、、これは間違いなさそうだ、、迷わず即入店、、注文したのは、、
国産若鳥のソテー(イタリア風)と豚汁ぅぅぅそしてやはり勘は間違っていなかった激旨旨ぁぁぁ(低くねっとりした声で)
全部の料理の仕事が丁寧だしぃぃぃデザートのカントリーマアムも嬉しいしぃぃぃ(低くねっとりした声で)
どうやら後で調べたら、、千駄ヶ谷で約80年の歴史を持つ松田建設工業さんの地下を改修して、、地域に開いた社食スペースを造られたとの事で、、日々、、松田建設の社員さんや地域住民に親しまれており、、街に元気を届けるお店を目指されているようです、、
いやこういう素晴らしい話もグルメ漫画でありそうぅぅ(低くねっとりした声で)
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発売日:2024年7月7日(日)
価格:2,500円+税
仕様:B5判/80ページ
販売:QJストア、全国のよしもと劇場、テレ玉家
発行:太田出版
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