「前髪のボリューム感の再現と、衣装の胸元がきれいに開くよう調整」『うる星やつら』クラマ姫に扮したコスプレイヤーに聞いた“こだわり”

2024.5.1
(左から)ロロさん、火狐礼斗さん、Shin`さん

文・撮影=ソムタム田井 編集=森田真規


世界最大規模のガレージキットの祭典として知られ、2月11日に開催された『ワンダーフェスティバル2024[冬]』で、話題のアニメのキャラクターに扮したレイヤーたちに“衣装やメイクに対するこだわりポイント”を聞いたレポートをお届けします。

コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”

コスプレイベントといえば会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも、参加する上での醍醐味のひとつ。2024年も全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。

そうしたイベントに興味はあるものの、まだ参加したことがないという方に向けて、本稿では今冬に行われた大型コスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。

こちらでピックアップするのは、世界最大規模のガレージキットの祭典として知られ、2月11日に開催された『ワンダーフェスティバル2024[冬]』に参加していたコスプレイヤーたち。

2024年4月30日の時点で興行収入は45億円を突破、観客動員数は269万人超えを記録するなど大ヒット中の映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』をはじめ、3月まで放送されていて好評を博した『葬送のフリーレン』、現在放送中の『ダンジョン飯』『うる星やつら』など、会場には人気アニメのキャラクターに扮したレイヤーが続々と集結。コスプレ衣装のままホール内を見て回り、フィギュアなどの商品を購入する姿も各所で見られた。

「バニースーツそのものは購入したものですが、ラインやフリルなどの装飾は自分で縫いつけました。袖やバニー耳、首のリボンなども、同じ質感の生地を用意して、自分で制作しています。頭部のリボンの飾りは100円ショップで購入した幅の違う2種類のリボンを使い、布用のハードスプレーをかけて硬化させました。『ガンダムSEED』のキャラはみんな目力が強いので、アイラインをしっかり引きつつ、つけまつげも2枚つけることで雰囲気を再現してみました。その上でかわいらしさも出したかったので、ベースメイク、アイシャドウ、チークはピンクを含んだカラーを使っています。それぞれがケンカしないようにバランスに気をつけたのもポイントです。リップもピンクをベースにしながら赤いティントを重ねて、色っぽさのある雰囲気にしてみました」(『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』ラクス・クライン/juncoさん)

『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』ラクス・クライン/juncoさん
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』ラクス・クライン/juncoさん

「エルフのキャラクターが大好きなので、思いきってコスプレに挑戦してみました。ウィッグは購入したものですが造形がいまいちだったので、かなりの時間をかけて手直ししました。特徴的なデザインの杖は主に100円ショップで買える素材を使い、自分で制作しています」(『ダンジョン飯』マルシル・ドナトー/ロロさん)

『ダンジョン飯』マルシル・ドナトー/ロロさん
『ダンジョン飯』マルシル・ドナトー/ロロさん

「フリーレンは髪型が特徴的なので、正面だけでなく左右やうしろ姿も描かれた資料を見ながらスタイリングをがんばりました。エルフの耳も、ピンクのチークを塗ってかわいく仕上げています。日本のコスプレイベントに参加するのは初めてで、参加するかどうか前日まで迷っていたんですけど、友達が誘ってくれたおかげで“エルフ併せ”も楽しめました!」(『葬送のフリーレン』フリーレン/イーヴさん)

『葬送のフリーレン』フリーレン/イーヴさん
『葬送のフリーレン』フリーレン/イーヴさん

「今回のコスプレでこだわったのはメイクとウィッグです。メイクはアウラのつり目とアンニュイな雰囲気を出せるように、何度も練習してこの形に仕上げました。ウィッグは顔まわりのボリューム感を出したかったので、内側にウィッグを追加で仕込んで、独特の丸みを出しています」(『葬送のフリーレン』断頭台のアウラ/火狐礼斗さん)

『葬送のフリーレン』断頭台のアウラ/火狐礼斗さん
『葬送のフリーレン』断頭台のアウラ/火狐礼斗さん

「一番のこだわりはウィッグの色味です。まずラムちゃんの髪色に近い色味のウィッグを購入して、そこから染料を使って独特のグラデーションを再現しました。蝶ネクタイや尻尾といったパーツは、衣装と合わせた際に映えるように、大きさや形にこだわって自作で用意しています」(『うる星やつら』ラム/chii*さん)

『うる星やつら』ラム/chii*さん
『うる星やつら』ラム/chii*さん

「こだわったポイントを挙げるとしたら、前髪のボリューム感の再現と、衣装の胸元がきれいに開くよう調整したところです。衣装の中にボーンを仕込んでいるので、どんなポーズを取っても“胸元の開き”が崩れないようになっています」(『うる星やつら』クラマ姫/Shin`さん)

『うる星やつら』クラマ姫/Shin`さん
『うる星やつら』クラマ姫/Shin`さん

QJWebでは4月以降も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、レポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。

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ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..

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