1月21日(日)、第7回『AUN~コンビ大喜利王決定戦~』(以下、AUN)が開催された。ふたりひと組で大喜利に答えるこの大会は、普通の大喜利にはない「コンビの協力によって生まれる回答」が見られるとあり、チケット即完売が続く人気イベントだ。
今回、出演したのは令和ロマン、きしたかの、こんにちパンクール(ぺるとも・警備員)、ナイチンゲールダンス、男性ブランコ、真空ジェシカ、ヨネダ2000といった豪華メンバー。そこに直前に開催された予選『AUN~新呼吸~』を勝ち抜いたフランツが加わり、トーナメント戦を行う。
第1回〜3回、5回と過去4度の優勝を果たしている絶対王者は真空ジェシカ。しかし前回、こんにちパンクールが『新呼吸』から駆け上がり優勝を果たした。こんにちパンクールが王座を守るのか、再び真空ジェシカが王座を奪還するのか、それとも別の誰かが初優勝を飾るのか。MCのバイク川崎バイクと奥森皐月が見守るなか、激戦が幕を開けた。
※『第7回AUN〜コンビ大喜利王決定戦〜』のアーカイブ視聴チケットは2月4日(日)20時まで販売中です
登場に時間をかけない?『AUN』らしからぬ幕開け
『AUN』では回答が2、1、0ポイントと、3段階で評価される。時間が限られている上、各チーム1答ずつと決まっているお題もあるため、会場を爆発させる回答を出し、なかなか出にくい「2ポイント」をいかに獲得するかが勝負のカギとなる。
第1試合は第2回大会以来、およそ3年ぶりの出場となる令和ロマン対初出場のきしたかの。登場に各コンビが趣向を凝らし、戦いが始まるまで時間がかかるのが『AUN』の特徴だが、ふた組ともかなりすんなりと席に着き、BKBが「25分かかることもあるのに」と驚く。
意気込みを聞かれ、「これに出るために『M-1グランプリ』っていう『新呼吸』みたいなやつに勝ってきた」と『M-1』を前哨戦扱いする令和ロマンの髙比良くるま。
序盤の「コンビ大喜利」ではタイミングがうまく合わず小競り合いを続けるきしたかの。『M-1』敗者復活戦を絡めた回答などで着実に点を重ねる令和ロマンが3点差をつけて、「前説大喜利」に突入する。お題に沿った前説で場を盛り上げ、「吉本興業は前説の会社」と言い放った令和ロマンがここで2ポイントを獲得して点差を広げ、最終的に11-7で勝利を収めた。シンキングタイム中、奥森いわく「キングオブ前説」であるBKBの前説に対するプライドが語られる場面も興味深いものだった。
第2試合は前回王者のこんにちパンクールと今回、予選『新呼吸』から勝ち上がってきたフランツ。前回の『新呼吸』決勝で惜しくも破れ、こんにちパンクールを見送る側となったフランツがリベンジを果たすチャンスでもある。
満身創痍で現れ、事情を知らないBKBを戸惑わせるこんにちパンクール警備員と、真空ジェシカの「言うとしたら僕」を使った回答で『新呼吸』を勝ち上がってきたフランツ。「おみくじ」にまつわるお題では「吉」に絡めた回答が続いたところで「大凶」を出したこんにちパンクールが2ポイントをゲット。8-8の激戦で折り返したが、「しりとり大喜利」で再び特定の人を思い浮かべさせる回答で2ポイントを得たこんにちパンクールが14-11で勝利。確実にポイントを重ねつつ、ここぞというところで流れを変えて2ポイントを叩き出すふたりの試合運びのうまさが光る勝利だった。
続く激戦、光る脳ヒーラー
第3試合は前回『新呼吸』で敗退も、「お笑いの結果がよかったから」今回はストレートで本選に上がってきたナイチンゲールダンスと完全に初参加の男性ブランコ。登場ではナイチンゲールダンス・中野なかるてぃんのボケを受けて男性ブランコ・平井まさあきがつなぎ、さらにMCふたりを巻き込んでいく。
「コンビ大喜利」では『M-1』の配信にまつわる回答で共感の拍手と2ポイントを得たナイチンゲールダンス。一方、男性ブランコは「Excelのような『寿』」を書いてしまったかと思えば、「剥ぐ」をすんなり書くという平井の書ける漢字偏り問題が勃発。うまくリズムに乗りきれなかった男性ブランコがナイチンゲールダンスに大量リードを許し折り返す。
続く「前説大喜利」ではそれぞれのコンビらしい前説でともに2ポイントを獲得したが、1題につき1答ずつしかできないため追いつくことが叶わず、10-5でナイチンゲールダンスが勝利。試合を振り返った平井が語るシンプルな敗因が味わい深い。
ここまでは比較的登場に時間を使わない対戦が続いたが、第4試合のヨネダ2000と真空ジェシカが完全にその流れを止める。
「サイバーマコちゃん」を披露するヨネダ2000・誠に対し、1月1日放送の『笑神様は突然に…』(日本テレビ)でふたつ購入した1台43万円する「脳ヒーラー」のひとつを持参してきた真空ジェシカ・川北茂澄。ヒーリング効果があるという光を観客に浴びせる。ふた組とも会場の花道を活用し、たっぷりと時間を使う。この時点でMCから「40分押し」であることが告げられるもふた組とも意に介さず、そこからしばらく、さまざまなパフォーマンスが行われる時間となった。
「しりとり大喜利」で真空ジェシカが出した回答と会場のウケ具合に、自分が知らないライブ界隈の事件を踏まえていると察知し、すかさず「これは誰かの?」と確認するBKB。『AUN』の傾向を熟知しているがゆえの振る舞いだ。それに応じて奥森が端的な解説を加える。
戦いは真空ジェシカの2点リードで「謝罪会見大喜利」に。実際の出来事を踏まえ、「言うとしたら僕」を織り交ぜた謝罪を披露した真空ジェシカが着実に勝ち抜いた。
同じ回答を書く令和ロマン、ジョイマンエピソード豊富な中野なかるてぃん
準決勝第1試合の令和ロマンと、こんにちパンクール戦のお題は、大会初となる「ランウェイ大喜利」。音楽が流れるなか、ノンストップで出るお題に交互に答え続ける。フリップを使わず、花道上で動きで表現しなくてはならないため、「一般人」のぺるともには不利かと思われたが、見事食らいつき同点。しかし、「サドンデスの時限爆弾大喜利」を令和ロマンが勝ち抜いた。判定に注目が集まったサドンデスだが、時間制限のあるなか、一答目を出したくるまと同じ単語を松井ケムリがフリップに書いていたところも、配信でぜひ確認してほしい。
準決勝第2試合のナイチンゲールダンス対真空ジェシカでは、こちらも初の「アフレコ大喜利」。ナイチンゲールダンスは『KOC』を踏まえた回答や自分の漫才導入を模した回答で、真空ジェシカはBKBが「余韻がすごい」と讃えた回答やまっすぐに強い回答でそれぞれ2ポイントを獲得し終盤まで競ったが、最終的には2点リードで真空ジェシカが勝利。なかるてぃんは2試合通してジョイマンのエピソードを3つ話し、去っていった。
トップバッターで決勝に勝ち進むという『M-1』を彷彿とさせる展開を見せた令和ロマンと、絶対王者真空ジェシカの決勝。決勝は恒例のシンプル大喜利対決。川北がさっそく1答目でかっこいい回答を見せ、いきなり2ポイントを獲得。互いに休みなく打ち合い続ける激戦を制したのはやはり川北の、ある芸人のネタを踏まえた2ポイントの回答だった。
倒しても倒しても再び立ち上がる真空ジェシカ。この勢いを次に止められるのは誰か、それともまた連覇が成し遂げられるのか、次回大会に期待したい。
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