JO1、『紅白』トップバッターで見せた4年間の経験。セブチ、ルセラ、星野源らにも“遠慮”しないパフォーマンスで会場を一体に

2024.1.3
JO1、『紅白』トップバッターで見せた4年間の経験。セブチ、ルセラ、星野源らにも“遠慮”しないパフォーマンスで会場を一体に

文=岸野恵加 編集=森田真規


2023年の大晦日に放送された『第74回NHK紅白歌合戦』で、白組トップバッターを任された11人組のグローバルボーイズグループ「JO1(ジェイオーワン)」。

2年連続2度目の『紅白』出場となった彼らは、SEVENTEENなど世界的なアーティストにも臆せずコミュニケーションを取り、2023年の同番組のテーマ「ボーダレス-超えてつながる大みそか-」を象徴するかのようなパフォーマンスを見せた。

JO1の2023年の活動を簡潔に振り返りながら、引っ張りだこだった『紅白』本番での活躍をレポートする。


活動の幅を広げた一年を象徴する曲「NEWSmile」

2022年に『NHK紅白歌合戦』のステージに初めて上がり、デビュー曲「無限大」を堂々とパフォーマンスしたJO1。2023年も勢いは止まらず、2回目のアリーナツアーに加え、初の単独ドーム公演とアジアツアーを成し遂げた。さらにメンバーが俳優として精力的にドラマ・映画に出演するなど、活動の幅をさらに広げた充実の一年だった。

初出場を果たすだけでも偉業といえる『紅白』だが、出場回数を重ねていくことのほうが、それ以上に難しいかもしれない。音楽界が激動を迎えるなかでJO1は連続出場を果たせるのか、誰もが確信を持てなかっただろう。そんななか、11月13日に発表された出場歌手一覧に並んだ「JO1(2)」の文字。JAM(JO1のファンネーム)は1年間のメンバーの努力と研鑽を称えて沸き立った。

JO1が2度目の『紅白』で披露したのは「NEWSmile」。『めざまし8』(フジテレビ)のテーマソングとして起用され、2023年4月から毎日、日本の朝を彩っている楽曲だ。幅広いテイストの楽曲を持つJO1は、年末にかけて出演した音楽特番のそれぞれで異なる曲を披露して、多彩な魅力を発揮。

『紅白』前日の12月30日に出演した『輝く!日本レコード大賞』(TBS)では、目まぐるしくフォーメーションがチェンジするキレのよい「Trigger」で圧倒していたが、「NEWSmile」はその対極にあるといってもいいくらい、メンバーのキュートで明るい面が際立つ楽曲である。

JO1|’NEWSmile’ Official MV

4年間の積み重ねが感じられたパフォーマンス

白組トップバッターを任されたJO1。『紅白』のトップバッターといえば、出演者全員がステージに集うなかでパフォーマンスを披露し、盛り上げることが期待される、とても重要な役割だ。

本編の直前に放送された『まもなく紅白!今年もすごいぞスペシャル2023』では、河野純喜が「実は去年よりも緊張しています。出演者のみなさん全員が見ていて、僕たちが流れを作らなきゃいけないので……」と心境を明かす。さらに川尻蓮は「スタッフさんからひと言『遠慮だけはするな』と言われました」と意味深な予告をしていたが、JO1のステージを観て「なるほど」と深くうなずいた。

番組がスタートすると、出演者が勢ぞろいしたなかで、まずは紅組トップバッターの新しい学校のリーダーズが真っ赤なセーラー服姿で「オトナブルー」を披露。JO1の11人も最後列でノリよく体を揺らし、見事なアイソレーションで“首振りダンス”を踊ってみせる。そしてバトンを受け取り、「会場をひとつにするエールソングです!」という司会の紹介に誘われて、いよいよ「NEWSmile」のイントロが流れ始めた。

横一列に並び、頭の上で元気よく手を叩いて、観客にハンドクラップを求めるJO1。歌い始めると出演者の間を通って階段を降りていく。ここからは豪華なコラボの連続。まずはメンバーの憧れの存在であるSEVENTEENとハイタッチを交わし、與那城奨と豆原一成がVERNONを囲む。VERNONは照れたように口元を手で隠していたが、やがてリズムに合わせて一緒に体を揺らした。

続いて鶴房汐恩と木全翔也のうしろには、BE:FIRSTの姿が。白岩瑠姫と大平祥生はHONG EUNCHAE(LE SSERAFIM)を囲んでかわいらしくポーズ。そして11人はステージ中央に進み、サビの“えくぼダンス”を笑顔いっぱいに届けていく。

そのあとも『紅白』ならではの豪華な絵面が続き、大平が星野源の肩に手を置くと星野はピースし、金城碧海と白岩は司会の有吉弘行、橋本環奈、浜辺美波と並んで踊る。それぞれ橋本、浜辺とハイタッチをしようと試みるも、タイミングが合わずに掲げた手は宙をさまよってしまい、金城と白岩ははにかんで苦笑い。そんなハプニングもご愛嬌だ。

2020年3月、世界中がコロナ禍に突入するタイミングでデビューしたJO1は、しばらく他アーティストと交流を深める機会を持てず、「僕たちは芸能界に友達がいないので……」と話している時期も長かった。しかし彼らが立った『紅白』のステージを見渡してみれば、そこかしこにJO1と縁がある面々が並んでいる。

佐藤景瑚、鶴房、與那城が囲んだ郷ひろみとは2021年に『FNS歌謡祭』(フジテレビ)でコラボし、そのあとに川西拓実が抱きついた濱家隆一(かまいたち)は、私生活でも一緒に酒を飲み交わす仲。そして楽曲提供を受けたStray Kidsや、雑誌の対談を機に河野がLINE友達になったという鈴木雅之、さらに與那城、大平、金城が映画『OUT』で共演した与田祐希(乃木坂46)の姿も。4年間さまざまな活動を積み重ね、JO1は確固たる存在感を確立してきたのだと、感慨深い思いが湧いてくる。

JO1は審査員席の近くに移動し、堺雅人や国枝慎吾と一緒にポーズを決めながら、最後のダンスパートへ。<ほら世界中に届いて New smile New smile>という歌詞のとおり、会場を笑顔で包み込む。普段は礼儀正しくシャイな彼らが、大御所にも“遠慮をせず”コミュニケーションをしてみせた。

最後は川西がセンターへ。2023年はさらに覇気が増したパフォーマンスで毎度話題を呼んだ彼のキレキレの動きも交えて、開幕にふさわしく場内をハッピーなオーラで包み込んだ。

2023年の『紅白』のテーマは、「ボーダレス-超えてつながる大みそか-」。JO1がまとっていた衣装は薄いピンク色のジャケットで、白にも紅にも染まらない、まさに「ボーダレス」を体現するものだった。腕には11人の絆の象徴である、おそろいのバングルが光っている。

『NEWSmile』は通常の音楽CDではなく、「CD GOODS」という日用品グッズにQRコードがつく斬新な形態でリリースされた、チャレンジングな作品だった。またメンバーの木全、河野、金城、與那城、大平が作詞に参加しており、自分自身が制作に携わった楽曲で出演を果たせたことは、より感慨深かったに違いない。

2度目の『紅白』を経て、さらなる躍進が期待される2024年のJO1

このほかJO1のメンバーは、坂本冬美「夜桜お七」のステージでBE:FIRSTとともに踊り、YOASOBI「アイドル」ではStray Kids、SEVENTEEN、NewJeans、MISAMOらそうそうたる面々と“アイドル”の魅力を体現。冒頭から終幕まで『紅白』の舞台に引っ張りだこだったが、初出場に歓喜していたころの初々しさはもはやなく、余裕と貫禄すら漂っていた。

2023年は初めて歓声ありの有観客ライブも経験し、やっと通常のアーティスト活動ができるようになった。JO1の紹介ではよく「ダンスのシンクロ率が高いグループ」という定型文が用いられるが、そこにとどまらず、彼らの魅力が幅広い層に届くタームに入ったことを強く感じたステージだった。

とはいえ、彼らの謙虚で親しみやすいムードは健在だ。年越しにまたがって移動車の中から行われたインスタライブでは、体育会系の部活かのように河野が「声張れ!」と盛り上げてワイワイとカウントダウンをし、木全が「あけおめのタイミング、日本にいなかったです。お尻を浮かせました!」といつもどおりに無邪気に語っていた。

12月中旬までJO1を輩出したオーディション番組の女性版である『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』が放送され、シリーズ最多の投票数が集まるなど、大きな盛り上がりを見せていたが、それもJO1が道を切り拓いてきたからこそだとしみじみ感じていた。パイオニアとして道なき道を行くJO1は、2024年、どんな姿を見せてくれるだろう。さらにボーダーを飛び越え、予想を飛び越える活躍で魅了してくれることに期待したい。


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岸野恵加

(きしの・けいか)ライター・編集者。ぴあでの勤務を経て『コミックナタリー』『音楽ナタリー』副編集長を務めたのち、フリーランスとして2023年に独立。音楽、マンガなどエンタメ領域を中心に取材・執筆を行っている。2児の母。インタビューZINE『meine』主宰。

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