神保町よしもと漫才劇場に所属するお笑い芸人に自身の“出囃子”について聞く連載「大舞台で響かせたい」。今回は11月のリサが登場。
小学校からの幼なじみである彼らは学生時代、ふたりそろってAKB48に夢中だったという。家族よりも長い時間を共に過ごしてきたふたりの中にある、AKBとの思い出を語ってもらった。
11月のリサ
大森慎介(おおもり・しんすけ/1995年3月29日生まれ、三重県出身)と、まむ(1995年2月8日生まれ、三重県出身)によるコンビ。NSC大阪校36期生出身。2022年は『キングオブコント』で準々決勝進出、『M-1グランプリ』では3回戦に進出している。
11月のリサの出囃子 AKB48「マジスカロックンロール」
──AKB48はもともとお好きなんですか。
大森慎介(以下、大森) ふたりとも好きだったんですけど、僕に至っては芸人になるって決めた理由のひとつがAKBに会いたいからなんです。田舎にいたら○○に会いたいな、付き合いたいな、って憧れを持ったまま人生終わっちゃうじゃないですか。だから憧れで終わらせないで、芸人になって一緒に仕事をしようと。
まむ でもインタビューでそうやって言っちゃったら、きっとなんもできないで。
大森 そうなんだよな~。でも中3のとき、朝の読書の時間にAKBが表紙の『クイック・ジャパン』を読んでて、「雑誌は読むな!」ってめちゃめちゃ怒られた思い出があるんですよ。だからその『クイック・ジャパン』でAKBの話をできたっていうのも、僕の中ではめちゃめちゃエモいですね。
まむ 確かに読んでたな。
──いつごろから好きなんですか。
大森 「言い訳Maybe」とか「大声ダイヤモンド」くらいのときからですね。ずっと熱心に追っていたわけじゃないんですけど、最近はまた劇場とかに通ってます。
──まむさんも好きだったんですよね。
まむ 学生のころはずっと好きだったんですけど、好きなメンバーが卒業して、まわりの人がAKBから遠のいたタイミングで僕も離れちゃいました。でも今は出囃子にも使わせてもらっているので、劇場とかにまた行きたいですね。
大森 ぜひ、行ってください。
──おふたりとも好きだったときは、一緒にライブを観に行ったりしていたんですか。
まむ 当時は無理でしたね。僕ら三重県の四日市ってところ出身なので、SKEの劇場にはたまに行けましたけど、東京は……。そもそもSKE(48)のライブも当時はチケットが全然当たらなかったです。
大森 初めてAKBのライブに行けたのは中3のときです。一緒に横浜アリーナでのコンサートに卒業旅行として行きました。
──推しメンは誰だったんですか。
大森 当時はあきちゃ(高城亜樹)が好きでした。今は特定の推しメンとかはいなくて、グループとしてがんばれ!と思いながら応援させてもらってます。
まむ 僕は今のメンバーだったら、ゆいりー(村山彩希)が好きです。動きがかわいいんですよ。当時はこじはる(小嶋陽菜)がめちゃめちゃ好きだったので、ノースリーブスも好きでした。
大森 桑名市にノースリーブスが握手会で来るってなったときは、自転車こいで並びに行ったよな。
まむ あれは興奮したな~。まさか三重にくるとは思わなかったから、年始なのに朝4時くらいに家を出て行ったよな。
──おふたりの思い出の中にもAKBがいるんですね。
大森 そうですね、切り離せないですね。AKBが好き過ぎて彼女に振られたこともありました。その彼女、学年で一番くらいにかわいい子だったんですけど「私はひとりしかおらんから、48人が相手だと勝てない!」って言われて振られました。
まむ その子が48人おってもやけどな。
AKBのおかげで大好きだった金曜日
──48グループの中で特に好きな曲はありますか?
まむ めっちゃ難しいこと聞くやん!
大森 いや~1000曲くらいありますからね。選べないですよ。よそ行きのやつとマジで好きなやつとかありますよ。みんなに伝わるようによそ行きで選ぶならシングルの「桜の木になろう」とか。劇場曲も含めたらSKEの「Doubt!」って曲とか「ロマンスロケット」が好きですね~。
まむ 僕はよそ行きだと「涙サプライズ!」ですね。ガチだとチームBの「雨の動物園」とか、ノースリーブスのアルバムに入ってた「嘘でしょ?〜七里ガ浜の七不思議〜」はめっちゃ聴いてました。
──そのなかでなぜ出囃子には「マジスカロックンロール」を選ばれたんですか。
大森 僕が提案したんですけど、これがAKBの中で一番カッコつけてない曲だったんです。カッコイイ曲が流れているなかで出るのはなんか違うかなと思って。もう一個の候補は「マジジョテッペンブルース」だったんですけど、やっぱり前田敦子さんにセリフ言ってほしいってなって思って「マジスカロックンロール」にしました。
まむ 「マジにならなきゃ勝てねえよ、いくぜ! ロックンローーール」ってやつですね。このセリフが言い終わってから僕らは出ていきます。
大森 最近はスタッフさんもこのセリフが終わるのを待ってから明転してくれるようになりました。でも初めてのお客さんは、出囃子で急にしゃべり出すんで「?」ってなるんですよ。だからネタの出だしはいつも悪いです。
まむ そんなだったらやめたほうがいいんですけどね。でも最近はAKBさんのコンサートでもこの曲ってなかなかやらないんで、全国でこの曲が大きな音で聴けるのはここだけだと思います。
大森 ぜひ、AKBファンにも聴きに来てほしいですね。
──(笑)。確かにこの2曲は『マジすか学園』(テレビ東京)のキャラクターのまま歌ってるので、ほかの曲とは雰囲気が違いますよね。
大森 そうなんですよ。『マジすか学園』は放送が金曜日だったんですけど、同じ日の夕方に『週刊AKB』(テレビ東京)もやってたんで、毎週、金曜日をめっちゃ楽しみにしてたのもいい思い出です。だけど次の日は学校が休みなんで、月曜に2番組の話をみんなでしてましたね。
まむ いい思い出ですね。当時はLINEとかもなかったので、しっかり番組を観て、好きなシーンやセリフを覚えて、月曜に「あそこよかったよな~」って話してました。
──AKBの方との共演は実現したんですか?
大森 たまに見かけたりするんですけど、ガッツリお仕事はできていないです。だから、霜降り(明星)さんがMCをやってる番組(『AKB48 サヨナラ毛利さん』/日本テレビ)は本気で後釜狙ってます。
まむ 霜降りさんが休みたいとか言い出したら、ぜひ、呼んでいただきたいです。
お互いが初めて見たデブの子供
──大森さんの芸人になるきっかけのひとつがAKBということですが、コンビを組もうと誘ったのはどちらからだったんですか。
大森 どっちからとかはないですね。小学校の卒業文集でふたりとも「芸人になりたい」って書いてたんで、お互いなるもんだと思ってました。だから、高校卒業のタイミングで当たり前のように「NSCの願書いつ出す?」みたいな感じでしたね。
──小学生のときから人前でネタをやっていたんですか。
大森 芸人になるとは言ってたけど、小学校のときはなかったですね。初めてネタをやったのは中学に入ってからです。部活の合宿で、先輩に言われてやりました。そのときの写真ありますよ。
まむ うわ! 懐かし! やったわ~。
──おふたりとも、面影ありますね!
大森 まさかこれが原点になるとは思わなかったですが(笑)。高校生のときは『ハイスクールマンザイ』に出たりしてました。
まむ 僕が本当に芸人になろうと決心したきっかけは『ハイスクールマンザイ』かもしれないです。当時、僕らトリオだったんですけど、同じトリオで出てた人たちに負けたんですよ。それが悔しくて、こいつら倒すまでは芸人つづけてやる!って思いました。そのトリオも同期で入ったらしいんですけど、まだ会えてないです。
──高校時代も変わらず芸人になるというのは、おふたりの中にあったんですね。お笑いはずっと好きだったんですね。
まむ 小学生のころから『エンタの神様』(日本テレビ)とかがブームだったんで、ネタ番組は一緒に観てましたね。ふたりで観てた「山-1グランプリ」(『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ)でのコーナー)で優勝できたときは感慨深かったですね。
大森 『あらびき団』(TBS)もDVDを借りたりしてめっちゃ観てたんで、出演できたのはうれしかったですね。
まむ オンエア観て、いじわるな撮り方をされてたのも上がりましたね。当時、観てたやつなんで。
──子供のころから同じものを観ていると、お笑いに対する感覚も近いですか?
まむ そうですね。こういうのおもしろいよねって言ったときにすぐ共感してもらえるから話は早いと思います。ケンカになることもないですし。こいつ嫌なやつやな~とか感じる前から自然と一緒にいたんで。
──出会ったときのことは覚えてますか。
大森 初めて話したこととかは覚えてないですけど、当時、初めて生で見た同世代のデブがこいつだったっていう記憶はありますね。
まむ でもこいつも太ってたんで、僕もまったく一緒のことを思ったんですよ。それがきっかけで仲よくなったわけではないと思うんですけど、お互い初めて見た自分以外のデブの子供でした。
大森 小学校のときは1クラスしかなかったんで、そもそもクラス全員仲よかったですけどね。
まむ 中学から5クラスになったんで3年間別のクラスだったんですけど、それでも休み時間は常に一緒にいました。部活も一緒でしたし。
大森 親よりも一緒にいる時間は長いと思います。根幹は学生時代のまま変わってないんで、今も休み時間にやっていたことを見られてるだけっていう感覚に近いかもしれないです。もちろん芸歴分、当時よりおもしろくなってるとは思うんですけど。
まむ スベったらスベったで、ふたりの中でスベったなっていうおもしろさを共有しちゃうんですよ。だから最近はスベるのも怖くなくなってます。
大森 ネタ作りも遊んでるだけって感じなんですよ。だからほかのコンビに比べて、ネタができるのは早いと思います。
まむ とりあえずやってみようでやることが多いんで。
──ではネタ作りで行き詰まるということもないんですか。
まむ ネタができない日もあるんですけど、そういう日は作ろうっていうスイッチが入らないまま、ただ楽しく話ちゃってるだけです。2時間で8本新ネタができたこととかもありました。
大森 全然あるな~。『あらびき団』でやったカレーのネタは2分でできました。
まむ YouTubeの撮影中に近くにある洋食屋さんがおいしいから行こうってなって、向かってる途中にできました。
──今月は『新ネタ20本ライブ』も行いますが、こちらもおふたりにとっては過酷ではないんですか。新ネタを20本も作るなんて、なかなかできることではないのかなと思うのですが……。
まむ 20本って言ってるけど、前にやったときにちょっと時間オーバーしちゃったんで、今回は90分にして25本やります。
大森 逆にほかの人の単独が意味わからなくて。5、6本しかやらなかったら、1回スベるダメージでかいじゃないですか。だけど25本もやってたら数本スベってもなんのダメージもないんで、保険をかけてる感じですね。みんなもやりなよって思います。
まむ やっちゃえば意外とできるし、感覚的にはいつもよりちょっと疲れたなくらいです。
大森 25本やって1本でも賞レースでかけられるネタができたらいいなって感じです。
『11月のリサの新ネタ20本ライブ「ヤケクソ」』
日程:2023年2月23日(木)15:45開場/16:00開演
会場:神保町よしもと漫才劇場
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