オードリーの漫才に影響を与えたアジカンの音楽(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『午前0時の森』(火曜日版)

まず前週の山里亮太ゲスト出演回を振り返り「正直、あのあと眠れなくなっちゃって」と語る水卜。楽しかった→感動→びっくりで「感情のジェットコースター」だったと。帯番組に対する山里の覚悟を聞いて、共感して泣いた水卜。一方で若林は「なに語りだしてんだよ」と内心思っていたそうで、最初はコンタクトがズレたのかと思い、山里が水卜が泣いていることを指摘したときも、どこで泣いたのかわからず「自分で自分の神経を疑った」と笑う。

番組中盤は、それぞれの思い出ソングを語るという企画に。山下達郎の「クリスマス・イブ」を挙げた若林は、小学生のときに車で家族全員で歌っていたが、音程が外れてたため父親に「正恭は歌うのやめろ」と言われたと切ない思い出を語る。若林「そうやってると、こういうひん曲がった人間ができるんだからな!(笑)」。

そして「20代はアジカンとチャットモンチーの思い出しかない」と、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのアルバムも挙げる若林。仕事もお金もなく一番きつかった時代に、日比谷の野音の外で漏れてくる音を聴いていたと語る。アジカン「ブラックアウト」の繰り返されるギターリフが印象的になるという話を聞いたことで、「同じボケを何度も繰り返してもいいのかな」と思い、『M-1』の漫才の元にしたことを明かす。「ギターリフを何回繰り返してるか数えて、ないところは笑い合いみたいにして」と。ナイツがテクノのリズムを参考にヤホー漫才を作ったという話もあるけど、こういうふうに音楽の考え方を取り入れるというのはとても興味深い。

番組最後はTAIGAの「出張!人生相談」のコーナー再び。夏に子供が生まれるが、子育てに不安があるという夫婦の相談に「子供が教えてくれるから」「子育てに正解はないから失敗しながら学ぶしかない」と諭すTAIGAが「余談になっちゃうんですけど」と語った実体験が感動的だった。芸人を辞めるなら子供が生まれたときかなと思ってたTAIGAだが「生まれてきた我が子を抱いたら、この子のために夢を諦めたなんて言いたくないと思って、『お前が生まれるまで散々だったけど、お前が生まれてからお仕事もらえるようになったんだよ』って言ってあげたいと思って、そこからがんばれた」と。若林「スタジオちょっと荒れてまして……(笑)水卜ちゃんが泣いてるんです!」。

クイック・ジャパン vol.099
2011年、オードリー特集が掲載された『クイック・ジャパン』

『かまいガチ』

電話して即興お題でバトルする「ガチテレフォン」。連絡帳に入っている一番の大物について、ザコシは『科捜研の女』で共演した南野陽子、シソンヌ長谷川は小栗旬と山田孝之、山内は浜崎あゆみだという。

電話を出ても無言で待ち、切られるまでの時間を競う「ノートークチャレンジ」を経て「ウルトラソウル引き出しチャレンジ」へ。B’z「ultra soul」を歌い、サビ終わりで電話相手が「ヘイ!」を言うかを検証するのだが、さすが芸人、ザコシが電話した本間キッドをはじめ、みんな「ヘイ!」と言う。しかし、山内が電話したのはフワちゃん。フワちゃんは出るなり「ヒルナンデス」とひと言静かに言って電話を切る。まさかの『ヒルナンデス!』生放送中だったのだ。濱家「なんで出んねん!(笑)」。

「変顔にらめっこ」でも芸人たちはすぐに対応。中でも「日本海」にロケに来ているという、おばたのお兄さんが最高だった。いかにも過酷そうなロケっぽいが、そのなかで渾身の変顔をして爆笑を生む。ロケの終わりは何時と聞かれ、おばた「明後日!」。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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