俳優・中本悠太(YUTA)が二番手の魅惑を見事に体現。『HiGH&LOW』最新作に見た喧嘩映画における“普遍的な価値”
人気バトルアクションシリーズ『HiGH&LOW』(ハイロー)の最新作『HiGH&LOW THE WORST X(クロス)』が9月9日に封切られる。髙橋ヒロシのマンガ『クローズ』と『WORST』がクロスオーバーした本作は、「血湧き肉躍る」と形容したくなる興奮必至の映画に仕上がっている。
前作『HiGH&LOW THE WORST』につづいて主演を務めるのは、「THE RAMPAGE from EXILE TRIBE」の川村壱馬。そして彼の好敵手として登場するのが、「NCT 127」でYUTAとして活動している中本悠太だ。
ここでは『HiGH&LOW』シリーズ最新作を評しつつ、「二番手の魅惑」を見事に体現した“俳優・中本悠太”の魅力に迫る。
“存在感の激突”が『HiGH&LOW』シリーズの醍醐味
なんと宝塚公演『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』が現在上演中の『HiGH&LOW』シリーズ。
もはや国民的といっていいほどの人気シリーズだが、劇場版としては第8作となる『HiGH&LOW THE WORST X(クロス)』が9月9日に公開される。
LDHに属するイケメンたちが中核を成すが、同シリーズは当初からLDH以外の人気俳優、大物俳優を招き、大胆なコラボレーションを展開している。前作『HiGH&LOW THE WORST』では、実写映画化もされた『クローズ』や『WORST』で知られる漫画家、髙橋ヒロシを召喚し、彼のマンガの世界観をドッキングさせ、髙橋の原案・キャラクター設定により新風を巻き起こした。
不良高校生たちの闘争を描くこのシリーズは、毛色の異なる番外編なども交えながら、たゆまぬ新陳代謝をつづけてきた。髙橋との再タッグとなる最新作においても、変化を恐れぬ不敵なチャレンジに胸打たれる。
とにかく登場する高校の数が多く、もちろん高校生たちも凄まじい量だ。当たり前のことながら、喧嘩は競技ではないので、トーナメント戦ではない。どこまでもバトルロワイヤル的な世界線。複雑怪奇ではある。初見の観客は面喰らうだろう。しかし、だからこそおもしろい。
今回も物量の投入はとんでもない。だが、思いっきりアクションの連打に振り切った作品構造はかなり洗練されており、シリーズ初体験の方も混乱せずに楽しめるのではないだろうか。
男だらけの世界。今回、ひとりのキャラクターの入院シーンがあり、そこに看護師もフレームインするが、彼女の顔は映らず、声だけが聞こえる。この(おそらく)あえて挿入した場面が、本作の女性不在を強く印象づける。
「合コンしてぇ!」みたいなセリフもあるので、女性が存在していない世界ではないのだが、少なくとも画面には男たちの姿しかない。これが独特の風情を形成する。
メインディッシュは、個性豊か過ぎる面々の死闘。相手に舐められないために気張る面構えはもちろん大事だが、それ以上に全身から発光する気迫のオーラこそが勝負だ。
威勢のいい奴もいる。寡黙な奴もいる。躍動感あふれる奴も、動かざること山の如しな奴も、みんな違ってみんないい世界。
それぞれが、それぞれのフリースタイルで、それぞれのバトルを展開する。主に殴り合いなので、シンプルに決着はつく。
アクションは大きな見せ場だが、何よりも存在感の激突が、観る者を画面に吸引する。
ドラマらしきものはある。彼らには背景もあるし、過去も多少描かれる。しかし、見るべきはそこではない。
その人物が、どんなふうに、二本の足で、その場所に立っているか。
そのことで伝わってくる確かなことがある。
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