太賀と中川監督の険悪ムードを衛藤美彩が取り持つ!?『静かな雨』舞台挨拶

2020.2.8
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話題作に次々と出演している若手実力派俳優・仲野太賀と、乃木坂46を卒業して女優に初挑戦した衛藤美彩がダブル主演を務めた映画『静かな雨』が2020年2月7日に公開された。

そしてその公開記念舞台挨拶が2月8日、シネマート新宿で行われた。主演のふたりと、仲野が勤務する大学の教授役を務めたでんでん、30歳になったばかりの新鋭監督・中川龍太郎、さらに特別ゲストとして原作小説の著者・宮下奈都が登壇した。

監督とキャストが意見をぶつけながら完成した入魂作

『静かな雨』は、片脚を引きずる青年・行助(仲野)と、パチンコ屋の駐車場で屋台のたいやき屋を営むこよみ(衛藤)の静かで、美しく、そして切なくて愛おしい恋愛物語。そんな映画を観たばかりの観客へ向けて、中川龍太郎監督は感慨深げに感想をこぼした。

中川:宮下さんが書かれた美しい原作を初めて読んだのが 1年前のことになります。1年経ってこの映画の最初のお客さまに、皆さまになっていただけてうれしいなと思っています。初めて原作がある作品を作ったので、最初は不安もあったんですけど、素晴らしい仲間や先輩方に囲まれて作れたので、ここに立てて光栄だなと思っています。

2019年3月に約8年間在籍した乃木坂46を卒業した衛藤美彩は、映画初出演となった本作の撮影がグループ在籍中だったことを明かした。

衛藤:オファーをいただいたときには不安のほうが大きかったんですけど、素敵なキャストの皆さまとスタッフの方々に支えられて、それから約1年経って、今日皆さんに見ていただけて、そこまでの過程が全部初めてだったので、こんなにうれしい気持ちになったのも初めてで……とてもうれしい気持ちでいっぱいです。映画ってすごくいいなって、映画界の魅力に自分自身もどっぷり浸かってしまいそうなくらい、この作品が大好きです。

「衛藤さんのファンの方にお叱りを受けないかなと怖気づいています」と話した仲野太賀は、つづけてこの映画の受け止められ方について期待を寄せた。

仲野:素晴らしいキャストの皆さまと、スタッフの皆さまと作り上げた、濃密な時間が刻まれた映画になっているので、どういう風に皆さんの元に届いて、どういう風にこの映画が広がっていくのかなって興味もあります。本当にうれしくて、感謝の気持ちでいっぱいです。

日本映画界に欠かせないベテラン俳優のでんでんは、若き主演ふたりの演技を褒め称えた。

でんでん:太賀くんと衛藤さんのキメの細かい芝居が、同じ役者から見ても素晴らしいなと思いました。静かで淡々と流れる映画の中で、細かい感情の起伏なんだけど、太賀くんと衛藤さんが上手に演じているのを見て、共演者としても痺れた映画でもありました。

撮影時には監督と仲野の意見がぶつかり、現場の雰囲気が悪くなったエピソードが披露されたが――。

中川:自分と太賀がぶつかるというか、気まずくなることがあったんですけど、衛藤さんがめちゃくちゃ空気が読める人で、衛藤さんがいなかったらもうちょっと現場の空気が暗かったかもしれないです(笑)。

仲野:中川監督とは同世代でもありますし、意見交換で激しめのディスカッションがあったかもしれないですけど、衛藤さんが現場を明るくするパワーを持っていて、衛藤さんが現場に来るだけでみんなが明るくなるので、本当に助けられました。

衛藤:私は太賀さんとのシーンが多かったんですけど、年齢も同い年ということで、想像していたよりも気さくで、カメラが回っていないところでもたくさん話しかけてくださったりして、私も緊張がほぐれて楽しく撮影できたかなと思います。

イベント終盤、『静かな雨』公開日の2月7日に27歳の誕生日を迎えた仲野を祝うため、原作小説を手がけた宮下奈都が登場して彼に花束を贈呈した。さらに本作の感想を次のように述べた。

宮下:手触りがザラザラだったり、ツヤツヤだったり、本当にいい映画で、『ゆきさん』って呼んだ衛藤さんの声で、ゆきさん(行助)の世界が立ち上がった気がして、こよみさんの目と、行助さんの目が同じ色で、すごくよかったと思いました。すごくうれしかったです。

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  • 映画_静かな雨_メイン_舞台挨拶

    映画『静かな雨』

    2020年2月7日(金)より全国順次公開
    監督・脚本:中川龍太郎
    原作:宮下奈都 音楽:高木正勝
    出演:仲野太賀、衛藤美彩、萩原聖人、でんでん
    配給:ギグー
    (c)2019「静かな雨」製作委員会 / 宮下奈都・文藝春秋

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