写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
月曜日は、加賀翔(かが屋)が担当。コント師として知られる一方で、芸人仲間などを撮影した写真の腕前にも定評があり、インスタグラムのフォロワーは10万人以上を誇る。そんな彼が、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
お参りを邪魔した「みゃあ」
第10回。新年あけましておめでとうございます。皆様ゆっくりできていますか? 新年っぽいことできていますか? 僕はさっそくテレビでコントをさせていただきました。憧れのお正⽉です。とってもありがたいです。この連載も読んでくださって本当にありがとうございます。皆さんの初コラムが僕の記事だったらいいですね。
2022年は寅年ということで、昨年末に『男はつらいよ』の寅さんゆかりの地として有名な寅さん神社へお参りに⾏きました。寅さん神社とは⽇⽐⾕線⼊⾕駅にある⼩野照崎神社という神社で、渥美清さんがこの神社でお参りをしたら、『男はつらいよ』の主演が決まったという逸話が有名です。
「年が明けてからだと⼈でごった返すだろうし、どうせどこかの神社には⾏くんだし、せっかく寅年だし、今のうちに⾏かなきゃだよなぁ」と、誰に⾔い訳しているのかこんなことを思いながらさっそくお参りに⾏ってきました。
お賽銭を⼊れ、⼆礼⼆拍⼿、⽬をつぶり作法を守って⼿を合わせていたら突然「みゃあ」と声が聞こえます。⽬を開けると⽬の前に猫が座っていました。
猫と⽬が合った瞬間に「あれ……途中で⽬を開けるのっていいのかな?」という考えが頭をよぎり、それと同時に今、⾃分がなんの途中だったのか完全に忘れてしまいました。
「頭下げたっけ……?」「⼀拍⼿しかしてなかった……?」猫は動揺する僕を尻⽬にぴょんぴょんとどこかへ⾏ってしまい、僕はとりあえず「すみませんいったん勉強してきます」と⼼の中で伝えおろおろとその場を離れました。
情けないですね。今⽇は仕⽅ないと⼤⼈しく出ようとしたら神社の塀にさっきの猫がいて、せめて写真は撮って帰ろうかとカメラを構えると、逃げるわけでも僕を⾒るわけでもなく僕の左肩うしろをじっと⾒ていました。
何かいるのかと振り返っても別に誰もおらず、再び猫を⾒たらこの顔です。
猫は無⾃覚かもしれませんが、僕からしたら絶対なんか⾒えてるじゃんという⽬つき。僕はびびり散らしてすぐ退散しました。
お参りもちゃんとできず単純に怖い思いもして「うまくいかなかったなあ」と電⾞に乗り、携帯を開いたら『爆笑ヒットパレード』への出演が決まっていました。急激に取り返しましたありがとうございます。寅さんか猫のおかげだといいですね。
がんばらせていただきますので本年もどうぞよろしくお願いいたします。
加賀翔(かが屋)、前田こころ&平井美葉(BEYOOOOONDS)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
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