聖飢魔IIのデーモン閣下は、紀元前98038年11月10日に発生し、現在は10万歳を越えているそうだ。今さら「本当の年齢は?」と聞く無粋な人はいないと思う。VTuberも同様に、年齢は重要なファクターのひとつだ。VTuberのご意見番・たまごまごの連載第3回のテーマは「年齢」。どのようなスタンスがあるのか、大まかにまとめながら今のVTuberのあり方を考える。
VTuber年齢の概念
年齢を一切公表していないVTuberはかなり多い。VTuberは「アクター・プレイヤーによる理想の存在」なので、活動を開始した日は確定であるものの、プロフィールとしての年齢を公開する必要がそもそもない。
ここが「キャラクター」と違うところ。キャラクターは物語の道筋を辿るために、大まかな年齢設定が必須になるからだ。
VTuberひとりで活動する場合、自身の世界観を自由に構築した上で、相手にそのルールを飲み込んでもらうことで活動ができる。だから途中で路線変更する余地がある。VTuber活動は人生そのものでもあるので、物語としてのゴールがないことが圧倒的に多い。長いスパンで活動する気ならむしろ、年齢のプロフィール設定は邪魔にすらなり得る。
その上で自身の年齢を決めて発表しているのなら、それは「物語を伝えたい」「自身のアバターとしての価値を持たせたい」「成長したい」など、なんらかの明確な理由があるからだ。
歳を取るVTuber
わかりやすいのは、人間同様に歳を取るVTuberのスタイルだ。たとえば花譜や東雲めぐは、中学生から高校生、そして大人へと毎年ひとつずつ歳を取って成長し、公に年齢を発表している。この場合、視聴者側はリアルタイムで、VTuberたちの成長を追うことができる。
もちろん、あくまでもバーチャルアバターの年齢だ。人形劇の人形が一年ずつ歳を取るのを物語的に再現している、と捉えるのがベターだろう。アクターの年齢を探ろうとするのはナンセンスだ。
バーチャルアイドルグループの「えのぐ」や「まりなす」なども、歳を取るタイプだ。中高校生からスタートし、卒業を迎え、アイドル活動に打ち込む様子をリアルタイムで見られる。彼女たちが青春を燃やして、あと戻りできない状態でアイドルへの道を駆け上がる様子は「今応援したい」というファンの心をしっかり掴んでいる。彼女たちは成長することで、リアルアイドルと同じ土俵に自ら立つことを選んだ。
逆に永遠に理想の姿のアイドルでいつづけるため、歳を取らないバーチャルアイドルになるのも可能だ。「18歳の女の子」がアクターの理想であるのなら、何十年でも18歳の女の子として活動できるのが、VTuberの強みだ。
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