阿部寛『ドラゴン桜』衝撃スタート!バイクで大暴走の桜木は『AKIRA』か『ブラック・レイン』か

2021.5.2
ドラゴン桜1サムネ

文=米光一成 編集=アライユキコ


4月25日、新『ドラゴン桜』が始まった。元暴走族の弁護士先生・桜木建二(阿部寛)は、前作の教え子だった水野直美(長澤まさみ)とタッグを組むのか? 衝撃の1話を振り返り、2話を予想する。

「バカとブスこそ東大へ行け」言った!

やってくれたなー。まさに大痛快。2005年版を超えるはちゃめちゃな教師として桜木建二(阿部寛)が蘇った。 

2021年版『ドラゴン桜』。平均世帯視聴率は14.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、今季ドラマ1位。ツイッターで世界トレンド1位を獲得。放送前は、「バカとブスこそ東大へ行け」の名ゼリフもコンプライアンスがあって言えないだろうなどとつぶやかれていたが、ばっちり言いましたよ。

しかも、発言者とリアクションを変えることによって、まさに今の時代に通用する名ゼリフにリファインさせる手腕(詳しいシチュエーションはのちほど紹介する)。コンセプトは明確。『半沢直樹』(TBS)スピリッツの令和版ドラゴン桜だ。日曜劇場にふさわしい重厚さと破天荒っぷりが炸裂した。

舞台は、経営破綻寸前の龍海学園。偏差値32のバカ高校だ。高原浩之(及川光博)教頭が進学校化の再建案を提案する。

理事会の決議シーンの半沢っぽさに興奮。『半沢直樹』で国土交通大臣の白井亜希子を演じた江口のりこが、理事長役だ。 桜木建二に声がかかる。が、桜木は落ちぶれて、家賃も滞納してる状態。元教え子であり、今は法律事務所で働く弁護士の水野直美(長澤まさみ)が、嫌がる桜木を引っ張り出す。

水野直美が、学生たちに演説する。
「目的はただひとつ。皆さんを東大に合格させることです」。 

だが、誰も聞いてない。スマホを見たり、しゃべったりしている。 あざ笑う理事長。 「実は私も高校生のころは偏差値30しかありませんでした。それが桜木先生の指導で勉強したらなんと東大に合格できたんです」 と語ったあと、決め決めで名ゼリフを言うのだ。 

「いい、みんな。バカとブスこそ東大へ行け」 。

だが、リアクションなし。おしゃべりとスマホ。たじろぐ水野。 

「……なんて……へへ、終わりです」 。

桜木ではなく、あの名ゼリフで人生が変わった水野直美に同じことを言わせて(そりゃ、水野的には言いたいだろう!)、しかも、不発に終わらせてしまう。時代は変わった。「バカとブスこそ東大へ行け」が若者に響く時代ではなくなったのだ。

『半沢直樹』で国土交通大臣の白井亜希子を演じた江口のりこが、理事長役/日曜劇場『ドラゴン桜』(C)TBS
『半沢直樹』で国土交通大臣の白井亜希子を演じた江口のりこが、理事長役(2話より)/日曜劇場『ドラゴン桜』(C)TBS

バカは搾取される

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