ハロプロは“名門私立の一貫校”である。冠番組『ハロドリ。』もスタート「ハロプロ研修生」とは?

2020.4.20
ハロプロ研修生、CD各種

文=相羽 真 編集=田島太陽


ハロー!プロジェクトからのデビューを目指す「ハロプロ研修生」という組織がある。小学生であろうと、入ったばかりの新人であろうと、お構いなしで“プロフェッショナル”として扱い、厳しいレッスンを繰り広げることで知られている。

そんな「ハロプロ研修生」に密着する番組『ハロドリ。』(テレビ東京、毎週月曜25時)が、4月6日にスタートした。彼女たちの知られざる裏側を垣間見ることができる貴重な番組をより一層楽しむために、研修生の概要を今一度振り返りつつ、ハロー!プロジェクトという組織を考える。

「ハロプロ研修生」とは何か?

モーニング娘。’20、アンジュルム、Juice=Juice、つばきファクトリー、BEYOOOOONDSが所属する女性アイドル集団、ハロー!プロジェクト。そこからのデビューを目指して、研修を行う組織が「ハロプロ研修生」だ。前身となる「ハロプロエッグ」が誕生したのは2004年。2011年に大幅な体制の変更があり、同年末に現名称に改名された。2016年には北海道を拠点とする「ハロプロ研修生北海道」も発足した。

ハロー!プロジェクトの“下部組織”的な存在ではあるが、そもそも研修生になること自体がかなり難しい。現在の主な加入パターンは、モーニング娘。やアンジュルムの“新メンバーオーディション”を経由するというもの。オーディションで合格とはならなかったものの、将来性が認められた参加者が、事務所から「研修生に加入しませんか?」と声をかけられるという。最近ではオーディション最終審査まで残った参加者たちが、ごっそり研修生となることも多い。また、研修生自体のオーディションも不定期で開催されており、こちらから加入するケースもある。

ハロプロ研修生は、ダンスや歌、MCなどのレッスンを定期的に行い、アイドルとしてのスキルを研鑽していく。その成果は、3カ月に1回開催される発表会や年2回のハロプロ全体のコンサートなどで披露される。近年は減っているが、先輩グループのコンサートツアーへの帯同という活動もある。かつては、℃-uteのツアーの帯同メンバーに選ばれるとデビューが近づく……などというジンクスもあった。

そして、研修生としての活動で特に盛り上がるのが、毎年ゴールデンウィークに中野サンプラザで開催される『春の公開実力診断テスト』だ。研修生全員が、自己プロデュースでソロパフォーマンスを披露するという一大イベントである。歌唱賞、ダンス賞などの各賞を審査員が決定するとともに、観客による投票も行われる。ここで結果を出すことがデビューへの近道となるのは、説明するまでもないだろう。

77%がハロプロ研修生出身

研修生からデビューする道筋は大きく分けふたつ。既存のグループに新メンバーとして加入するか、新たに結成されるグループのメンバーとなるかだ。

2020年4月現在、各グループの研修生出身者数(エッグ出身者含む)は、モーニング娘。’20が14人中7人、アンジュルムが9人中7人、BEYOOOOONDSが12人中9人。Juice=Juice、つばきファクトリーは全員が研修生出身者だ。ハロプロ全体で見ると53人中41人の77%がハロプロ研修生出身者となる。その高い割合からも、ハロプロ研修生がハロー!プロジェクトにおける人材育成の根幹を担っていることがお解りいただけるだろう。

一方で、モーニング娘。やアンジュルムの“新メンバーオーディション”の合格者はハロプロ研修生を経ずにいきなり正規メンバーとなる。現在もアンジュルムの新メンバーオーディションが開催されており、組織内で育成するだけでなく、外部からのタレント発掘にも積極的なのだ。

ハロプロ研修生の割合

ハロプロ研修生という業界屈指の育成期間を持ちながらも、新しい息吹を求めるハロー!プロジェクト。そのシステムはエスカレーター式の“名門私立校”になぞらえることができる。

ハロプロ=“名門私立校”そのワケは?

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相羽 真

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相羽 真

(あいば・まこと)ライター。1975年生まれ。神奈川県出身。近年の主な執筆分野は芸能・エンタメ全般。WEBメディアの編集も担当。

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