2010年代は、女性アイドルが活躍の幅を広げた時代だった。AKB48を筆頭に、ももいろクローバーZやでんぱ組.incなど、さまざまなカラーを持ったグループが誕生。マスから地下に至るまで、数え切れないほどの女の子がアイドルとなった。
2020年になった今、あのころのような動きがボーイズグループで起きている。ジャニーズ事務所に限らず、いろいろな男性アーティストの活動が活発化しているのだ。今回は時代を切り拓いていくであろう、注目のユニットを紹介していきます。
From『PRODUCE 101 JAPAN』
昨年、社会現象を巻き起こすほどの人気を博したオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』。この合格メンバーにより結成された「JO1(ジェイオーワン)」は、注目株の筆頭と言っていいだろう。日本で“アイドル”と呼ばれる人たちは、キャラクタライズに凝り過ぎていてパフォーマンスが追いつかないことも少なくない。
しかし、JO1はデビューの時点で、シンクロ率の高いダンスをすでに取得している。見た目のかっこよさだけで終わらない圧倒的な実力は、日本のダンスボーカルシーンを変えてくれそうな気配を放っているのだ。
また、オーディションの脱落者や落選者で構成された、ほかのグループも目が離せない。人気投票で常に上位をキープしていたメンバーで構成された「ORβIT(オルビット)」、ライブ配信に強い事務所であるChurrosが仕掛ける「BXW」、そして先日ユニットの結成が明らかとなったK・J-HOPをコンセプトとした「Boom Trigger(ブーム・トリガー)」。同じ釜の飯を食べ切磋琢磨した仲間である彼らが、お互いを高め合っていくライバルとして輝く未来を大いに期待したい。
From EBiDAN
俳優として活躍中の北村匠海を擁する「DISH//(ディッシュ)」、5人グループとしてリスタートを切った「M!LK(ミルク)」など、魅力的なボーイズグループを排出しつづけるスターダストプロモーションの若手アーティスト集団「EBiDAN(恵比寿学園男子部)」。常に話題性に富んだグループを世間に放ちつづけるが、中でも話題をさらっているのは昨年デビューした「原因は自分にある。」だろう。
彼らの魅力は、ボカロ以降の影響を強く感じさせる楽曲だ。いかにもアイドル然とした曲ももちろん存在するのだが、それとは別のベクトルで攻めてくる曲は新しい時代を感じさせる。wowoka(ヲワカ)が得意とした早口言葉のようなリリックや、ハチ(米津玄師)の作品に見られた哲学的なフレーズなどボカロ以後の音楽を強く反映している。ヒトリエやパスピエがバンドで放ったような異質感を、原因は自分にある。はボーイズグループという枠組みのなかで発揮しているのだ。