苦い思い出ばかりだった『ABCお笑いグランプリ』で優勝するまで<エバース佐々木「ここで1球チェンジアップ」>

2025.7.22
エバース佐々木

正統派スタイルながら、独特な切り口を持った漫才で注目を集めるエバース。そのネタ作りを担当する佐々木隆史は、野球一筋の学生時代を過ごしてきた。現在は相方・町田和樹とともに漫才一本で強豪たちと戦う佐々木が、あのころの自分と重ねながら日々を綴る連載「ここで1球チェンジアップ」

6月29日に行われた『第46回ABCお笑いグランプリ2025』で優勝したエバース。芸歴10年目以内がエントリーできる本大会のタイトルを、ラストイヤーでついに獲得した。そこで今回は優勝までの『ABC』での思い出を振り返る。

あのときから4年

どうもエバース佐々木です。先日、ついに『ABCお笑いグランプリ』で優勝することができました。

チャンピョンベルトを担ぐ相方・町田和樹

思い返せば2021年にエントリーしょうと思ったら、マネージャーのミスで気づいたときにはエントリー期間が終わっていた(ちなみに後輩のアズーロ24はエントリーできてました)、あのときから4年で優勝できました。

2022年は初めて準決勝まで残ることができましたが、当時大半のメンバーが現役大学生だったダウ90000がすごくウケたあとの出番で、芸歴7年目の無名芸人が誰も期待してないのに勝手に緊張してややスベリして帰ったことを、あの日会場にいた全人間の中で僕と町田だけが今でも鮮明に覚えています。

2023年も準決勝まで残りましたがウケきらず敗退。この年はずっと切磋琢磨してきた先輩の素敵じゃないかさんや同期のオフローズが決勝進出し、後輩の令和ロマンやヨネダ2000にいたっては優勝候補みたいな感じだったので、完全に置いていかれた感覚になり、だいぶ焦りました。

決勝を観てるとき、心から応援できてなかったくせに本人たちに会ったときはいい顔して本当に器の小さい人間だったなと今になって反省しています。

2024年の『ABC』は『M-1グランプリ2023』の敗者復活戦でけっこうな爪あとを残せたおかげで追い風ムードで準決勝はめちゃくちゃウケて、初めて決勝に進むことができました。

ただ決勝で持ち前の緊張しいを前面に出してしまい、大事なところで嘘みたいな言い間違いをし、その緊張が伝わった隣にいる刈り上げはただの木偶の坊と化しました。結局グループ敗退で最終決戦にすら残れず、『ABC』は本当に苦い思い出しかないです。

そんな思い返したくもないトラウマ大会をラストイヤーで満を持して優勝するなんて本当に強い人間ですね。

これで『NHK新人お笑い大賞』と『ABCお笑いグランプリ』と、ふたつのタイトルです。両方とも獲ってるコンビなんて俺ら以外にいるのか?と思って調べたら、近々で令和ロマンがいました。

とりあえず令和ロマンを越えるには『M-1グランプリ』3連覇するしかないみたいです。ということで、これからも漫才道を極めるために、おごることなく精進していく所存でございますので、みなさんも仕事やらなんやらがんばってください。

できればライブも観に来てね。

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佐々木隆史(エバース)

(ささき・たかふみ)1992年11月6日生まれ、宮城県出身。お笑いコンビ・エバースのボケ担当。レギュラー番組『エバースのモンキー125cc』(stand.fm)、『エバースの野茂ラヂ雄』(Artistspoken)。